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第94回インディ500決勝レポート&リザルト、ハイライト映像

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気温34度という記録的な猛暑の中でスタートした第94回インディ500決勝。200周のレース中155周をリードしたダリオ・フランキッティが、2007年に次ぐ2度目のインディ500制覇を成し遂げました。
 
フランキッティの初優勝となった2007年は雨のために166周に短縮され、415マイルでレースが終了。今回、フランキッティは初めて500マイルを走りきって優勝したことになります。
 
2005年のウイナーであるダン・ウエルドンが2年連続で2位。3位は一時アレックス・ロイドとなっていましたが、コーションの最中にパッシングしていたことが発覚し、マルコ・アンドレッティが3位に繰り上がっています。
 
最後尾からスタートしたトニー・カナーンは、素晴らしい追い上げを見せて2位まで大躍進。勝利だけを狙って最後の燃料を少なくする大ギャンブルに出たのですが、期待していたコーションとはならず、11位でフィニッシュすることになりました。
 
ポール・ポジションからスタートして4勝目を狙ったエリオ・カストロネベスは、ピットストップでエンストを喫して出遅れ。燃料を継ぎ足して違う作戦を取ったものの、裏目に出て後退を余儀なくされてしまいました。
 
期待の日本勢は佐藤琢磨がピットをずらして一時6番手まで順位を上げるも、ピット・ストップの際に不運が重なって大きく後退。2周遅れの20位となりましたが、初めてのインディ500でみごと完走を果たしています。
 
一方、武藤英紀はこの猛暑のせいかスタート直後からハンドリングに異常をきたし、7度もピットインを繰り返してクルーが懸命に修復。最後はガレージに戻してまで修理したものの、状況が改善することなく76周でリタイアとなってしまいました。
 
●記録で見る第94回インディ500
・インディ500を2回以上優勝したドライバーは、ダリオ・フランキッティが17人目。
 
・スコットランド出身のドライバーの中で、フランキッティは唯一2勝目。(ジム・クラークは1965年の優勝のみ)
 
・チップ・ガナッシはカー・オーナーとして史上初めて同じ年にインディ500とデイトナ500のウィナーに。(ロジャー・ペンスキーはインディ500で15回優勝しているが、デイトナ500は2008年のみ)
 
・パンサー・レーシングは3年連続で2位。2008年はビトー・メイラ、09と10年はダン・ウェルドン。
 
・フランキッティは2007年にアンドレッティ・グリーン・レーシング、今年はチップ・ガナッシ・レーシングと違うチームで優勝。異なるチームからのエントリーで2勝目を飾るのはアリー・ルイエンダイク以来(ルイエンダイクは1990年にシアソン・レーシング、1997年はトレッドウェイ・レーシングで優勝)
 
・フランキッティは155周リードし、最多リード・ラップのドライバーに。ガナッシは3年連続で最多リード・ラップを記録しており、08年はスコット・ディクソンが115周リードしてポール・トゥ・ウィン、09年もディクソンが73周リードして6位でゴール。
 
・フランキッティが記録した155周のリードは歴代9位。モントーヤが2000年に167周リードして優勝して以来、その後のレースの中では最多リード・ラップとなる。
 
・フランキッティのインディ500におけるリード・ラップ数は合計で255周となり、歴代59位から21位までジャンプ・アップ。
 
・チップ・ガナッシにとって、チーム・オーナーもしくは共同オーナーとして4度目のインディ500制覇。2000年にモントーヤ、08年ディクソン、10年フランキッティ、そして89年にはU.E.パット・パトリックとともに共同オーナーとしてフィッティパルディが優勝。ガナッシを上回るのはペンスキー(15回)とルー・ムアー(5回)のみ。
 
・カー・ナンバー“10”がインディ500で優勝したのは初めて。
 
・3番グリッドからスタートしたドライバーが勝つのは11回目。フランキッティが前回優勝した2007年も3位からスタート。
 
・アレックス・ロイドとトニー・カナーンは22ポジション順位をジャンプ・アップ。ロイドは26番グリッド、カナーンは最後尾の33番グリッドからスタート。
 
・ペンスキーの最高位はウイル・パワーの8位、エリオ・カストロネベスは9位でゴールし、ライアン・ブリスコーは24位リタイア。2005年のカストロネベスの9位が、ペンスキーのワースト記録。
 
・パワー、ジャスティン・ウィルソン、マイク・コンウェイは今年インディ500で初リード・ラップを経験。
 
・ダニカ・パトリックとサラ・フィッシャーは女性ドライバーとしてリン・セント・ジェームスが記録していた最多走行周回数(947周)の記録を上回った。パトリックがこれまでに記録したインディ500における周回数はトータルで1137周、フィッシャーは1057周。
 
・パトリックは6位でゴールし、6回参戦中5度目のトップ10フィニッシュ。
 
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