今季最後のショート・オーバル、第16戦ミルウォーキーをウィル・パワーが完全制覇しました。伝統の1マイル・オーバルで初めてポール・ポジションからスタートしたポイント・リーダーは、他の上位勢がコーションを利用した4回のピット・ストップとした中、きっちりと3回のピットで走りきって優勝。250周中229周をリードして8位以下を周回遅れにする強さを披露し、6度目の挑戦で念願のミルウォーキー初制覇です。
開幕戦のセント・ピーターズバーグ、デトロイト第1レースと市街地コースを制していたパワーの今季3勝目はオーバルで達成されました。ランキング2位のチームメート、エリオ・カストロネベスがハンドリングに苦しんで11位でフィニッシュしたことにより、レース前に4ポイントだった二人の差は、39ポイントに拡大しました。通算勝利数ではボビー・レイホールに並ぶ24勝目(歴代16位)をマークしています。
2位でフィニッシュしたのはパワーのチームメート、ファン・パブロ・モントーヤです。第4戦が終了した時点でランキング16位にいた彼は、オーバルのレースが増えるにしたがってポイントをしっかりと重ね、ポコノでの今季初優勝も含めてランキング5位までアップしてきました。1999年のCARTチャンピオン、復帰一年目で大活躍と言えるでしょう。
フロントローの予選2位からスタートしたカナーンは、何度かパワーのイン側に飛び込んだものの、完全にパスするまでの速さはなく、モントーヤにも先行を許して3位でフィニッシュしました。ついに今季10勝目を達成したシボレーは、前戦のミド-オハイオに続く表彰台独占。トップ10で見ても6台がシボレーと、今年も圧倒的な強さを誇っています。
予選10位からのスタートとなった佐藤琢磨は、グリーンが振られてターン4から立ち上がる際に突如リア・タイヤがホイールスピンしてハーフ・スピン状態に陥り、19番手までポジションをダウン。順位を挽回しようとしたものの、序盤はグリップ不足に見舞われてラップ・ダウンを余儀なくされ、レースの展開にも恵まれずに15位でのフィニッシュとなりました。
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