<Toyota>
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第18戦 Coke Zero 400
7月4日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第18戦「Coke Zero 400」が開催された。
NASCARの聖地のひとつである、伝統の「デイトナ」でのレースは、開幕戦に続き、今季2度目。最大31度と高いバンク角を誇る1周2.5マイル(約4km)のスーパースピードウェイでは、タラデガと同様、リストリクター・プレート(吸気制限プレート)による馬力制限が行われ、ドラフティング(車両が縦に並んで走行することで空気抵抗を低減する)などの戦略や技術も重要となる。また、超高速での接近戦が展開されるため、ひとたびクラッシュが発生すれば、多くの車両が巻き込まれる多重クラッシュになりやすい。
昨年の同レースでは、カイル・ブッシュが“トヨタ カムリ”に初のデイトナでの勝利をもたらしている。
3日(金)午後4時から行われる予定の予選は、突然の強い雷雨のために中止となり、規定によりオーナーポイント順でグリッドが決定。デニー・ハムリンが6番手、カイル・ブッシュが8番手となり、12台の“トヨタ カムリ”が決勝に進んだ。今季、降雨による予選中止は4度目となった。
4日(土)まだ明るさの残る午後8時20分に、2.5マイルのスーパースピードウェイを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
すぐに、6番手スタートのハムリンと8番手スタートのKy.ブッシュが隊列の上位に浮上。ハムリンは4周目にトップに立った。Ky.ブッシュもアウトサイドの隊列先頭に付け、チャンスを伺う。後方では、18番手スタートのマーコス・アンブローズがトップ10圏内へとポジションを上げていった。
その後もハムリンとKy.ブッシュを含むトップグループは、ポジションを入れ替えながらの首位争いを展開。後方のセカンドグループは2列、時には3列での激しいポジション争いを繰り広げた。
63周目にハムリンがこの日4度目の首位に浮上。Ky.ブッシュが続き、ジョー・ギブス・レーシングの“トヨタ カムリ”が1−2体制でレースを引っ張る形となった。
78周目には、13台が巻き込まれる多重クラッシュが発生。デビッド・ロイティマン、マイケル・ウォルトリップ、ブライアン・ヴィッカーズらが巻き込まれてしまった。
ハムリンとKy.ブッシュは変わらずトップグループを維持したまま終盤戦へ。レースも残り10周を切った153周目に、セカンドグループ中団でポジションを争っていたスコット・スピードが接触でバランスを崩し、ウォールにクラッシュ。これでこの日8度目のイエローコーションとなり、残り4周で最後の再スタートが切られた。
常にトップ5圏内を走行しながらも、この日は一度も首位に立つことの無かったKy.ブッシュだったが、ついにこの機にアタック。残り2周で首位を行くトニー・スチュワート(シボレー)をアウトサイドからパス。ファイナルラップで、この日初めての首位に立った。Ky.ブッシュの後方につけ、首位浮上を援護したハムリンは、隊列へ戻る場所を失い、4位に後退。
Ky.ブッシュが首位に立ったが、昨年までKy.ブッシュのチームメイトであったスチュワートも逆転を狙い、ファイナルラップ、チェッカーを目前にした最終コーナーで、アウトへとラインを変更。これを抑えようとしたKy.ブッシュがアウトへラインを変えた瞬間、スチュワートと接触。Ky.ブッシュはハイスピードのままスピンし、ウォールへクラッシュ。これを避けられなかった後続集団が続々と突っ込み、多重クラッシュの大混乱のまま、各車はチェッカーへと飛び込んだ。
この結果、クラッシュを避けたハムリンが3位。アンブローズが6位、ヴィッカーズが7位と、“トヨタ カムリ”は3台がトップ10フィニッシュ。後続から突っ込まれた状態でフィニッシュラインを越えたKy.ブッシュは、14位でレースを終えることとなった。
次戦第19戦は7月11日(土)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「我がチームの車両のどれか1台が勝てればと思っていた。そのため、最後は14号車(トニー・スチュワート)を抜くために、18号車(カイル・ブッシュ)の後ろについて行くことを決め、自分たちの勝利の代わりに、チームメイトの勝利を援護する形となった。この判断は上手く行き、18号車はトップに立ったが、我々は居場所を失い、48号車(ジミー・ジョンソン)に先行されてしまった。最後の状況では、2番手のトニーの方が有利だった だろう。カイルは首位の座を守るために、出来る限りのことをした。トニーも勝利のために全力を尽くした。彼らはどちらも勝利を目指していたのだし、誰も責めることは出来ない。我々自身にとっては、素晴らしい夜だった。我々の“トヨタ カムリ”は非常に強力だった。これまで、スーパースピードウェイでこれほどの仕上がりで走れたことはない。チームを誇りに思う。ピットストップも上手く行き、多くの周回でリードラップを獲得出来た。全体的に見て、満足のいく一日だった」
第18戦 Coke Zero 400 決勝結果
順位 予選 No. ドライバー名 車種 周回
1 1 14 トニー・スチュワート シボレー 160
2 3 48 ジミー・ジョンソン シボレー 160
3 6 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 160
6 18 47 マーコス・アンブローズ トヨタ カムリ 160
7 17 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 160
14 8 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 160
19 21 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 160
22 34 7 ロビー・ゴードン トヨタ カムリ 160
31 37 82 スコット・スピード トヨタ カムリ 152
36 14 00 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 127
37 29 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 124
41 39 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 25
42 41 36 パトリック・カーペンティア トヨタ カムリ 18
43 40 66 デイヴ・ブレイニー トヨタ カムリ 2
観客数(主催者発表):115