<Honda プレスリリース>
2012年3月24日(土)・予選 会場:セント・ピーターズバーグ市街地特設コース
天候:晴れ 気温:27℃
“サンシャイン・ステイト”と呼ばれるフロリダ州ならではのすばらしい好天の下、インディカー・シリーズの2012年シーズンがスタートしました。
予選が行われた土曜日、セント・ピーターズバーグは朝から強い日差しが照りつけ、汗ばむほどの陽気となりました。開幕戦にエントリーした26台のカラフルなインディカーは、タンパ湾沿いのダウンタウンに造られたストリートサーキットでターボサウンドを轟かせて疾走、決勝レースのスターティンググリッド獲得合戦を繰り広げました。
今年もロードレースの予選は3段階で行われ、ファイナルステージには6人のドライバーたちが進出。彼らは15分間にわたって全力疾走を続け、ウィル・パワー(Team Penske)が1分01秒3721のベストラップにより、今シーズン最初のポールポジションを獲得しました。
今年からインディカー・シリーズには新型シャシーが導入され、エンジンはHonda、シボレー、ロータスの自動車メーカー3社が供給していますが、HondaのV6ターボエンジンを搭載したマシンに乗る10人の中では、シモン・パジェノー(Schmidt Hamilton Motorsports)の予選6番手が最高位でした。03年と08年チャンピオンのスコット・ディクソンは、1分01秒7636がベストで7番手でした。彼のチームメートで、07年と、09年からの3年連続でシリーズタイトルを獲得しているダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)は、1分01秒9570が自己ベストで10番手でした。
インディカーへの参戦が今年で3年目となる佐藤琢磨は、2008年以来のフルシーズン・エントリーを行うRahal Letterman Lanigan RacingのHondaダラーラで、1分02秒6015の自己ベストをマーク。予選結果は15番手でした。昨シーズン中にポールポジションを2度獲得した佐藤は、ここセント・ピーターズバーグで5位フィニッシュを経験しており、今年もアグレッシブな戦いぶりと、上位でのフィニッシュが期待されます。
2012年シーズン最初のレースは、明日の午後12時30分にグリーンフラッグが振り降ろされ、1.8マイルのコースを100周して争われます。700馬力の新型2.2リッター・ターボエンジンによる新しい戦いの幕がいよいよ切って落とされます。今年から燃料はエタノールではなくE85とされ、燃料タンク容量はUS22ガロンからUS18.5ガロンにと減らされていますので、ピットタイミングの見極めや、ピットストップでの作業スピードなど、チームの総合力が試されるレースとなりそうです。
※予選6番手のシモン・パジェノー選手のマシンは、エンジン交換による10グリッド降格のペナルティを受けたため、決勝レースは16番手からスタートすることとなりました。
コメント
シモン・パジェノー(6番手)
「私はストリートサーキットが大好きです。ギリギリまで壁に接近し、ときには軽く擦るくらいの走りは緊迫感にあふれ、アドレナリンが身体の中で湧き出してきます。マシンのよさも必要ですが、ドライバーにも高い能力が要求されます。マシンと一体になって動きを感じ取り、エンジニアと協力して持てる力のすべてを引き出さなくてはならないのです。セント・ピーターズバーグのコースは高速コーナーも低速コーナーもあるすばらしいレイアウトです。インディカーの3段階の予選方式も、興奮度がステージごとに着々と上がっていく点がファンにとってだけでなく、ドライバーにとってもいいですね」
佐藤琢磨(15番手)
「プラクティスを3回走り、予選に向けてもマシンのセットアップを向上させることができました。今朝のプラクティスで、マシンのハンドリングをよくするセットアップを発見しました。しかし、予選でセカンドステージへと駒を進めることはできませんでした。それはとても悔しいと感じています。新型エンジンで戦うのは初めてなので、明日の決勝レースはとてもおもしろいものになるでしょう。我々としては、これまでの走行で集めたデータをすべて結集させて、レース用セッティングで走らせるマシンがどのようなものになるのかを検討し、それを朝のウオームアップセッションで確認したいと思います」
スティーブン・エリクセン|HPD副社長
「インディカーの世界に再び、エンジンの技術競争が戻ってきました。私たちはこの瞬間を待ち望んでいました。今日、こうして初めての予選が戦われたことをうれしく感じています。ライバルメーカーとの競争はどのようなものになるのか、楽しみであると同時に心配もありました。それは、とても大きなチャレンジなのですから、当然のことです。今日の予選では、我々が期待をしていたよりも、Hondaのドライバーたちのトップ6進出数が少なかったですね。しかし、予選で6番手となったルーキー、シモン・パジェノーの能力の高さに強い感銘を受けましたし、Schmidt Hamilton Motorsportの仕事ぶりにもすばらしいものがあったと思います。予選でポールポジションを獲得できなかったのは残念ですが、何より重要なのは決勝レースです。我々が目指すのは表彰台、それもその真ん中です。決勝でのHondaドライバーたちは、必ずやスターティンググリッドからポジションを上げていき、優勝争いを展開してくれるものと確信しています」
予選リザルト
順位 No. ドライバー チーム エンジン タイム
1 12 W.パワー Team Penske シボレー 1:01.3721
2 2 R.ブリスコー Team Penske シボレー 1:01.5357
3 28 R.ハンターレイ Andretti Autosport シボレー 1:01.9321
4 27 J.ヒンチクリフ Andretti Autosport シボレー 1:01.9701
5 3 H.カストロネベス Team Penske シボレー 1:01.9987
6 77 シモン・パジェノー Schmidt Hamilton Motorsports Honda 1:02.1095
7 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing Honda 1:01.7636
8 26 M.アンドレッティ Andretti Autosport シボレー 1:01.7895
9 11 T.カナーン KV Racing Technology シボレー 1:01.8699
10 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing Honda 1:01.9570
11 38 グレアム・レイホール Chip Ganassi Racing Honda 1:02.0233
12 14 マイク・コンウェイ A.J. Foyt Racing Honda 1:02.5084
13 5 E.J.ヴィソ KV Racing Technology シボレー 1:02.5146
14 8 R.バリチェロ KV Racing Technology シボレー 1:02.2009
15 15 佐藤琢磨 Rahal Letterman Lanigan Racing Honda 1:02.6015
16 18 ジャスティン・ウィルソン Dale Coyne Racing Honda 1:02.2538
17 98 A.タグリアーニ Team Barracuda – BHA ロータス 1:02.6506
18 4 J.R.ヒルデブランド Panther Racing シボレー 1:02.4426
19 67 ジョセフ・ニューガーデン Sarah Fisher Hartman Racing Honda 1:02.7155
20 19 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing Honda 1:02.5271
21 78 S.デ・シルベストロ HVM Racing ロータス 1:02.8218
22 83 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing Honda 1:03.0437
23 22 O.セルビア Lotus Dreyer & Reinbold Racing ロータス 1:02.8771
24 20 E.カーペンター Ed Carpenter Racing シボレー 1:03.3591
25 6 K.レッグ Lotus Dragon Racing ロータス 1:04.1654
26 7 S.ブルデー Lotus Dragon Racing ロータス 1:05.6858
※#77 シモン・パジェノーは、エンジン交換によるペナルティーを受け、16番手からのスタート