ロングビーチでのライアン・ハンターレイ、見事な勝利でした。もともとストリートでは目を見張る走りを披露していましたが、ペンスキーのウィルパワーを後ろに従えての優勝は、ウィルに一瞬の失速があったとはいえ素晴らしかった。ファステストラップもしっかり獲っていますしね!
また周回遅れのアレックス・ロイドに引っかかり、巧者ジャスティン・ウィルソンがどんどん差を詰めてきた時も粘り強く慎重だったことには、将来のチャンピオンの資質を感じました。願わくばもう少しコース外でのキャラ付けをしっかりとですね、頑張ってほしいところ。婚約者ベッキー・ゴードンと、その兄ロビー・ゴードンのほうがキャラが立っているところが……。あぁ、でもある意味今でも、優等生かつ婚約者(とその兄)に押されるキャラは立っているか。
とにもかくにも今年はスポット参戦の予定だったので、早めに結果が出てよかった。あとは500でどこまでがんばれるか。ハンターレイはオーバルもイケルので楽しみです。
さて記事タイトルの「101」。僕は初めて見た時は何のことだか分かりませんでした。調べると基礎とか入門講座ということらしい。ドラフティングの効果について知ったのはCARTのメディアガイドの基礎講座でした。それまではスリップストリームは後ろのクルマにのみ効果があると思っていたのです。
実は未だになぜ前のクルマも速くなるのか疑問ではあるのですが、高速走行時に後ろ向きに引っ張られる力が軽減されると書いてありました。NASCARではさらにバンプといって、直線で後ろから直接クルマを押すことでさらに速くなったりしますが、さすがにインディカーではそれは不可能。後ろにクルマがいる時に、ごくごく微妙に速くなるくらいでしょうか。近年でいうと08年の最終戦シカゴランドで、エリオが鼻差の勝利を収めたのは、ブリスコーが後ろでアシストしたから? というのがドラフトの影響と思えるシーン。このトラックはいつも接戦で、非常に面白いレースが展開されます。
今年から観戦されているかたの何人かはオーバルが退屈に感じられるかもしれません。実際僕も最初はしょっちゅう寝ていました。しかしその魅力がわかってからは、インディカーのオーバルは常に手に汗にぎって観戦するように。個人的にはNASCARのデイトナ、タラデガ、そしてインディカーのテキサス、シカゴランドが、オーバルの魅力が伝わりやすいと感じます。クルマの位置どりの駆け引きの難しさと、レースの現場でのあのスピードでのサイドバイサイドの緊張が頭でリンクすると、もう後には戻れません。
もし、もてぎに行かれたことのないファンのかたがいらっしゃいましたら、ぜひインディカーの迫力と緊張感を味わっていただきたいです。僕はツインリンクもてぎのターン4を、インディカーの集団が駆け抜けた後に巻き起こる風が大好きです。
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4コマの内容はフィクションです。
登場する団体・人物等は実際とは異なります。
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Illustration & TEXT by アラブルカ