INDY CAR

佐藤琢磨がアイオワに続き、今シーズン2度目となるポールポジションを獲得

<Honda>
2011年7月23日(土)
予選
会場:エドモントン・シティ・センター・エアポート
天候:晴れ
気温:17℃
今年もカナダでのインディカー・レースはトロント、エドモントンの2連戦がスケジュールされています。
サーキットは、アルバータ州の州都、エドモントンのダウンタウンにあるシティ・センター・エアポートを使うユニークなもので、よりオーバーテイクの多いエキサイティングなレースとなるようにと、今年からは新しいコースレイアウトが採用されています。昨年までのコースは高速コーナーを多く備えたものでしたが、今年からのレイアウトは対照的にとても長いストレートの先にタイトなヘアピンコーナーが配されたものとなっています。そのため、まずはブレーキングがたいへん重要な要素に挙げられ、低速コーナーからの立ち上がり加速も重視したマシンセッティングが必要とされます。
走行初日の金曜日は、一日中降り続けた雨によってプラクティスセッション2回がともにキャンセルされてしまいました。そこで、IZODインディカー・シリーズは走行2日目となる土曜日のスケジュールを変更し、45分間のプラクティスを2回行い、その後に3段階で争われる予選を開催することになりました。

画像

短時間でマシンをハイレベルに仕上げ、新コースでの初のポールポジションを獲得したのは、予選のファイナルステージで1分18秒5165のベストをマークした佐藤琢磨(KV Racing Technology‐Lotus)でした。彼に遅れること0.0509秒で予選2位となったのはウィル・パワー(Team Penske)で、予選3位はスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)でした。ポイント・リーダーのダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)は、その後ろの予選4位という結果を手にしました。

画像

佐藤は第8戦アイオワで日本人初のポールポジションを獲得し、そのわずか2戦後の今大会でキャリア2度目となるポールポジション獲得を果たしました。彼はこれでオーバルとロードコースの両方においてポールポジションを記録したドライバーとなったのです。

画像

また、今までのインディカー・シリーズにおける日本人決勝最高位は、2008年第8戦アイオワで武藤英紀が記録した2位となっています。
<コメント>

画像

佐藤琢磨(ポールポジション)
「すごくうれしいです。アイオワでの初めてのポールポジションも本当にうれしかったのですが、今日のエドモントンでのポールはストリートコースでのもので、オーバルとロードの両方でポール獲得を達成できたという意味からも、大きな喜びを感じています。KV Racing Technology-Lotusが3台体制をうまく活用したことによって、自分たちはいいマシンを作り上げることができたと思います。今回はだれにとっても初めてのコースだったことも、自分たちにはプラスに働いていましたね。コースを知らないという不利がなくなっていたからです。明日の決勝レースでも自分たちが考える通りの戦いができるよう、午前中のウオームアップセッションでマシンをいい状態に仕上げられるよう全力を尽くします」
ウィル・パワー(2番手)
「琢磨のタイムはすばらしいものでした。彼のポールポジションをたたえたいと思います。インディカー・シリーズはますます戦いが激しくなっています。マシンを完ぺきに仕上げ、ドライビングも完ぺきでなければポールポジションはだれかに奪われてしまうのです。今日は琢磨、そしてKV Racing Technology-Lotusがマシンを最も速いものに作り上げ、ドライビングもすばらしかったということです。自分たちは決勝レースでよりよい結果を得られるようがんばるつもりです」
スコット・ディクソン(3番手)
「今週も戦いは非常に白熱しています。コースはとてもテクニカルで、マシンにもドライバーにも多くを要求してきます。予選でのタイムを縮めるカギはターン1のハードブレーキングゾーンにあり、ターン11も重要でした。明日のレースは本当にエキサイティングなものになるでしょうね。ターン1、ターン5、そしてターン13でブレーキング勝負が見られるはずですが、それらのコーナーでドライバーたちは皆、かなりアグレッシブに走ることになるからです。アクシデントも起こり得ます。ファンは大いに楽しめるものと思います」
ロジャー・グリフィス|HPD テクニカル・ディレクター
「佐藤琢磨がすばらしい走りでポールポジションを獲得しましたね。彼を応援してきている日本のファンも大いに喜んでいることでしょう。今年から新しいレイアウトになったコースだというのに悪天候で金曜にプラクティスが行えず、今日の短いプラクティス時間だけでマシンを仕上げるという難しい状況となりました。KV Racing Technology-Lotusと琢磨は、そんな中ですばらしい能力を発揮したと思います。彼らのチームはレースを重ねるごとに実力を伸ばし、スピードだけをみればAndretti Autosportを上回る存在に成長しています。まだレースで結果を思うように残せておらず、Andretti Autosportは優勝を2回記録していますが、明日はKV Racing Technology-Lotusが決勝レースでもいいパフォーマンスを見せ、望む結果を手にする可能性も十分にあるでしょう。長いストレートとハードブレーキングの必要なヘアピンコーナーがある新レイアウトでの決勝レースは、我々の用意するプッシュ・トゥ・パス・ボタンをフルに使ってのし烈なバトルが見られることとなるはずです。明日のレースが本当に楽しみですね」
<予選リザルト>

画像

順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム
1 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:18.5165
2 12 ウィル・パワー Team Penske D/H/F 1:18.5674
3 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F 1:18.6442
4 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing D/H/F 1:18.6628
5 59 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:18.7383
6 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F 1:19.0267
7 28 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport D/H/F 1:18.6678
8 2 オリオール・セルビア Newman Haas Racing D/H/F 1:18.7142
9 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F 1:18.7669
10 06 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing D/H/F 1:18.9323
11 82 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:19.0190
12 19 セバスチャン・ブルデー Dale Coyne Racing D/H/F 1:19.3802
13 38 グラハム・レイホール Chip Ganassi Racing D/H/F 1:19.0682
14 14 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises D/H/F 1:18.9781
15 22 ジャスティン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 1:19.0732
16 78 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing D/H/F 1:19.2084
17 77 アレックス・タグリアーニ Sam Schmidt Motorsports D/H/F 1:19.1329
18 18 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing D/H/F 1:19.3533
19 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport D/H/F 1:19.6204
20 27 マイク・コンウェイ Andretti Autosport D/H/F 1:19.4007
21 83 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing D/H/F 1:20.0348
22 7 ダニカ・パトリック Andretti Autosport D/H/F 1:19.4713
23 24 アナ・ベアトリス Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 1:20.3224
24 4 J.R.ヒルデブランド Panther Racing D/H/F 1:19.5237
25 8 ポール・トレイシー Dragon Racing D/H/F 1:20.4836
26 34 セバスチャン・サーベドラ Conquest Racing D/H/F 1:19.7200