INDY CAR

AJフォイト・レーシング&佐藤琢磨がトップとなったセブリング・テスト・レポート

2013年2月19日にフロリダ州セブリング・インターナショナル・レースウェイで、AJフォイト・レーシングと佐藤琢磨の初テストが行われました。今年も日本人ドライバーのスポンサーになってくれたパナソニックに感謝の気持ちをこめて、最新鋭カメラ、LUMIX GH3で撮影してきましたよ!
 

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朝一番、我々の前に登場した佐藤琢磨はABCのロゴが入った真新しいレーシング・スーツに身を包み、そのバックにはオーラが漂っているようにすら感じました。表情も凛々しく、4年目のシーズンに向けての意気込みを感じます。
 

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路面ぎりぎりのローアングルから狙ったら、なんだかウルトラマンみたい? GH3にはフリーアングルのモニターがついているので、このようなカットも簡単に撮れちゃいます。青空のグラデーションと、朝の光の組み合わせが絶妙な雰囲気を醸し出してくれました。
 

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僕が撮影を始めた頃は、ヒロ松下さんがパナソニックのスポンサーで走っていたんですね。当時から数えると実に20年以上もインディカーをスポンサードしているわけで、そのほとんどが日本人ドライバーでした。ほんとうに、心から感謝しなければなりません。
 

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去年と同じDW12とはいえ、新しいチームのマシンで初めて走るだけに、佐藤琢磨は走行前に自分のドライビング・ポジションを入念に調整していました。ヘルメットの角度から、ちょうどこちらを向いているようにも見えますね。バイザーとレンズ越しに目が合ってたりして?
 

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このセブリングは主に市街地コース向けのセットアップを煮詰めるところですが、今年の市街地は全19戦中10戦もあるだけに、今回のテストがとても重要だったのは言うまでもありません。その中でAJフォイト・レーシングと佐藤琢磨は唯一の51秒台となる51.947秒をマーク。テストとはいえ、ペンスキーやガナッシといったチャンピオン・チームを抑えての堂々のトップですから、今季初優勝への期待がいっきに膨らみましたよ、ほんと。
 

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チーム・オーナーのAJフォイトは、まさにインディカーの生きる伝説とも言うべき偉大な存在です。史上最多となる67勝を記録しただけでなく、チャンピオンになること7回。インディ500では初めて4勝したドライバーで、今でも多くのファンに慕われています。勝利は02年以来遠ざかっているだけに、勝ったらアメリカでも大騒ぎになること間違いなし。まるで阪神が優勝するかのよう?
 

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AJフォイトが現役だった頃はオリジナル・シャシーで参戦し、そのシャシーの名前がCOYOTEでした。アニメのキャラクターとしても有名ですが、北米に生息するイヌ科の動物で、時速65キロで獲物を追い掛け回すんだとか。AJといえばコヨーテ。このイラストもインパクトあるでしょ?
 

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昨年インディ500を制したホンダ・エンジンでしたが、シリーズ・チャンピオンはシボレーが獲得。タイトル奪回に向けて開発を進めてきた新しいエンジンが、今回ワンツーをマークし、トップ5にも4台と好スタートを切りました。
 

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なんと、AJフォイトのチームがペンスキーのサスペンションを使っているのを発見しましたよ。すごく高価といわれているこのショックを使っているだけに、今年は意気込みが違う?
 

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2番手となったのは03、08年のチャンピオン、S.ディクソンでした。記念すべき10回目のタイトルを狙うチップ・ガナッシ・レーシング、ホンダのエース・チームとしても活躍が期待されています。
 

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3番手は3年連続でランキング2位に終わっているW.パワー。毎年ロードコースのタイトルを獲るも、オーバルがいまひとつでなかなかチャンピオンになれませんね。得意の市街地が半分以上を占める今年、総帥ペンスキーをチャンピオンの栄冠に導けるか。
 

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今年も日立がチーム・ペンスキーのスポンサーとなることが決まり、インディ500で3勝しているH.カストロネベスがマシンをドライブ。ヘルメットのカラーを変えて心機一転で臨む彼は、悲願の初タイトル獲得を目指します。
 

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カーボンむき出しのマシンでテストに臨んだJ.ウィルソンは今回5番手。未だ公式に発表はないのですが、今年もD.コインからの参戦となりそうですね。GH3での走りの撮影は少しコツが必要ですが、慣れればかなりいけると思いますよ。
 

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今回AJフォイト・レーシングがトップだったことに、ディクソンもびっくり?「え、ほんと?」と言ったかどうかは解りませんが、かなり意外だったのではないでしょうか。
 

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ディクソンのチームメイトで、D.フランキッティもびっくりしたはず。キャプションをつけるとしたら「アシュリーに電話しなきゃ」って、あ、もう別れちゃったんですよね。勝つたびに熱いチューしてたのに…
 

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佐藤琢磨のかつてのチームメイト、T.カナーンも信じられない様子。「どぇ?マジかよ」(もちろんフィクションですよ)
 

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でも面白いのでこの調子でいきましょう。ベテランのO.セルビアは「んなわけないやん!」って感じの表情ですね。スペイン人なので関西風にしてみました。ラテン系ってことで。
 

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「ん、俺もAJだけど。呼んだ?」って顔の彼は、AJフォイトを崇拝するお父さんに同じ名前をつけられたAJオールメンディンガー君です。06年のチャンプカー以来となる久しぶりのオープンホイールで、今回は佐藤琢磨から0.671秒遅れの12位でしたよ。ペンスキーさん、レギュラーでぜひ!
 

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AJフォイト・レーシングは昨年トロントの市街地で3位表彰台を獲得し、ボルティモア市街地の予選では2位(決勝は12番手スタート)だったので、まったく可能性がなかったわけではないのですが、ほんとうに驚きましたね。佐藤琢磨はブラジル3位、同様のフラットな特設コースであるエドモントンで2位と、こちらも市街地が得意です。となると、そうです、そうなんですよ、ついに今年こそ優勝の2文字がかなり現実味をおびてきましたね。最後はこんなに素晴らしい夕焼けがコースを包み、ほんとうに来て良かったと思えるテストになりました。US-RACINGをサポートしていただいているみなさんに、心から感謝です。
 

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こちらの写真は、ご存知まっちゃんですよ。オフィシャル動画を撮ってたんですが、EOSは少し時間がかかちゃうんですよね。ミラーをアップしたりピントを合わせたり…。今回の写真をご覧いただいたとおり、GH3はモータースポーツでもかなりイケるだけでなく、実は動画もすごいんです。これから日本に行く飛行機の中で編集するので、近々見ていただければと思います。んではまた!