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第5戦インディGPでパワーが今季初優勝、佐藤琢磨が今季ベストの9位

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インディ500を前にスピードウェイのロード・コースで開催されたインディアナポリスGPで、ウィル・パワーがポール・トゥ・ウィンを達成し、昨年のチャンピオンがやっと今季初優勝。第5戦を終了し、今年5人目のウィナーとなりました。チーム・ペンスキーは15回のインディ500に続くスピードウェイでの16勝目で、インディカーでは通算177勝目となります。
 
82周中65周をリードする強さで、通算27勝目をマークしたパワーは「たしかに、これこそ我々が求めていたレースだ」と語りました。「イエローがなく、とてもすんなりと勝てたね。我々が良い状態にあるのは解っていたし、クルマはすごく良くてピット・ストップも良かった。絶対に勝ってやるんだって、固く心に決めていたよ」
 
「終盤に燃料をセーブしていた時、レイホールがかなり速いペースで近づいたのを知っていた。燃費を気にしながらペースを上げなければならず、年間を通して体力的に最もきついレースだったように感じたね。ほんとうにハードワークだったが、インディ500に向けて素晴らしいスタートだし、これはまだ今月達成することの途中だと思っている」
 
前回のアラバマに続く2戦連続の2位に入ったのがグラハム・レイホールです。予選17位だった彼はスタート時のアクシデントを巧みに潜り抜けて6番手に躍進。「僕のホンダ・エンジンは燃費が良かった」と語ったレイホールは、上位勢の中で最も遅い23周目にピットへ入り、8秒前後と迅速なピットストップもあって2番手にポジションを上げました。
 
3位は20周目という早い段階で最初のピットへ入った予選4位のファン・パブロ・モントーヤで、まだ半分以上周回が残っている39周目に2度目のピットへ。その後粘り強い走りを見せて3位まで追い上げ、ランキングトップの座を維持しました。ランキング2位に上がったパワーとは5ポイント差です。
 
スピードウェイの1キロにも及ぶ直線で速さを見せたシボレーがトップ5中4台、トップ10では8台と今回も圧倒的な強さを見せた第5戦。予選でトップ10にすら入ることができなかったホンダ勢は、今年からエンジニアリング体制を刷新して戦っているレイホールだけが好調です。ホンダ勢の中で2番目に上位でフィニッシュしたのが、AJフォイト・レーシングの佐藤琢磨でした。
 
予選で遅いマシンに行く手を阻まれて22位となっていた琢磨は、スタート時のアクシデントを回避して13番手にジャンプアップ。再スタート後は11番手までポジションを上げ、ブラック・タイヤだった琢磨は16周目と早いタイミングでピットへ入ってレッドに交換しました。34周目に11番でまで復帰した琢磨は、38周目に2度目のピットを終えます。
 
58周目に9番手までアップし、パワーとモントーヤより1周多い60周目まで引っ張って最後のピットへ。最終的に今季ベストとなるトップ10、9位でフィニッシュしました。今年は開幕から4戦にわたってアクシデントに見舞われたレースが続き、やっと無事に走り切った琢磨は開口一番、「嬉しいです」と満面の笑顔を浮かべました。
 
「後方からのスタートということもあり、アクシデントは落ち着いて避けることができました。レース前の雨でラバーが取れ、ブラックでは滑りやすい状態だったので、早目にピットへ入りました。開幕からピット作業に問題を抱えていましたが、新しいメンバーも前回から加わり、ガナッシの1台をピットで抜くこともできたので良かったです。ほとんどミスなくレースを戦い、インディ500に向けていい滑り出しになったと思います」
 
本命と言われていたチャンピオンのパワーが勝利するまでに5戦を要するなど、序盤のロード&ストリートが終わって、今年も毎回ウィナーが変わる激戦となっています。気になるのがシボレーとホンダの差で、今回のストレート勝負ではシボレーが速く、エンジン・パワーにおいてもシボレーのほうが上回っていたと思われます。
 
インディ500に向けて搭載される次のエンジンが、パワーの面で果たしてシボレーを上回ることができるかどうか。ホンダのスーパースピードウェイ仕様のエアロキットはウィングが多く、ドラッグ(抵抗)が多いようにも見えますが、もしエンジンがそれなりのパワーを得ることができれば、コーナーやパッシングにおいて有利で、これまでとは違うゲームになるかもしれません。
 
さて、ついに今回のレースで佐藤琢磨が今年初めてトップ10に入りました。昨年、一昨年とシーズンの途中から失速することが重なった中で、2台体制となった今年は開幕戦の予選5位以降、不運が続くシーズンとなっていました。前述のとおり決勝中に接触されることが4戦続いた中、やっと無事にレースを終えることができ、本人も嬉しそうでした。
 
今回は久しぶりにAJフォイトが現場に訪れ、インディ500では3台体制に拡大することが発表されるなど、これまでとは違う雰囲気が漂っていたのも事実。レース中のピットストップも良くなり、あとはホンダのエンジンとエアロキット次第というところでしょう。2012年のインディ500のような、ファンを熱狂させてくれるレースを期待したいと思います。(斉藤和記)
 
●決勝リザルト

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