INDY CAR

エド・カーペンターが悲願の初優勝 佐藤琢磨は22番グリッドから15位完走

<Honda>
2011年10月2日(日)
決勝
会場:ケンタッキー・スピードウェイ(全長1.48マイル)
天候:晴れ
気温:16〜17℃

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2011年シーズンも残すところ2戦と押し詰まった第16戦の舞台は、アメリカ東部ケンタッキー州北部にあるケンタッキー・スピードウェイ。全長約1.5マイルのハイスピード・オーバルは、3台が並んだままコーナリングを行えるエキサイティングなコースですが、同時に年々大きくなるバンプによってドライビングが難しくなっています。
チャンピオン争いは、第15戦インディジャパン ザ ファイナル終了時点で久しぶりにウィル・パワー(Team Penske)がシリーズトップに復活しています。過去に3度のタイトル獲得を経験しているベテランのダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)は、一時は大きなポイントリードを築いていましたが、現在はポイントスタンディング2位へと順位を下げています。第16戦は、ポイント3位のスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)までタイトル獲得の可能性が残されている状況で迎えられました。
予選ではパワーがポールポジションを獲得し、フランキッティは11番手と苦戦しました。シーズンの流れをパワーがつかんでいる印象はケンタッキーでも続いていました。

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秋晴れの下、予選日よりもずいぶんと暖かなコンディション下でスタートが切られた200周のレースでは、ポールポジションからスタートしたパワーが悠々とリードを続けました。しかし、1回目のピットストップへと向かったパワーは、ピットロードでアナ・ベアトリス(Dreyer & Reinbold Racing)と接触し、マシン左側にダメージを受けてしまいました。ピットインを重ねながらマシンの修理が施されましたが、パワーのマシンはスピードが上がらなくなり、19位でゴールするのが精一杯でした。
一方、フランキッティは燃費セーブの戦略を行ってピットにはライバル勢より1周あとで滑り込むと、クルーたちの素早い作業と、温まっていないタイヤでのラップタイムのよさなどから一気にトップに躍り出ました。彼はリードを保ち続けて最多リードラップを記録し、ボーナスポイントの2点を獲得。優勝へまっしぐらと見えていました。しかし、ゴールを目前にした178周目に切られたリスタートでエド・カーペンター(Sarah Fisher Racing)がディクソンを抜いて2位へと浮上し、フランキッティへの果敢なアタックを開始。ケンタッキーで2年連続2位フィニッシュしてきているカーペンターとのバトルはサイド・バイ・サイドのままゴールまで続き、最終ラップの最終コーナーを回ったあとにアウト側のカーペンターがゴールライン目前で大逆転、通算113レース目にして悲願の初優勝を飾りました。

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Sarah Fisher Racingにとっても、今回の勝利は初優勝となりました。カーペンターとフランキッティとのゴールで差は、IZODインディカー・シリーズ史上で6番目に小さい0.0098秒でした。
3位争いもし烈で、こちらはディクソンがジェームズ・ヒンチクリフ(Newman Haas Racing)とライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)をギリギリでかわして表彰台に上りました。
今日のレース結果によってフランキッティが再びポイントリーダーへと返り咲き、パワーはスタート前の12点リードから一転、18点差で追いかける立場となりました。

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佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)は、予選22番手で後方グリッドからのスタートでした。決勝用のマシンセッティングも自らが期待したよりもパフォーマンスは低く、集団の中で順位を上げていくことができずにいました。

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それでもピットストップの速さやリスタートのよさで佐藤は147周目には7位を走りました。さらに上位をうかがって戦い続けた佐藤でしたが、トップスピードが出ないことで順位を落とし、最終結果は15位となりました。

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昨年から設定されているオーバルコース部門の王者には、今回3位フィニッシュしたディクソンが輝き、A.J.フォイト・トロフィを初めて授与されました。ロードコース部門のマリオ・アンドレッティ・トロフィは、第15戦インディジャパン ザ ファイナルでウィル・パワーが獲得。彼は同トロフィを2年連続で手にしています。
すさまじいバトルとポイント争いが続いてきた2011年のインディカー・シリーズもいよいよ2週間後の1レースを残すのみとなりました。今年もチャンピオン争いはシーズン最後のレースまで、2人のドライバー、どちらがタイトル獲得を果たすのか、その予想が難しい状況のままもつれ込みます。

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その最終戦は、アメリカ大陸を西へと横断してラスベガスで行われます。エンターテインメントとギャンブルの都にある1.5マイル・オーバルでインディカーのレースが開催されるのは2000年以来。どのような戦いとなるかは非常に読みにくい状況です。ドライバーの順応性、チームのエンジニアリング能力といったものが試される戦いとなるでしょう。

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<コメント>
エド・カーペンター(優勝)
「優勝の喜びは想像していた以上でした。ダリオ・フランキッティとのバトルは激しく、そしてクリーンでした。ヘルメットのバイザーが緩むトラブルもありましたが、そんなことで絶対に優勝を逃したくないと考えていました。15〜20周ほど片手でバイザーを押さえて走ったあと、ピットインでテープを貼って固定してもらいました。Sarah Fisher Racing、そして家族のサポートがあったことで優勝できました。今日は2009年のレースで学んだことを生かしました。アウト側にマシンを保ち、最後の最後にゴールラインでイン側のマシンを抜いたのです」

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ダリオ・フランキッティ(2位)
「予選日は厳しいものでしたが、今日の私たちはやるべきことをやりました。ベストを尽くしたと感じています。レース序盤にいくつかポジションを上げ、ピットストップ後にトップに立つことができました。私はトップを守り続けましたが、プッシュ・トゥ・パスを使い果たし、エド・カーペンターにパスされてしまいました。彼はすばらしいレースを戦っていました。私の方はピットから自分と相手のプッシュ・トゥ・パスの残り回数を知らされていたのですが、1周勘定を間違えてしまいました」

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スコット・ディクソン(3位)
「フラストレーションとの戦いでした。理由は判明していませんが、我々のマシンはスピードが出ませんでした。3位というすばらしい結果を得られはしましたが、スピードに乗りきるまでに3〜4周かかっていました。リスタートでは早目の加速をトライしていましたが、グリーンフラッグが振られるとフランキッティに突き放され、ほかのライバルたちにパスを許してしまっていました。そうした状況もありながら、フランキッティはポイントリードを手に入れ、私はA.J.フォイト・トロフィを獲得できました」

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佐藤琢磨(15位)
「スタートしてみるとマシンがものすごいオーバーステアで、何度かアクシデントを起こしそうになりました。ピットストップでフロントウイングを調整しましたが、それよりも大きな問題としてスピードの伸び悩みがありました。

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ライバルたちのドラフティングを利用しながら集団に必死でついていきました。リスタートなどでポジションを上げることができたときもありましたが、走り出すとスピードのなさからオーバーテイクされてしまうという非常に悔しいレースになっていました。何がスピード不足の原因なのか、最終戦のラスベガスまでには原因を究明して臨みたいと思います」

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ロジャー・グリフィス|HPD テクニカル・ディレクター
「とてもエキサイティングなゴールシーンとなりましたね。エド・カーペンターが見事な戦いぶりで初優勝を手にしました。Sarah Fisher Racingも初優勝です。彼らを祝福したいと思います。ダリオ・フランキッティは優勝したかったところでしょうが、2位でポイントリーダーに返り咲いたことを喜んでいることでしょう。逆にウィル・パワーは全くひどい週末となってしまいました。残るはラスベガスでの最終戦のみです。タイトル争いは今年もシーズン最後のレースで決着することとなりました。出場台数が今回以上に多くなるラスベガスでは、今回以上にすさまじい、インディカー・シリーズならではのバトルが見られることと期待しています」

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<決勝>
順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム
1 67 エド・カーペンター Sarah Fisher Racing D/H/F 1:42:02.7825
2 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing D/H/F +0.0098
3 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F +0.1048
4 06 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing D/H/F +0.3007
5 28 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport D/H/F +0.4040
6 2 オリオール・セルビア Newman Haas Racing D/H/F +0.6806
7 17 ワイド・カニンガム Sam Schmidt Motorsports D/H/F +0.7020
8 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F +0.7895
9 44 バディ・ライス Panther Racing D/H/F +1.0011
10 7 ダニカ・パトリック Andretti Autosport D/H/F +1.0076
11 22 タウンゼント・ベル Dreyer & Reinbold Racing D/H/F +1.1767
12 38 グラハム・レイホール Chip Ganassi Racing D/H/F +1.2320
13 83 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing D/H/F +1.7795
14 77 ダン・ウェルドン Sam Schmidt Motorsports D/H/F +2.0668
15 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus D/H/F +2.1166
16 14 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises D/H/F +2.4294
17 82 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus D/H/F +3.0101
18 27 マイク・コンウェイ Andretti Autosport D/H/F +3.4607
19 12 ウィル・パワー Team Penske D/H/F +6.4970
20 4 J.R.ヒルデブランド Panther Racing D/H/F +1Lap
21 18 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing D/H/F +2Laps
22 30 ピッパ・マン Rahal Letterman Lanigan Racing D/H/F +3Laps
23 59 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus D/H/F +8Laps
24 24 アナ・ベアトリス Dreyer & Reinbold Racing D/H/F +35Laps
25 78 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing D/H/F +59Laps
26 19 アレックス・ロイド Dale Coyne Racing D/H/F +60Laps
27 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport D/H/F +60Laps
28 34 ディロン・バティスティーニ Conquest Racing D/H/F +76Laps
29 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F +166Laps

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<ポイントスタンディング>
順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing 573
2 ウィル・パワー Team Penske 555
3 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing 518
4 オリオール・セルビア Newman Haas Racing 425
5 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus 366
6 ライアン・ブリスコー Team Penske 364
7 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport 347
8 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport 337
9 グラハム・レイホール Chip Ganassi Racing 320
10 ダニカ・パトリック Andretti Autosport 314
11 エリオ・カストロネベス Team Penske 312
12 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing 302
13 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus 297
14 J.R.ヒルデブランド Panther Racing 296
15 アレックス・タグリアーニ Sam Schmidt Motorsports 296
16 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises 287
17 マイク・コンウェイ Andretti Autosport 260
18 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus 241
19 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing 233
20 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing 225
21 アナ・ベアトリス Dreyer & Reinbold Racing 212
22 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing 189
23 セバスチャン・ブルデー Dale Coyne Racing 188
24 ジャスティン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing 183
25 セバスチャン・サーベドラ Conquest Racing 178
26 エド・カーペンター Sarah Fisher Racing 175
27 アレックス・ロイド Dale Coyne Racing 85
28 ダン・ウェルドン Sam Schmidt Motorsports 75
29 ポール・トレイシー Dragon Racing 68
30 ラファエル・マトス AFS Racing 67
31 シモン・パジェノー HVM Racing 56
32 トーマス・シェクター Dreyer & Reinbold Racing 52
33 マーティン・プロウマン Sam Schmidt Motorsports 49
34 バディ・ライス Panther Racing 42
35 タウンゼント・ベル Dreyer & Reinbold Racing 40
36 ジョルジオ・パンターノ Dreyer & Reinbold Racing 37
37 ワイド・カニンガム Sam Schmidt Motorsports 36
38 ピッパ・マン Rahal Letterman Lanigan Racing 32
39 ベルトラン・バゲット Rahal Letterman Lanigan Racing 30
40 ジェイ・ハワード Rahal Letterman Lanigan Racing 27
41 デイビー・ハミルトン Dreyer & Reinbold Racing 26
42 ジョン・アンドレッティ Richard Petty/Andretti Autosport 16
43 武藤英紀 AFS/Sam Schmidt Motorsports 12
44 ディロン・バティスティーニ Consquest Racing 10
45 ホーピン・タン Dragon Racing 10
46 J.P.デ・オリベイラ Conquest Racing 10
47 スコット・スピード Dragon Racing 0
48 ブルーノ・ジュンケイラ A.J. Foyt Enterprises 0