第15戦ケンタッキーを制したエリオ・カストロネベスは、中盤の80周目に発生したイエローの間に、なんと3回もピットで燃料補給。これで最後のピットを147周目まで引っ張ることができ、終盤に続々と上位勢がピットへ行く中、最後まで走りきることに成功しました。
ケンタッキーで2年連続の2位フィニッシュがエド・カーペンターです。初のポールからスタートしたカーペンターは、終盤もトップ5を堅持。最後のスプラッシュ&ゴーを最も速く終わらせてコースに復帰するも、そこには燃料補給の必要がないカストロネベスがいたのです。
3位にはカーペンターのチームメイト、ダン・ウェルドンが入りました。最多リードラップとなる93周もレースをリードし、今季初優勝達成の期待が高まっていた終盤、最後の燃料補給でカーペンターが先行。トップクラスの速さをもっていながら、今回も勝てませんでした。
日本勢は予選5位からスタートした武藤英紀が、バランスの悪い決勝用セットに苦しんで、序盤に21番手まで後退してしまいます。しかしレース中に何度もマシンを調整したことによってバランスが少しずつ改善され、最終的に17位でのフィニッシュとなりました。
佐藤琢磨は予選14位からスタートしようとしたところ、前車が巻き起こした乱気流による影響なのか、突然後ろのタイヤがグリップを失ってスピンを喫してしまい、壁に激突してリタイアを余儀なくされました。この雪辱を次のインディジャパンで晴らして欲しいところです。
●記録で見る今回のレース
・エリオ・カストロネベスは第3戦アラバマに続く今季2勝目で、ランキング4位へ浮上。インディカー・シリーズ18勝目、CART時代からでは通算24勝目です。ケンタッキーでは初優勝で、過去9戦中8回のトップ5フィニッシュを記録しています。
・チーム・ペンスキーにとってケンタッキー3勝目(06年にホーニッシュJr、09年にブリスコー)、今シーズンの15戦中8勝目となりました。オーバル・レースでは91勝目、ロード・コースも含めると通算152勝目となります。
・エド・カーペンターが2年連続で自己ベスト・タイとなる2位をケンタッキーで記録。ダン・ウェルドンが3位で、2戦連続の表彰台となりました。9位でゴールしたダニカ・パトリックは、31戦連続完走の自己記録を更新中です。
・ダリオ・フランキッティが5位でゴールし、7戦連続のトップ5フィニッシュ。AJフォイト・オーバル・チャンピオンシップでは依然ランキング・トップで、2位のチームメイト、ディクソンとの差を27ポイントに広げました。
・ベルトラン・バゲットがキャリア・ベストとなる10位でフィニッシュ。今までのベストはミド-オハイオでの11位でした。21位のライアン・ハンター-レイ、8戦連続トップ5フィニッシュの記録がストップしてしまいました。
後ほどロジャー安川の現地レポートをアップしますので、お楽しみに!
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