予選2位からスタートしたトニー・カナーンが、300周のレース中247周もリードする圧倒的な強さを披露していた今季初のショート・オーバル。昨年のインディ500以来となる勝利が近づき、チップ・ガナッシ・レーシングの今季初優勝が目前となっていた中、前戦ポコノのウィナー、ファン・パブロ・モントーヤがクラッシュして残り18周でイエローとなりました。
このタイミングを利用して284周目にタイヤを交換したライアン・ハンター−レイが、291周目の再スタートで9番手から猛追し、8周後の299周目についにトップへ浮上。レースをリードしたのは前回優勝したインディ500以来で、みごとな大逆転劇の末に今季3勝目を達成しました。アンドレッティ・オートスポーツがこのアイオワで5連勝、通算では6勝目となります。
「クレイジーな一日だった。夢のようだね」と大逆転を振り返るハンター−レイ。「最初の2スティントは良かったけど、コース上やピットレーンで問題があり、7番手から9番手ぐらいにいたんだ。これ以上何もすることはないという状況だったのが、マイケルがニュータイヤを履くという大胆な作戦で僕をピットに呼んだ。モントーヤのアクシデントを見て、残りの周回が十分だとは思っていなかったけど、セーフティチームが素晴らしい働きをしてくれたおかげで、追い上げられたと思う。残り2周でトニーをパスできたんだよ! またいつか同じようなことができたらいいとは思うけど、ユーズドの10台をニュータイヤで抜くような経験はあまりできないと思う」
2位でフィニッシュしたのはハンター−レイと同じ作戦を採ったジョセフ・ニューガーデンで、昨年のボルティモア以来となる表彰台獲得です。レースのほとんどをリードしていたカナーンは3位、ポール・ポジションのスコット・ディクソンが4位と、ガナッシの復活は今回もお預けとなりました。予選で厳しい状況にいたホンダでしたが、チームの素晴らしい戦略でワンツーを獲得です。
一方、優勝目前でパスを許すしかなかったカナーンは、「なんていえばいいか、いい一日ではあったよ。300周のうち247周リードしていたんだからね。みんなに我々の強さを見せることができたと思う。時々こういうギャンブルな戦略がうまくいくし、我々だってやってきた。十分にフェアだし、今日のように勝ったこともあるからね。今回は負けた。この現実は厳しいよ。でもこの3戦で勝てる実力があることを見せ続けることができたよ」
予選16位からスタートした佐藤琢磨は、雨による26分間の赤旗中断後、再スタートで前方にいたミハイル・アレシンが突如スピン。白煙を上げながら琢磨の進路を塞ぎ、琢磨を巻き込む形で2台は激しくクラッシュ、前戦に引き続きリタイアを余儀なくされました。
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