雷雨により約40分遅れで始まったレースを制したのは、7番手スタートから追い上げて残り12周でトップに立ったR.ハンター-レイでした。前戦のミルウォーキーに続く2連覇で、アイオワでは初優勝、通算7勝目を達成です。これでランキングも4位から2位にアップ。
「クルマはどこでもスライドしていたから、とてもチャレンジングだったね」とレースを振り返るハンター-レイ。「マルコがここでテストをやって、セットアップをしてくれたものをほんの少し変えただけだったから、感謝しないと。彼とのバトルはハードでクリーンだったよ」
2位は昨年のウィナー、M.アンドレッティで今季ベスト・フィニッシュ。アイオワでは6戦中4度目の表彰台となります。「2度目のスティントでクルマは調子よくなってきたから、すごく楽しかったよ。フロント・ウィングの調整をもう1回転すれば、最後にいけたかもね」
アンドレッティ・オートスポーツによるワンツーが達成されましたが、このアイオワではアンドレッティ・グリーン時代も含めると、実に4勝目(07フランキッティ、10カナーン、11アンドレッティ)となります。今回19周リードしたヒンチクリフの優勝も間近でしょう
3年連続の表彰台となる3位に入ったのはT.カナーンで、エンジン交換ペナルティで19番手スタートからの追い上げでした。「もちろん表彰台は考えてなかったけど、クルーは勝てるクルマを用意してくれたよ。チャンピオンシップもおもしろくなったし、そろそろ勝ちたいね」
最多リード・ラップのカストロネベスに次ぐ76周のリードを見せたディクソンは、終盤に順位を落として4位でフィニッシュ。「終盤に行くにつれ、上のラインではアンダーステアがきつく、下の走行ラインしかいけなかった。それで周回遅れにてこずってしまったんだよ」
前戦でトップ6を占めたシボレーが今回も表彰台を独占し、ショート・オーバル2連戦はシボレーの完勝です。これでマニュファクチャラーズのポイント差は10点に拡大です。レース直前にブローした予選トップのフランキッティのホンダ・エンジン、ほんとうに驚きました。
23番手スタートの佐藤琢磨は、51周目に15番手まで追い上げたものの、3周後に周回遅れに。イエロー中に燃料を補給して挽回を狙うも、終盤になってさらに2ラップ・ダウン。忍耐のレースで3周遅れの12位でフィニッシュし、ブラジル以来の完走を果たしました。
「好きなショートオーバル、特に去年良かったアイオワで、こういう週末を迎えるとは思っていませんでした」と語った琢磨。「途中で危ない場面もあったのですが、連続リタイアが続いていて、今日は絶対ゴールするぞという気持ちで走りました。次からまた巻き返しを狙います」
予報どおり18時頃から雷雨となったものの1時間半ほどで止み、すぐにジェットドライヤーの乾燥作業開始。約40分遅れのスタートになりました。不安定な天候にもかかわらず今年も多くの観客が集まり、緊張感あふれるレースを満喫。ここはファンの雰囲気が特にいいです。
現在シカゴに向かう飛行機の中でこれを書いています。これからLAを経由して5週間ぶりに日本へ。安堵の表情が印象的だった佐藤琢磨選手のインタビューを収録した決勝レポートは、日本に到着した火曜夜21時20分の予定ですので、ぜひ。では、おやすみなさーい!
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