F1カメラマンの“小樽モナコ化計画”が
“YOSAKOIソーラン祭り”と邂逅した!
ひとつの出会いがなかったら、今ごろ小樽グランプリの話はなかったかもしれない。前回紹介した“北海道みちとくらしと未来のネットワーク”で取り上げることになったきっかけは、ある出会いによるものだった。
北海道をベースに、F1取材を続けているフォトグラファーの澤田賢志さん。長年モナコ・グランプリを撮影してきた澤田さんは、小樽とモナコがとても似ていると以前から感じていた。同じ観光の街であり、海と山に囲まれたロケーションなど、似ている点があまりにも多いという。だがそこには両方を知る人にしか解らない、大きな違いがあった。
「どちらも素晴らしい街なんですが、モナコはグランプリだけでなく、もっとたくさん世界的なイベントがあるんですよ。1年の52週のうちに70以上もあって、いつも何かが行われているんです。残念ながら、小樽は観光しかない」
「これでいいのだろうか」と感じた澤田さんは“小樽モナコ化計画”を思いつき、北海道新聞の知り合いに話すと、早速記事として取り上げられることになった。そして、偶然それを見たラジオ局が澤田さんを番組のゲストに呼ぶことになり、そのレギュラー・パーソナリティだった“YOSAKOIソーラン祭り”の創始者、長谷川 岳さんと出会うことになる。
札幌で200万人以上を動員する一大イベント、YOSAKOIソーラン祭り。1991年に、当事北海道大学の学生だった長谷川さんが高知のよさこい祭りを見て、「北海道にもこのようなイベントがあれば」と思いついたことから始まった。
「街は舞台だ」を合い言葉にするこのお祭りは、札幌市内の公道を閉鎖して行われる。道を利用したイベントのエキスパートである長谷川さんは、“北海道みちとくらしと未来のネットワーク”の委員に選出されることになり、北海道の道の将来について議論をするようになった。
そこで長谷川さんが委員会に提案したのが、“小樽グランプリ”だったのである。
筆者近況
10月5日に北海道小樽グランプリ推進協議会とチャンプ・カー・ジャパンの主催によるメディア懇談会が行われた。ボランティアで広報を担当することになっていた筆者は、普段と逆の立場で、取材をお願いする立場に。前の週末がWRCで、今週末にはF1が控えていたこの日、日本のレース業界は年で一番忙しい時期であり、おまけに雨まで降って来場が心配されたが、席の9割は埋まった。いつもお世話になっている広報の皆さんの苦労が、今回も身に染みたという。
(オートスポーツ誌 2005年10月20日号に掲載)