INDY CAR

第9戦ミルウォーキー予選はマルコ・アンドレッティがポール、佐藤琢磨は15位

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170.515mphのコース・レコードを記録し、今シーズン最初のショート・オーバルで予選トップに輝いたのは、マルコ・アンドレッティでした。2008年にインディカーで初めてのポールを獲得したのがここ、ミルウォーキーだったので、本人もうれしそうでしたね。というのもアンドレッティ家、お父さんのマイケルが5回、おじいちゃんのマリオがここで4回も優勝しているだけでなく、1991年にはマイケルのいとこのジョン・アンドレッティも入れてファミリーで表彰台を独占したことがあります。チームとしてもすでに4勝しているだけに、あと足りないのはマルコの勝利だけ?
 

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今シーズン6人目のポール・ウィナーとなったアンドレッティは、「クルマをトレーラーから降ろした時からしっくりきてたよ。同じようにシボレーも素晴らしい仕事をした。もっとうれしいのは、我々はレース用のセットアップもばっちりのクルマを持ってるってことだよ」とご機嫌の様子。「父さんに、父の日のギフトとしてはまだ半分だって言ったんだ」とマルコ。優勝してパーフェクトにしたいところですね。
 

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予選2位は今シーズン唯一2勝しているジェイムズ・ヒンチクリフです。「マルコには内緒だけど、スタートは外側のほうがいいんだ」と、メディアが使いたくなるようなナイスなコメントのヒンチ。ショートオーバルは外側のほうがいい場合も多いですし、ここのターンの内側は補修されて路面の材質が違うこともあり、グリップが異なるので路面温度によっては外側がいい場合もあります。口ではそう言っても実は冷静な彼、最初からすぐに仕掛けるようなことはしないでしょうけど。プロモーターでもあるアンドレッティ・オートスポーツは、昨年のウィナーであるハンター-レイが4位、EJビソが5位と大活躍です。
 

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午前中の第1プラクティスは163.276mphで20位に終わったものの、予選前のプラクティスで168.117mphをマークし、3位に躍進した佐藤琢磨。ここで初年度に予選5位を記録し、初ポールがショート・オーバル(アイオワ)だったことも考えれば、上位のグリッドも期待したくなりますよね。
 

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2周の平均速度で競われる予選、4番目に出走した琢磨は、1周目からその時点のトップ・スピードをマークしました。注目の2周目、ターン3で鋭くインに飛び込みましたが、ターン4の立ち上がりで壁ギリギリまで膨らんでしまいます。その時点でトップとなる168.023mphを記録するも、次のヒンチクリフにあっさりとその座を譲ってしまいました。
 

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「1周目目でけっこういいスピードに乗せることができて、2周目も維持したかったんですけど、残念ながらけっこうアンダーステアが出てしまいました」と予選を振り返った琢磨。「去年よりも全体のスピードが上がり、全開でいけないぐらいになっています。向きが変わり切らない状態でスピードを乗せていったので、やっぱり膨らんでしまいましたね。最後はアクセルを戻して大幅にタイムロスしてしまったんですけど、できる限りのスピードは維持しました。15位というのは残念ですけど、自分のベストラップ(1周目)が11番手なので、そんなに大きくは落ちなかったですね」
 

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昨年のポールシッター、ダリオ・フランキッティは今回もスペシャル・カラーで登場です。HUGGIES(ハギーズ)はオムツなどのベビー用品を扱うブランドで、これまたターゲットの大口の取引先だったりするんでしょうね。それはさておき、今回の予選は17位とふるわなかったダリオ。さらにエンジン交換のペナルティで、23番手スタートになってしまいました。シボレー勢がトップ7を独占する状況で、ホンダの最上位はジョセフ・ニューガーデン。ショート・オーバルでも劣勢なのは意外、というよりもマルコの言うとおり、シボレーがかなりがんばっているようですね。
 

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デトロイトに続き、再びパンサーからのスポット参戦が実現したライアン・ブリスコー。ミルウォーキーは08年にインディカーの初優勝を獲得したコースで、09年にもポールを獲得しているのですが、今回の予選は19位でした。前回のテキサスでステアリングを握ったセルビアもいましたが、なぜかドラゴン・レーシングのあたりをうろうろしてましたよ。
 

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すでにみなさんご存じかと思いますが、テキサスで優勝したカストロネベスのクルマに、レース後の車検で違反がみつかりましたね。チーム・ペンスキー社長のティム・シンドリックは、「リア・デフューザーの取り付けステーをきつく締めていなかった」と素直に非を認め、走行中にゆるんで下がったということでした。チームはその後風洞に入れ、規定内よりもダウンフォースが3パウンド少なく、ドラッグが1パウンド増えていると証明。チームの不手際はあったものの、実際にマシンは遅かったということで、ドライバーには非がないと主張しました。2位のハンター-レイが4ストップだったのに対し、3ストップで走り切った末の勝利でしたから、たしかに速さではないということも言えますが…。そのアピールが認められてか、オフィシャルはチームにのみ3万5千ドルの罰金と15ポイント剥奪。カストロネベスへのペナルティはなかったものの、現場ではどうもしっくりこない雰囲気です。他のチームがプロテストの準備をしているという噂もあり、シーズン終盤に向けての展開を注目しておかなければなりませんね。
 

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さて、この写真はロゴ・マークにもなっている観覧車ですが、レースのイベントのせいか、けっこう速く回りますよ。人が乗るときは止まる仕組みで、これはこれでけっこう楽しそうですね。昨年からアンドレッティ・スポーツがプロモートを引き継ぐ形で継続されることになったミルウォーキーですが、土曜日のお客さんは残念ながら多いとは言えませんでした。日曜日は多いといいのですが…。
  
●予選リザルト

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●予選ハイライト映像

 
●プラクティス総合リザルト

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●第2プラクティス・リザルト

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●第2プラクティス・ハイライト映像

 
●第1プラクティス・リザルト

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●第1プラクティス・ハイライト映像