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路面が剥がれる大波乱の第6戦デトロイトを制したディクソン、佐藤琢磨は無念のリタイア

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数箇所の路面が剥がれて45周目に赤旗中断し、約2時間後、本来の90周から60周に短縮されて残り15周で再開。波乱のレースでS.ディクソンがポール・トゥ・ウィンで今季初優勝を遂げ、通算28勝目を達成しました。2連勝したチップ・ガナッシ・レーシング、通算では88勝目です。
 

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「まったく予想外の事態になっても、待っていてくれたファンには脱帽するよ」と語ったディクソン。「雨で再スタートの時はコースがガラスのように見え、ターン6から7にかけてスライドしっぱなしだった。最後の15周をファンも気に入ってくれたと思う」
  

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予選14位のD.フランキッティはレース再開後レッド・タイヤで猛追、通算28回目の2位となりました。「再スタート後の数周にチャンスがあったけど、ディクソンは速すぎた。序盤にフロント・ウィングを壊していたから、アンダー・ステアがきつかったんだ」 
 

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3位は予選4位からスタートしたS.パジノウで、今季2度目の表彰台です。「1台体制のチームにしては信じられないような戦いぶりで、ペンスキーを負かすことができたし、夢のようだ。ホンダにとっても素晴らしい一日になったね」と本人、ランキング6位にアップです。
 

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セント・ピーターズバーグとアラバマの“ホンダGP”以外に、地元ロング・ビーチでも辛酸をなめたホンダが、シボレーの地元デトロイトで開催された“シボレーGP”で表彰台を独占。インディ500に次ぐ2連勝で、マニュファクチャラーズ・ポイントで7点差に迫りました。
 

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レース中盤に差し掛かった40周目のターン7、剥がれたアスファルトの塊に乗ってしまったJ.ヒンチクリフが、コントロールを失ってタイヤバリアへ。ターン6と7、ターン10の数箇所で路面が剥がれているのが判明し、午後4時53分に赤旗中断となってしまいました。
 

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「こんなの今まで見たことがなかったよ」とリタイアを余儀なくされたヒンチクリフ。「あまり言いたくないけど、アスファルトの大きな破片は、5周目からあったよ。そのせいでドライブするのは難しかったし、巨大な塊に乗り上げたときは、もう成す術がなかった」
 

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オフィシャルは大至急エポキシ・コンパウンドで剥がれた箇所を補修し、乾燥するまでの約30分を含む2時間の中断を経て、6時52分にエンジン再始動。タイヤのみ交換が認められ(レッドはレッド、ブラックはブラックのまま)残り15周でレースが再スタートしました。
 

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予選12位だった佐藤琢磨はG.レイホールの10グリッド後退により11番グリッドからのスタートとなっていましたが、タグリアーニがピット・スタートとなり、ウィルソンが壁にヒットして9番手へ。その後7番手まで追い上げた22周目にピットへ入りました。
 

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混雑したコースから抜け出すために「ピットを早くする戦略に変えました」と琢磨。しかし「難しいバランスのクルマで、僕がほんとうに好きな状態ではなかったです」と本調子ではなく、40周目のターン12で縁石に乗ってコントロール不能になり、タイヤバリアへ。
 

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「非常に高い縁石に当たり、ステアリングにすさまじいキックバックが発生してグリップしなくなりました」と20位に終わった琢磨。路面やアスファルトの破片についての言及はありませんでした。「困難な週末でしたが、テキサスでは再び力強いレースをしたいです」
 

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街を盛り上げるためにペンスキーが主催し、3万席のグランドスタンドが完売。写真にはGMの本社も写っているのですが、まさに地元というべきこのレースで、ペンスキーを筆頭とするシボレー勢は完敗でした。再びアメリカン・ホンダの地元に近い最終戦でリベンジ?
 
今回は約2時間の赤旗中断があり、その前に佐藤琢磨選手がリタイアしていたこともあって、インタビューするタイミングを逃してしまいました。毎レース後にお届けしていたUSTREAMは今回お休みとさせていただきます。次回テキサスをどうぞお楽しみに!
 
●決勝リザルト

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●決勝ハイライト映像

 
●決勝前ウォームアップ・ハイライト映像