アップ・ダウンの激しいロード・コース、第15戦ミド-オハイオを制したのは昨年のチャンピオン、スコット・ディクソンでした。前日の雨の予選でスピンを喫し、ノータイムだった彼は最後尾となる22番手からスタート。10周目という早い段階で2度目のピットに入り、新品のレッド・タイヤに交換して追い上げを開始します。
チームはディクソンを31周目にピット・インさせ、その後37周目にライアン・ハンター−レイがスピンしてイエローが発生。そのタイミングでほとんどの上位勢がピットに入ったため、ディクソンはここでトップに立つことができました。ミド-オハイオ・マイスターともいうべき彼はここから猛スパートをかけ、後続を引き離しにかかります。
62周目に最後のピットを終えたディクソンは、高いスピードを維持しながら燃費もセーブする走りを披露し、28周を走り切ってミド-オハイオ5勝目を達成。15戦目にして今季初優勝を達成し、昨年のチャンピオンが今年10人目のウィナーとなりました。通算では歴代6位となる34勝目です。今回、最後尾の22番手からの勝利となりましたが、ミド-オハイオでの記録は1995年のアル・アンサーJr.と1999年のファン・モントーヤが記録した8位からの優勝が、今回塗り替えられたことになります。
他に注目したい点として、ディクソン自身の記録で見ると2001年のナザレス(オーバル)で記録されたディクソンの初優勝時は、23番手からのスタートでした。また、ロード・ストリートでの最も低いグリッドからの勝利という点では、同年のラグナ・セカで記録されたマックス・パピスの25番手からの優勝があり、今回は2番目となります。チップ・ガナッシ・レーシングはここで2009年から6連勝を達成し、通算10勝目となりました。
2位はポール・ポジションからスタートしたセバスチャン・ブルデイで、優勝したトロント第1レースに次ぐ今季2度目の表彰台。3位は今季ベスト・フィニッシュを達成したジェイムズ・ヒンチクリフで、ホンダ勢の最上位です。
ディクソンのひとつ前、21番グリッドのスタートだった佐藤琢磨は、スタート時に予選3位のトニー・カナーンが前のジョセフ・ニューガーデンと接触してスピン。そこにマルコ・アンドレッティが突っ込み、弾き飛ばされたマシンを避けきれずに追突してフロント・ウィングを失ってしまいます。
すぐにウィングを交換してコースに復帰した琢磨は、11周目にレッド・タイヤに交換。15番手まで追い上げたものの、まさかの燃料切れでターン6でストップし、オフィシャルに牽引されてピットへ戻ったことで周回遅れとなってしまいます。今回も度重なる不運に見舞われ、18位でのフィニッシュを余儀なくされました。
●決勝リザルト
●決勝ハイライト映像