INDY CAR

雨のために14周で赤旗中断され、月曜日に再開されたレースはウィル・パワーが制す 佐藤琢磨は作戦が悪く8位フィニッシュ

<Honda>
2011年5月2日(月)
決勝
会場:サンパウロ特設コース
天候:曇り
気温:19〜20℃

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サンパウロでのインディカーレースは今年が2回目になる。ダウンタウン北部に設定される2.536マイルのストリートコースは、長いストレートを持つのが特徴で、抜きつ抜かれつのエキサイティングなレースが昨年展開された。今年も多くのファンが詰めかけた決勝日だったが、昨年と同様にスタートを目前にして雨に見舞われた。しかも、今年の雨は非常に強く、レースはスタートしたものの、9周を終えたところで赤旗が出された。オフィシャルは小雨の降り続ける中でコースの水の除去を行い、2時間以上の中断の後、夕方4時過ぎにレースは再開されることとなった。
ところが、14周目を終える前に2度目の赤旗が出された。振り続けた雨がマシンによって巻き上げられ、バックストレッチの視界が非常に悪くなっていたのだ。レースを行うには危険過ぎるコンディションであると判断され、レースは月曜日に再開されることが決定した。

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月曜日も天候は曇りで、スタート直後に雨が降り出したが、ウエットタイヤ装着で走れる状態が保たれ、レースは走行時間のトータルが2時間を迎えた51周でゴールとなった。勝ったのはウィル・パワー(Team Penske)。26周目のリスタートで佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)にトップの座を奪われたが、フルコースコーション中の35周目にピットストップを行った作戦が功を奏し、一時、順位を9位まで下げながらも最後にはトップへと返り咲いて今季2勝目、サンパウロでの2年連続優勝を飾った。

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2位には予選5番手だったグラハム・レイホール(Chip Ganassi Racing)が入賞。予選4番手のライアン・ブリスコー(Team Penske)は、ダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)とのバトルの末、表彰台に上る3位フィニッシュを果たした。

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予選10番手から、日曜日の14周で3番手までポジションを上げた佐藤は、月曜日にレースが再開されると、その5周目にブリスコーをパスして2位へと浮上。26周目のリスタートではパワーをアウト側から豪快にパスし、インディカーで初めてトップに躍り出た。その後はパワーを突き放し、23周に渡ってトップを走行。

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しかし、34周目からのフルコースコーションでKV Racing Technology-Lotusはピットに入らない作戦を選んだ。レース中にフルコースコーションが一度でも出されれば、給油なしで走りきれるとの読みからだった。しかし、佐藤とチームの思惑に反し、フルコースコーションが出されることはなく、レースがグリーンで進む中で給油したために8位まで順位を下げてゴールした。

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<コメント>

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ウィル・パワー(優勝)
「レースの終盤にピットインして集団の中に埋もれたが、そこからトップまでポジションをばん回して勝つことができた。これでポイントスタンディングでもトップに立つことができ、とてもうれしい。次からはオーバルレースが続くが、この調子で勝利を重ねていきたい。残念ながら今日も天候が悪くなってしまったが、サンパウロのコースは走っていて本当に楽しかった。舗装も新しくなっており、世界に誇れるストリートコースとなった。来年のレースが今から楽しみだ」

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グラハム・レイホール(2位)
「今週の我々はマシンのハンドリングが非常によく、ドライコンディションでの予選を5番手で終えることができた。レースはウエットコンディションとなったが、我々は序盤にスピンを喫したにもかかわらず、そのミスをばん回して2位フィニッシュを果たすことができた。インディ500に向かう前にいいリザルトを達成したいと考えていた。それが実現できた点で大きな満足感を得られている」

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ライアン・ブリスコー(3位)
「サンパウロのコースは、世界でもベストといえるストリートコースだ。今日もウエットコンディションとなったが、エキサイティングなコースで、我々はエキサイティングなレースを戦った。レースの前半にポジションを落としたが、ゴールに近づくにつれスピードを取り戻し、最後はダリオ・フランキッティとのバトルをも制して表彰台に上ることができた。路面が滑りやすく、とても難しいレースだったが、3位でフィニッシュできてとてもうれしい」

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佐藤琢磨(8位)
「ギリギリまで燃料セーブをして走っていましたが、3周分ぐらい足りなかった。非常に悔しい結果になりました。トップを走っていたのだから、作戦でギャンブルをする必要はまったくなかったと思います。クルーたちがすばらしい仕事をしてくれ、マシンは今日のコンディションに見事に合っていました。インディカーをウエットコンディションで走らせるのは昨日が初めてでしたが、何のリスクも負わずにすべてをコントロールできていました。トップに立ってからはすぐさま燃料をセーブする走りに切り替え、後ろとのギャップを見ながらレースをコントロールできていたと思います。それだけに最終的な結果は非常に残念です。しかし、僕らは今日、勝てる力があることを証明しました。反省点をしっかりと見直し、次からのレースにつなげたいと思います」

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ロジャー・グリフィス|HPD テクニカル・ディレクター
「最後は作戦が勝敗を分けた。佐藤琢磨はウエットコンディションでも見事なドライビングを見せ続けてトップを走り続けたが、フルコースコーションでコース上にとどまる作戦をチームは採用。一方で、ウィル・パワーらのトップグループはピットインして給油を行う作戦に出て、レース展開はパワーたちに味方した。パワーとTeam Penskeは今季2勝目を挙げ、ブリスコーも3位フィニッシュを果たした。グラハム・レイホールは新チームへ移籍して初めての表彰台に上った。彼らのパフォーマンスを讃えたい。ブラジルのファン、そしてレースプロモーターには本当に気の毒だが、サンパウロでのレースは2年連続で決勝のスタート前に雨が降り、今年は月曜日までレースが順延されることになった。今日、インディカーによるエキサイティングなレースを彼らに楽しんでもらえなかったのは非常に残念だが、オーバーテイク満載のすばらしいレースが展開されるサーキットであることが、今日のレースでまたしても証明された。テレビでレースを見たファンが、来年またサーキットへ来てくれることを期待したい」

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<決勝>

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順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム
1 12 ウィル・パワー Team Penske D/H/F 02:04:05.2964
2 38 グラハム・レイホール Chip Ganassi Racing D/H/F +4.6723
3 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F +7.9037
4 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing D/H/F +10.1470
5 2 オリオール・セルビア Newman Haas Racing D/H/F +15.8188
6 27 マイク・コンウェイ Andretti Autosport D/H/F +16.6775
7 22 ジャスティン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing D/H/F +20.0131
8 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus D/H/F +23.0683
9 06 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing D/H/F +25.2924
10 4 J.R.ヒルデブランド Panther Racing D/H/F +31.3172
11 34 セバスチャン・サーベドラ Conquest Racing D/H/F +36.4261
12 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F +42.1974
13 59 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus D/H/F +45.8266
14 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport D/H/F +74.5634
15 18 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing D/H/F +76.2783
16 83 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing D/H/F +1Lap
17 14 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises D/H/F +2Laps
18 28 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport D/H/F +5Laps
19 77 アレックス・タグリアーニ Sam Schmidt Motorsports D/H/F +7Laps
20 78 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing D/H/F +9Laps
21 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F +17.6110
22 82 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus D/H/F +23.6787
23 7 ダニカ・パトリック Andretti Autosport D/H/F +60.7631
24 24 アナ・ベアトリス Dreyer & Reinbold Racing D/H/F +24Laps
25 17 ラファエル・マトス AFS Racing D/H/F +27Laps
26 19 セバスチャン・ブルデー Dale Coyne Racing D/H/F +35Laps
<ポイントスタンディング>

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順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 ウィル・パワー Team Penske 168
2 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing 154
3 オリオール・セルビア Newman Haas Racing 110
4 マイク・コンウェイ Andretti Autosport 102
5 ライアン・ブリスコー Team Penske 101
6 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus 99
7 アレックス・タグリアーニ Sam Schmidt Motorsports 85
8 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing 84
9 グラハム・レイホール Chip Ganassi Racing 82
10 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus 80
11 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing 78
12 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises 77
13 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport 70
14 ジャスティン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing 70
15 ダニカ・パトリック Andretti Autosport 69
16 J.R.ヒルデブランド Panther Racing 69
17 エリオ・カストロネベス Team Penske 68
18 ラファエル・マトス AFS Racing 67
19 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing 66
20 セバスチャン・サーベドラ Conquest Racing 62
21 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing 58
22 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing 55
23 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport 52
24 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus 51
25 セバスチャン・ブルデー Dale Coyne Racing 44
26 アナ・ベアトリス Dreyer & Reinbold Racing 40
27 シモン・パジェノー Dreyer & Reinbold Racing 24
28 ポール・トレイシー Dragon Racing 14

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