Osamu Ishimi's

経済危機の中で行われたインディカーRd.1セント・ピータースバーグ

画像とにかく世の中は大不況。先行きが見えない経済状況の中で、本当にレースが出来るのかどうかが心配でしたが、インディカーはどうにか22台のエントリーがあり、ほっと一安心といったところです。とはいえ昨年チャンプカーと合併した直後は、インディ500を除くレースでも26台から28台のエントリーを数え、大盛況だっただけにちょっと残念。

2008年はインディカーとチャンプカーがやっと相互の理解を深め、ファン待望の合併が実現した記念すべき年でした。しかし10月に入り、アメリカ発のサブプライム問題で景気は一気に悪化し、協賛していただいているスポンサー企業にも「レースなんてやっている場合じゃないだろう」という雰囲気が漂う危機に面してしまいました。一時はエントラントチーム全体が瀕死の重症状態に陥っていたことを考えると、残念と言うべきではなく、むしろよくぞ22台を支えるスポンサー企業が思いとどまってくれたと。インディカーが他のメジャースポーツイベントに比べて、大健闘したと言う方が正しいのかもしれません。

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今シーズン開幕戦のセント・ピータースバーグの市街地レースも、私達の心配をよそに多くのファンが集まり、過去最大の盛り上がりを見せました。レースを戦ったドライバー達も、今シーズンの初戦ということで少々気合を入れ過ぎたのか、オーバーテイクシーンやクラッシュシーンが盛り沢山のレース展開になり、会場を訪れたファンはお腹一杯にレースを楽しめたウィークエンドになったはずです。レースを毎週の様に見ている私達でさえ心底楽しめるレースだったので、ここのところは間違いありません。

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今シーズンからロード・コースで使用されることになったレッド・タイヤ(ソフトタイヤ)の登場も、レース展開を面白くさせた重要なファクターです。タイヤのコンパウンドが柔らかければ、イコール性能が上がる(ラップタイムが速くなる)という単純なものではありません。プライマリータイヤ(ハードタイヤ)と共に必ずレース中にこのタイヤを装着しなくてはならないので、いかに効率よく使用するか、各チームの手腕が試されることになりました。ファンにとっても一見して硬いタイヤを履いている、柔らかいタイヤを履いているということが分るので、レースを観戦するうえで面白みが増えて好評だったようです。

●セントピータースバーグで私にもフルコースコーションが……

アメリカにいると、仕事終わりにどうしても飲みたくなってしまうビール。このビールが私の身体を蝕むようになって早8年。私の持病、痛風がセント・ピータースバーグで再度発症してしまいました。前回発症したのは確か2007年のワトキンス・グレンのレースだったので、約2年ぶりの発症です。

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英語ではGout(ガウト)と呼ばれ、この病気になるほとんどの人が足の親指付け根の間接部分に違和感を生じ、大きく腫れてくるのですが、これが信じられないくらい痛い。病名の名の通り、風が吹くだけでも痛さを感じるので、歩くこともままならない状態になります。普段5分ぐらいで歩けるところを20分かけて歩くことになるので、セント・ピータースバーグではホトホト疲れました。

そんな時、ダリオ・フランキッティの父親ジョージ・フランキッティに呼び止められ、「どうしたんだ? もしかしたらガウトか?」と鋭いつっこみ。ジョージとはゴルフ仲間で普段から仲良くしてもらっているのですが、どうやらジョージも痛風で苦しむ時があるらしく、私の様子を見てズバリ的中してみせたのです。持つべきものは友。ジョージはわざわざ自分が泊まっているホテルまで戻って、痛風に効くという特効薬を持ってきてくれました。

30分で痛みが無くなるというジョージの説明に、頭の中は「ほんとかよ」と疑念の嵐。しかしこれが凄い薬だった。約30分後には腫れも痛みも無くなり、普段どおり歩けるようになってしまったのです。VIVAアメリカ! アメリカで処方される薬は本当に効くーっ。日本で処方される薬は2週間飲んでも効かないのにね。

ジョージにお礼を言いに、チップ・ガナッシのピットを訪問した時、ジョージからは「薬を持っているからって調子にのるなよ」と叱咤激励のお言葉。そう私は何度神様にもう二度とビールは飲みませんと誓ったことか……今度こそ誓います、二度とビールは飲みません。これからはビールに匹敵する飲み物探しに忙しくなりそうです。