INDY CAR

開幕戦セント・ピーターズバーグを制したのはモントーヤ、佐藤琢磨は13位でフィニッシュ

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2015年開幕戦セント・ピーターズバーグを制したのは、ファン・パブロ・モントーヤでした。ホンダとシボレーがそれぞれ新しいエアロキットを投入し、新しい時代の幕開けとなった今回のレース。予選4位のモントーヤはスタートで佐藤琢磨に先行されて5番手にダウンするも、5周目の再スタートで4番手に復帰し、22周目のグリーンの最中に最初のピット・インを終わらせました。
 
33周目にチームメートのサイモン・パジノウをパスして3番手に浮上したモントーヤは、2度目のピット後に同じチームのエリオ・カストロネベスを交わして2番手にアップ。残るはやはりチームメートの昨年王者、ウィル・パワーのみです。勝負が決まったのは3回目のピットストップで、モントーヤはパワーより1周早い81周目に入って猛ダッシュ。パワーはモントーヤの後ろでコースに復帰し、トップに返り咲こうと果敢に攻めて接触する場面もありましたが、パスには至らず。インディカーに復帰した昨年のポコノ以来、ロード・ストリートでは1999年のバンクーバー以来となる通算13勝目を達成しました。
 
「彼はなんてアグレッシブなんだろうと驚いたよ。けど彼は勝ちたかったし、僕だってそうだった」とパワーとの接触について語ったモントーヤ。「彼が動いたのを見たんだけどあまりにも遠すぎたから、前には行かせなかった。もし横に来ていたら『OK、どうぞ!』って言ってたと思う。ターニングポイントに到達した時、彼はそれほど近くはなかったんだ。我々が接触したのは残念だったけど、いいよ、レースだからね。今日の勝利のカギはブラックタイヤだと思う。タイヤは最後までもってくれて、必要な時にプッシュすることができた。ベライゾンとチーム・ペンスキー、シボレーもすごい仕事をしたよ。このエアロキットをドライブするのは素晴らしかったね」
 
一方、コース・レコードとともにポール・ポジションを獲得し、75周の最多リードラップを築いていたパワーは連覇できませんでした。「彼(モントーヤ)はフロントストレートでとても強く、僕は出口でそれほどよくなかった。あのパスは僕の唯一のチャンスだった。彼はたぶん油断していると思ってたよ。あそこではパスしないと思わせておいて、僕はしかけたんだ」と語ったパワー。しかしモントーヤはしっかりと、その動きを見ていたのでした。
 
今回の逆、パワーが優勝してモントーヤが2位だった昨年のミルウォーキー以来となるペンスキーのワンツーで、チームは通算175勝目(ロード・ストリートでは78勝目)を達成。3位はチップ・ガナッシ・レーシングのトニー・カナーンが入り、上位6台までがシボレー・ユーザーと、エアロキットの最初のレースはシボレーの圧勝に終わりました。ホンダ勢の最上位はライアン・ハンター-レイで7位。初開催となる次のノーラ・モータースポーツパークでは挽回できるでしょうか。
 
ホンダ勢最上位の予選5位だった佐藤琢磨は、スタートでモントーヤの前に出たのですが、5周目の再スタートで5番手にダウン。22周目に最初のピットストップを終えたものの、1周遅くピットへ入ったセバスチャン・ブルデイに先行を許し、2度目の再スタートの際にブルデイと接触してフロント・ウィングにダメ―ジを負います。しかしデビューしたばかりのエアロキットの予備が少なく、ひとつしかなかったスペアのウィングはチームメートのジャック・ホークスワースが使用していました。
 
急遽デイル・コイン・レーシングから借りることになり、35周目にピットへ入ってウィングを交換。最後尾への転落を余儀なくされた琢磨は、他チームの異なるセッティングのウィングを装着したにもかかわらず、粘り強い走りで13位まで追い上げてフィニッシュしました。「2度目の再スタートでチャンスがあったので、ブルデイの横に並んだのですが、さらに前にいたパジノウが急に減速したため、行き場を失ってブルデイと接触してしまいました。それでウィングを交換しなければならなくなり、今日のレースは厳しいものになってしまいました」と琢磨はアクシデントの様子を語りました。
 
次回、第2戦は初開催となるロードコース、ノーラ・モータースポーツパークで4月12日に開催されます。
 
●決勝リザルト

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●決勝ハイライト映像