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第17戦ホームステッド【予選】フォト・レポート

<US-RACING>

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いよいよ最終戦マイアミが幕を開けました。ポール・ポジションを獲得したのは、ポイント・ランキング2位のダリオ・フランキッティ。212.696マイルの平均スピードを記録し、今シーズン5度目のポール・ポジションとなったのです。「ポールを獲得できて、すごくうれしいよ。この前ここでテストして、スピードは伸びなかったから少し不安だったけど、今日はなんとかうまくいったね」と嬉しそうなフランキッティでした。ポール・ポジションの1ボーナス・ポイントを獲得したことにより、ポイント・リーダーのディクソンとの差を4ポイントに縮めたのです。

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朝のプラクティスではトップ・タイムを記録したスコット・ディクソンでしたが、予選では212.160マイルの平均スピードで惜しくも2番グリッドとなりました。フランキッティと一緒にフロント・ローからスタートすることで、リッチモンドやケンタッキーに続いて、今季3度目のオール・ガナッシ・フロント・ローです。「今朝のプラクティスはすごく良かったけど、予選ではかなりルーズだったので、けっこうドキドキしていた。とにかくクルマは速かったから、明日はいい走りができると思うよ」とディフェンディング・レース・ウイナーのディクソン。果たして、2年連続、3度目のタイトルを獲得することができるでしょうか。

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3番グリッドを獲得したのは、現在ポイントランキング3位のライアン・ブリスコーでした。212.137マイルと、ディクソンをわずか0.023マイル下回ったブリスコー。「予選は悪くなかったけど、ダリオ(フランキッティ)はほんとうに速かったよ。クルーは予選に向けての準備を一生懸命してくれたので、感謝している。明日は非常にタフなレースになると思う。でももう準備はばっちりだ」と語ってくれました。第12戦ケンタッキーでは同じ3番グリッドからスタートして優勝、シカゴではポール・トゥ・ウィンと、1.5マイルのハイバンクでは好調なブリスコー。3番グリッドからでも十分勝てそうですね。

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予選4番手に入ったのは、ケンタッキーでキャリアベストの2位でフィニッシュしたエド・カーペンターでした。「今日の予選はすごく満足している。トップ10は確実だと思っていたけど、実際はトップ5だったね。実はクルマが最初はすごく良かったものの、いったん悪くなって、最後にまた良くなったんだ。今シーズン最後の予選をこんなに良いところでフィニッシュできて、うれしいよ。多くの人は、チャンピオン候補の3人が前に出てフィニッシュすると思っているかもしれないけど、僕は違うフィニッシュを予想している。僕らにもチャンスがあると思うよ」と自信たっぷりのカーペンター。ケンタッキーのようにいいレースを期待しましょう。

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ニューマン・ハースからスポット参戦のアレックス・ロイドは、レギュラードライバーのグラハム・レイホールを上回り、5番グリッドを獲得しました。スポンサーはインディ500の時と同じ、HERという女性向けエナージー・ドリンク。本来のピンク・カラーリングは、今回サラ・フィッシャーのマシンがピンクだったため、区別がつくように白がベースとなりました。「こんなに良いスターティング・ポジションを獲得できて、スポンサーやクルーのみんなもすごく喜んでいるよ。インディ・ライツに参戦したころ、ここで勝ったことがあって、ある程度経験があるけど、やっぱりインディカーは違うね。とにかく久しぶりにインディカーをドライブできて、ほんとうに気持ちがいい」とインディ500以来の参戦となったロイド。今月アメリカでは乳癌防止月間のため、募金のSMS(ショート・メッセージ・サービス)番号である“40202”をカーナンバーにしていますよ。3桁以上のゼッケンが登場するのはシリーズ史上初めてです。

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今回スポット参戦のサラ・フィッシャーのマシンは、乳がん撲滅運動を宣伝しており、オール・ピンクのカラーリング。ファイアストンも協力し、サイドウォールがピンク色にペイントされたタイヤを用意しています。今日の予選では16番グリッドを確定したフィッシャー。チーム・オーナーでもある彼女は今日記者会見を開き、来年もスポットで9レースに参戦して、その中、4レースでは2台体制で参戦すると発表しました。2台目はインディ・ライツの元チャンピオン、ジェイ・ハワード(写真右)を起用するそうですよ。

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最終戦を迎えた武藤英紀は、午前のプラクティスでレース用のセットアップに集中し、12位のタイムを獲得。しかし、予選になるとスピードが伸びず、19番グリッドとなりました。インディ・ジャパンの予選のクラッシュのダメージが残っており、まだふらふらすることがあるようです。何とか最後まで無事に走って、今年最後のレースをフィニッシュしてほしいですね。

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「気温の変化があったりして、気温がかなり高くなったので、いつもの予選よりも非常に難しかったですね。4周目にコックピットの中で少しクルマのバランスをアジャストして、タイムが上がっていきました。ハンドリングはそんなに悪くなくて、バランスはよかったですけど、思うようにスピードが伸びなかったです。今日のプラクティスでは、決勝用のセッティングを煮詰める方向でいっていました。決勝はそんなにペースが遅くないと思いますし、追い越しがすごく難しいので、燃料をセーブしながら走りたいと思います。ピットでの順位の入れ替わりは多いと思いますよ。とにかく完走したいですね」

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チャンピオン争いをしている3人のドライバーが、予選トップスリーとなりました。ディクソンとフランキッティにとっては、2007年最終戦と同様、先にフィニッシュしたほうがチャンピオンです。ブリスコーはレースを制した上に、最多リード・ラップのボーナス・ポイント獲得も非常に重要となります。フランキッティはこのままポール・トゥ・ウィンで2007年に続く2度目のチャンピオンとなるか、それともディクソンが2年連続3度目のチャンピオンとなるのでしょうか。ブリスコーにとっては初めてのタイトルがかかっています。明日のレースでこの3人の中からいったい誰がチャンピオンとなるのか、とても楽しみですね。

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晴となったホームステッドは、朝から蒸し暑く、真夏へと逆戻りしたような気候となりました。予選がスタートした時点で気温は33度まで上昇。外にいるだけで汗が吹き出してきて、ある意味マイアミらしい気候となりましたよ。テストで訪れたときは2月の末でしたが、ここまで暑くはなく、もっと過ごしやすかったような気がしました。これまで開幕戦のイメージが強かったホームステッドだけに、最終戦と分かっていても実際コースで撮影しているとちょっと違和感はありますよ。明日のレースも、気温に負けないくらいホットな展開になってほしいですね。