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第17戦ソノマでディクソンが今季2勝目、佐藤琢磨は最後尾転落から今季ベストの4位フィニッシュ!

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今シーズン最後のロード・コース、第17戦ソノマを制したのはスコット・ディクソン(シボレー)でした。予選3位からスタートした2007年のソノマ・ウィナーは、トップを走行していたウィル・パワー(シボレー)と同じ17周目に最初のピットへ入り、迅速なピット作業で20周目に2番手へアップ。残り2回のピットで最後まで走りきる作戦で、コーション中の37周目に2回目のピットを行い、ピット・アウトでパワーの前に出ることに成功します。
 
この時の上位勢は、その前のコーションを利用して先にピットインしていたマイク・コンウェイ(シボレー)や佐藤琢磨(ホンダ)らで、ディクソンは7番手でコースに復帰。トップを走行していたコンウェイが60周目、琢磨とディクソンは61周目に最後のピットを終え、後はゴールを目指すだけとなりました。徐々に順位を上げていったディクソンは、燃料で厳しかったコンウェイを83周目にパスし、残り2周でトップに躍進。そのままチェッカーを受けて第15戦ミド-オハイオに次ぐ今季2勝目、歴代5位となる通算35勝目を達成です。
 
2位でフィニッシュしたのは予選10位のライアン・ハンター−レイ(ホンダ)で、スタート時のアクシデントで前車が巻き込まれたことから5番手にジャンプ。ディクソンと同じ3回のピット・ストップで追い上げ、66周目にはディクソンの背後に迫ったものの後一歩及びませんでした。3位はフィニッシュラインの直前で燃料切れとなったコンウェイよりも、さらに1周前の59周目に最後のピットを終えていたサイモン・パジノウ(ホンダ)で、驚異的な燃費走行によりランキング3位の座を守っています。
 
朝のウォームアップでエンジン関連の問題が発生した佐藤琢磨は、わずか5周の走行でガレージへ。急遽エンジンを交換してレースに臨むことになっただけでなく、予選20位からスタートして多重クラッシュに巻き込まれ、ウィングとタイヤにダメージを負ってしまいます。緊急ピットインを余儀なくされた琢磨は、最後尾から追い上げを開始。チームは12周目という早い段階で琢磨をピットに呼び、ブラックからレッド・タイヤに交換したことで、再び最後尾へ転落しました。
 
しかしフォイト陣営にとって幸運だったのは、2度目のフル・コース・コーションが絶妙なタイミングで発生したことで、31周目にピットイン。最後尾だった琢磨はコーションの間、ピットへ入って燃料を継ぎ足す作戦に出ます。5周のコーション中4度ピットへ入った琢磨は、35周目のグリーンでまたも最後尾からスタートしますが、ここですぐに3度目のコーションが発生。上位勢にとって残り2回のピットで走り切れるタイミングとなったため、ほとんどのマシンはこの時点で2回目のピットを行いました。
 
39周目のグリーンの時点でトップ・グループを形成したのは、琢磨と同様、31周目のコーション時にピットを行ったグループで、トニー・カナーンを先頭にマイク・コンウェイ、ライアン・ブリスコー、グラハム・レイホールに続いて琢磨は5番手から再スタートします。レッドタイヤのコンウェイは翌周にブラックのカナーンをパスしてトップに立つと、自己ベストをマークする走りで後続を引き離し、一方の琢磨は残りのレースを1回だけのピットで走りきるため、燃費走行に集中していました。
 
上位勢の中で真っ先にピットへ入ったのはブリスコーで49周目、カナーンとレイホールも57周目にピットインし、大きなコーションが発生しない限り、この3台はもう一度ピットへ入らなければなりません。トップを独走していたコンウェイは、この時2番手にアップした琢磨と同様、先のコーション中に燃料を足していたのですが、ペースアップがたたって60周目にピットへ。燃費走行に徹していた琢磨はここでトップに立ち、狙いどおりディクソンらと同じタイミングで最後のピットへ入ることに成功します。
 
ディクソンよりも早くピットへ入った琢磨でしたが、作業が遅れてしまっただけでなく、不運にもすぐ前のピットだったマルコ・アンドレッティが入るタイミングと重なってしまい、4秒ほどロスして9番手でコースに復帰しました。その後、もう一度ピットヘ入らなければならなかったグループがすべてピットへ入った残り3周、82周目の時点で琢磨は5番手までポジションをアップ。最終ラップで3番手を走行していたコンウェイがフィニッシュライン直前でスローダウンしたため、4位でフィニッシュすることができました。
 
度重なる不運に見舞われていた今シーズンのフォイト陣営でしたが、今回は優れた戦略と燃料計算に加えてやっと運にも恵まれ、最後尾から今季ベストとなる4位まで大躍進。残るは最終戦、スーパースピードウェイのフォンタナに向けて、ぜひこの勢いを持続してほしいものです。
 
注目のタイトル争いですが、ポール・ポジションからスタートしたポイントリーダーのパワーは37周目のピットでディクソンに先行を許した後、グリーンとなって2周目の40周目にまさかの単独スピン。20番手に後退して最終的に10位でフィニッシュしたものの、予選6位からスタートしたランキング2位のエリオ・カストロネベスがスタート時のアクシデントで順位を大きく落として以来挽回できず。18位でゴールしたために、2人の差は51ポイントまで開いて最終戦に突入することになりました。
 
泣いても笑っても残り一戦、最終戦フォンタナは8月30日、ダブル・ポイントでチャンピオンが決まります。
 
●決勝リザルト

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●ハイライト映像

 
●プラクティス総合リザルト

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●ウォームアップ・リザルト

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