INDY CAR

Pick the Winner 第2戦セント・ピーターズバーグのベスト・ショットです!!!

第2戦のPick the Winnerで、みごと当てたみなさん、おめでとうございます!!!
こちらが、今回プレゼントするベスト・ショットです。

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●撮影したフォトグラファーより
この写真を撮影した場所は、ある意味ストリートコースならではと言えます。コースに隣接するホテルの、駐車場の3階という高い位置からの撮影なんです。
マシンがターン・インしている場面ですが、これくらい上のアングルから撮影できるのがストリートコースのうれしいところで、そうめったにありません。とは言え、色々なバリエーションの写真が必要ですから、1時間のセッションでこの場所にずっと留まることもできません。
限られた時間で様々なパターンのカットを撮りながら、一番マシンが美しく、そしてドライバーの緊張感が伝わるように心がけています。同じ場所でもレンズを換えたり、シャッタースピードを変えたりしながら撮影していくんです。
このカットは色々と試行錯誤した結果、ペンスキーの3台はこのアングルだとマシン周辺が周囲の影に溶け込んで暗くなり、光の関係でボディのホワイト部が浮き出ているような雰囲気になるのが解かりました。
それを写真でうまく表現したかったので、タイヤが写らなくてもいいから、コックピットを中心にマシンが縦長のフレーミング一杯に収まるよう、400ミリの望遠レンズで撮影してみました。
あえてスローシャッターで撮り、ドライバーのステアリング操作の動きを見せることによって、躍動感も出たと思います。

今年のウィル・パワーの走りは大胆なようで、実は繊細になりました。それはこの開幕2連勝という結果からも分かると思います。今後も快進撃が続きそうですね。(齊藤広之)

●撮影データ
機種: Canon EOS-1D Mark III
レンズ: Canon EF 400mm f/4.0 DO IS USM
撮影モード: マニュアル露出
シャッタースピード: 1/15
絞り値: F29
測光方式: 評価測光
ISO感度: 50
焦点距離: 400.0mm
オートフォーカスモード: AIサーボAF
ホワイトバランス: オート

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●撮影したフォトグラファーより
この写真は土曜日の午前のセッションで、ターン9に進入した武藤英紀の右フロント・タイヤが、コンクリート・ウォールに触れてしまった瞬間です。
このとき僕はコーナーのアウト・サイドにある撮影用のフォト・ホールから、コンクリート・ウォールすれすれに通っていくマシンの緊張感を収めたいと思って撮影していました。
ターン8を立ち上がったマシンは外側のウォールぎりぎりまで膨らんでいき、接触しそうになりながらターン9へ進入してきます。その時、各ドライバーはコンクリート・ウォールのすれすれを走行していくのですが、毎回タイヤとウォールの間隔が30センチもないドライバーがいます。
ほんとうにすごいスピード域なので、まさに職人芸と言うしかなく、毎回感心してしまいますよ。
進入を数センチ間違うだけでコンクリートウォールに接触し、ジ・エンドです。各ドライバーはどこまでウォールに近寄れるのか、クラッシュと紙一重のせめぎ合いを毎回繰り返します。徐々にコンクリートとタイヤの間隔を詰めつつ、タイムを削っていくわけです。
それはまさに、身を削るようなものなんでしょうね。ターンのたびに真剣勝負をしているようなもので、時に予想を超えた動きをすることもあります。
上の写真を撮影した次の瞬間、英紀のマシンは左側に跳ね飛ばされ、曲がりきれずに僕の目の前のコンクリート・ウォールに突っ込んできました。ドガーン! とコンクリートウォールが動いて、久しぶりにびっくりしましたよ。その後マシンは左側を壁にすりながら進んでいきました。ともあれ、英紀が無事だったことがなによりでした。
マシンは一部が燃えてしまったようで走行不能となりましたが、チームはTカーにエンジンを載せ、予選になんとか間に合わせようと懸命でした。
その姿をみていたせいか、予選開始ぎりぎりにマシンがピットにやって来たときは感動しましたね。そんな状況で英紀が第1予選を通過したものだから、ほんとうに驚きました。英紀がクルーの努力に応えたんです。
緊張と驚きと感動に包まれた一日でした。(齊藤広之)
●撮影データ
機種: Canon EOS-1D Mark ?
レンズ: Canon レンズ EF70-200mm f/2.8L IS USM + EXTENDER EF 1.4x ?
撮影モード: マニュアル露出
シャッタースピード: 1/500
絞り値: F8.0
測光方式: 評価測光
ISO感度: 100
焦点距離: 255.0mm
オートフォーカスモード: AIサーボAF
ホワイトバランス: オート

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●撮影したフォトグラファーより
このセント・ピーターズバーグからロータス・カラーになったマシンでの走行がスタートした佐藤琢磨。深いメタリック・グリーンに、中央には黄色い二本の線が入って、往年のロータスを彷彿とさせます。
午前、午後、そして撮影場所によってマシンにあたる光の動きも変わっていきます。ここは午後3時になろうとしていた頃のターン5。太陽の光は少し西に傾きだしていました。
このダーク・グリーンが最も綺麗に見える瞬間を探していたのですが、このターンでは少しだけバックライト(逆光)になっていて、立体感がさらに深みを増し、妖しいメタリックな輝きを放っていました。
おそらく逆光がきつ過ぎれば緑の美しさがわからなくなってしまい、順光過ぎれば立体感のないフラットな絵になってしまうでしょう。たぶんこの位置からの光が今回はベストだと思いました。
このマシンの色みと細部のディテールを浮き出しつつ、左フロント・タイヤが浮いた瞬間を狙って高速のシャッター・スピードでおさえました。
琢磨は2戦連続リタイアと残念な結果になっていますが、次戦はオープン・テストで総合6位となったバーバー・モータースポース・パークでのレースです。いよいよ本領発揮となって欲しいですね。(齊藤広之)

●撮影データ
機種: Canon EOS-1D Mark ?
レンズ: Canon EF 400mm f/4.0 DO IS USM
撮影モード: マニュアル露出
シャッタースピード: 1/500
絞り値: F6.3
測光方式: 評価測光
ISO感度: 50
焦点距離: 400.0mm
オートフォーカスモード: AIサーボAF
ホワイトバランス: オート