佐藤琢磨選手の最終スティントの激走、武藤英紀選手の粘り強い走り、ロジャー安川選手の電撃参戦、そしてスパイダーマンに沸いたインディジャパンで、1つ気になったことがあります。それはディクソンの存在感。事前に編集長の注目を聞いていたこともありますが、注目していたわりに、パッとしませんでした。思えばその前のレースもそんな雰囲気だったかも?
スコット・ディクソンは、アイスマンとかファントムと呼ばれるくらい、シャイで無口なドライバーとして有名です。実際のレースでもクールなレース運びをしますが、「ここぞ!」という時は切れ味鋭く、闘争心剥き出しの走りをすることも分かってきました。しかしここ2戦、全力を出し切ったのかな?と思うようなレースなのです。
……、ひょっとしてダリオ・フランキッティへのライバル心があったりするのかな?
ダリオが1年のブランクの後にインディカーに復帰、その年に2度目のタイトルを獲られ、タイトル獲得数で並ばれてしまったこと。インディカーでの勝利数はディクソン23勝、ダリオ15勝と大差がありますが、アメリカンオープンホイール最高峰としてCART時代を含めて考えると、ディクソン24勝、ダリオ25勝と、ほぼイーブン。ここでタイトル数で負けることをどう捉えるか。
かつてチャンピオン争いの最中にスピンしてダリオにバックアタックを食らわせたディクソン。TV解説陣に「故意にそうすることも可能」と言わしめた一件ですが。思った以上に「勝ち」にこだわるタイプかも? と思っています。ダリオは協力し合うペンスキー3台に、1台で挑まなければならないかも? そして注目の最終ラップをどんな順位で迎えるか、いまから楽しみでなりません!
Illustration & TEXT by アラブルカ
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4コマの内容はフィクションです。
登場する団体・人物等は実際とは異なります。
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