INDY CAR

第9戦ワトキンス・グレン【決勝】フォト・レポート

<US-RACING>

画像

第9戦ワトキンス・グレンはショート・オーバルなみの接戦となり、ついに今シーズンのペンスキー&ガナッシの支配に終止符が打たれました! みごと大金星を手に入れたのは、なんとデイル・コイン・レーシング&ジャスティン・ウィルソンです。2番グリッドからスタートし、4周目にポール・ポジションのライアン・ブリスコーをパス。ロード・コースでの才能をフルに発揮したウィルソンは、ビッグ・チームのブリスコーとスコット・ディクソンを抑え、圧倒的な速さで4.99秒まで差を広げてシーズン初優勝を飾りました。「この1年をかけてロード・コースに力を注いできたおかげだ。このようにレースを支配するのは、ほんとうに素晴らしい。僕のためにこのクルマを用意してくれたデイル・コインに、ほんとうに感謝しているよ。今年のはじめには、ドライブできるかどうか分からなかったのに、ヴィクトリー・レーンに立てたなんて信じられない。ほんとうに気持ちが良いね。最後の1周中ずっと笑いが止まらなかった。デイルと一緒にほんとうに力を発揮できて、キャリアの中でもっとも重要な勝利だったと思う。最高の気分だ」と感激のウィルソン。レース中に9回のリード・チェンジがあった中で、ウィルソンはもっとも多い49周もリードしてみせました。ウィルソンが前回優勝した昨年のデトロイト以来、ペンスキー&ガナッシは10連勝していたんですね。どうやらビッグ・チームを止められるのは、この人しかいないようです。

画像

25年前に立ち上がったデイル・コイン・レーシングにとっては、558回目のオープン・ホイール・レースで、ついに悲願の初優勝を飾ることができました。ジャスティン・ウィルソンがチェッカーを受けると同時に、チーム・クルーやチーム・オーナーのデイル・コインはいっせいに叫び、抱き合っていましたよ。チーム・オーナー&ドライバーとして、25年もの優勝への道のりについて聞かれたコインは「長かったね」と一言。「今シーズン最初からほんとうに一生懸命で、良い人材を集めてきたんだ。ジャスティンは、ほんとうに素晴らしいロード・レーサーだと分かっていた。セント・ピーターズバーグで惜しくも優勝を逃したけど、今日はほんとうの力を見せることができたと思う」とちょっと涙ぐんでいました。その人の良さから、多くの人に慕われているコイン。表彰式でも控えめで後ろのほうに並んでいましたが、こんな時ぐらい前に出てきても良いのにと思いましたよ。我々も心からおめでとうと言いたいです。

画像

ポール・ポジションからスタートしたライアン・ブリスコーは、スタートからわずか4周目にウィルソンにパスされるも、しっかりと後ろで2番手をキープ。ところが、20周目にピット・インしようとしたときに、フル・コース・コーションとなり、ピットがクローズド。そこでスプラッシュ・アンド・ゴーをし、翌周に再びピット・インを余儀なくされました。2回目のピット・ストップ後に再度2番手まで上昇したのですが、最後のスティントでレッド・タイヤを履いていたウィルソンにどんどん離され、今シーズン4回目となる2位が精一杯。「デイル・コインとジャスティン・ウィルソン、そしてチーム・クルーのみんな、おめでとう! 最初のスティントでジャスティンより1周多く走ってピットに入ったんだけど、イエローに引っかかってしまった。それでリードを取り戻せるはずだったのに、2回もピットインしなければいけなかったんだ。そこから順位を取り戻すことが大変だったものの、ピットがすごく早かったし、最後のスティントではかなりどきどきしたね。僕だけブラック・タイヤを履いていて、周りのドライバーがレッドだったので、ポジションを守るのが大変だった」とブリスコー。この結果により、チャンピオンシップ・ランキングでフランキッティとタイの2位に上昇しました。

画像

3番グリッドからシリーズ新記録の20勝目を狙っていたスコット・ディクソンは、レース中盤にポジションを大きく落としていたものの、最後のピット・ストップ前にうまく燃料をセーブし、2番手でブリスコーの前にコースへ復帰。しかしコールド・タイヤだったため、ブリスコーにすぐにパスされ、そのまま3位でフィニッシュしました。「すごくタフなレースだった。スタートで十分なところまでシフトダウンしなかったせいで、(マリオ)モラエスにパスされたね。1回目のスティントは大変だった。予選で8〜10周も走っていたタイヤだったから、かなり早く減ってしまったんだ。ジャスティン、ほんとうにおめでとう。今日の君の勢いは止められなかったよ。ライアンも良いレースをしたし、僕もガナッシのクルーのおかげで、良い位置でこの1日を終えることができた」と語ったディクソン。ウィルソンがブリスコーの前でフィニッシュしたおかげで、ディクソンがチャンピオンシップのトップ浮上です。

画像

過去3回もポールからスタートしてきたエリオ・カストロネベスですが、予選でタイムが伸びず、13番グリッドからの追い上げに挑みました。いつものカストロネベスらしい走りと、チーム・ペンスキーならではの素早いピット・ストップにより、9ポジションもアップしてみごと4位でフィニッシュです。「次は真ん中からスタートしないことが目標だね。でも、予選13位のクルマよりもだいぶ良くなっていたし、最終的に素晴らしい一日になった。2回目のピット・ストップ後は、デイル・コインのチームがレッド・タイヤで素晴らしい走りを見せたね。結果的に我々は4位となったけど、朝は4位にフィニッシュするなんてまったく思っていなかった。ほんとうに良い一日になったよ」と本人もちょっとびっくりしていました。

画像

5周目にE.Jヴィソに追突されて、タイヤがパンクしてピット・インしたマルコ・アンドレッティ。ここでレースが終わったかと思いきや、コーションを利用して確実にポジションを上げ、最終ラップでマイク・コンウェイをパスしてみごと5位に入りました。「EJ.ヴィソってヤツを注意しなければならないのは分かっていたし、みんな注意していたんだけどね。今日はクルーのみんなにとって、ほんとうに最高の1日だった。確実にペースは速かったよ。将来に向けてほんとうにポジティブなことばかりだ。イエロー・コーションをうまくこなすことが重要で、僕らは運が良かった。リード・ラップまで戻っただけでなく、上位まで行けて面白いレースになったと思う」と強気のアンドレッティ。シーズン2回目のトップ5フィニッシュとなりました。

画像

キャリアベストの6番グリッドからスタートしたマイク・コンウェイ。ヨーロッパのロード・コース経験を活かし、21周から40周目まで2番手を走行していました。2回目のピットでトップ・チームに先行されましたが、5位のポジションを維持。キャリア初のトップ5目前、最終ラップにアンドレッティに抜かれ、6位でレースを終えました。「僕らにとってほんとうに最高な結果だったよ。一日中力強い走りだった。最後にもうちょっと上位に行けなかったのは、少し残念だけどね。ピットでタイム・ロスしてしまって、数秒失ったせいでジャスティン・ウィルソンとの差が広がり、数台が僕の前に入ってしまったんだ。トップ5を走りながら燃料をセーブし、最後にバランスで苦労したんだけど、しっかりと6位でフィニッシュができた。クルーのみんなにほんとうに感謝しているよ。来週のトロントも楽しみにしている」と語るイギリス人のルーキー。次のトロントとエドモントンでの活躍も期待できそうです。

画像

予選13位のグリッドからスタートした武藤英紀は、8周目までにポジションを8番手までアップ。トップ・グループよりも一足早い、15周目に1回目のピット・インを行いました。その作戦が功を奏し、全車がピットを終えて武藤は3番手に躍進。アイオワ、リッチモンドに続き、今回もトップ・グループでの快走を見せ、期待のボルテージはまたも上昇していきましたよ。オーバルに続き、ロード・コースでも絶好調です!

画像

武藤陣営としては、早めにピットを行った分、燃費を稼いでできるだけ遅くに、全車が2回目のピットへ入るタイミングでピットをしたいという状況でした。もっと上を狙いたいものの、我慢の走りが続きます。しかし期待していたコーションが出ず、武藤は40周目に2回目のピットを敢行したところ、ここでクラッチ・トラブルにより再スタートに出遅れ。さらに、2スティントを連続レッド・タイヤで走っていた武藤は、ここで初めてレギュラーのブラックを装着したのですが、クルマとのマッチングがいまひとつだったそうで、52周目にスピンを喫してリタイアに終わってしまいました。残念な結果ではありますが、ロード・コースでも頼もしい走りをしてくれたので、次回のトロント、その次のエドモントンでも期待できそうですよ!

画像

今日は朝からみごとな快晴となったワトキンス・グレン。気温も昨日より暖かくなり、レースがスタートする午後1時30分の時点で気温は22度まで上昇しました。レース中になると若干薄い雲が部分的に空を覆いましたが、気温は下がることなく、ファンにとっても観戦するにはベストな気候となりましたよ。例年よりスタンドの観客数がちょっと減ったような気がしましたが、キャンプで訪れたファンも含め、レースを十分に楽しんだと思います。来週から北の国境を越え、カナダの2連戦がトロントの市街地からスタートします。みなさん今回のライブ・ラジオは、楽しんでいただけたでしょうか。デイル・コインの初優勝の瞬間をお届けできて、我々もハッピーです。今週末のトロントでも元チャンプ・カー勢が活躍しそうで、楽しみですね。