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第15戦シカゴランド【予選】フォト・レポート

<US−RACING>

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第15戦シカゴランドの予選でポール・ポジションに輝いたのは、シリーズ・ポイント・リーダーのライアン・ブリスコーでした。215.364マイルの平均スピードを記録し、わずか0.162マイル差でチームメイトを上回りトップに。「このポール・ポジションはかなり重要だったね。でもレースの成り行きに関しては、スタート・ポジションはあまり関係ないと思う。去年エリオ(カストロネベス)が最後尾から優勝したからね。ペンスキーの2台がフロント・ローに並ぶのは素晴らしい。チームはがんばっているということだよ。優勝候補のマシンは12台くらいあるので、タフなレースになると思う。ツーワイドやスリーワイドのシーンが良く見られると思うから、ファンにとってすごくエキサイティングなレースになるだろう。とにかくトラブルに巻き込まれず、ずっとフロントで走りたい」と1点のボーナス・ポイントを獲得したブリスコー。今季4度目のポールポジションとなっていますが、2勝しているものの、未だにポールから優勝していないのです。果たして明日のレースでキャリア初のポール・トゥ・ウィンになるのでしょうか。

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昨年のレースウイナー、エリオ・カストロネベスは2番グリッドを獲得し、オール・ペンスキーのフロント・ローとなりました。「ペンスキーの2台は僅差だったね。フロントローのグリッドが決まってすごくうれしいよ。ライアン(ブリスコー)が多くのチャンピオンシップ・ポイントを獲得できるようにがんばる」とカストロネベスは言っていましたが、まだチャンピオンシップの可能性がなくなったわけではありません。シーズン3度目のフロントロー・スタートを手に入れたカストロネベスは、きっとシカゴランドの2勝目を狙ってくるのではないでしょうか。

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3番グリッドを獲得したのは、ガナッシのダリオ・フランキッティ。2007年のシカゴランド覇者は、214.973マイルの平均スピードを記録しました。「予選走行はドライバーが誰だろうと、あまり関係ないような気がする。この予選方式では、ドライバーの才能より、エンジニアがどのようにクルマを仕上げるかによって、予選順位が左右されるんだね。クルマの全体のバランスはすごく良かったけど、少しスピードが足りなかった。今週末以降も同じ1.5マイルが2戦続くから、早くこの課題をクリアしないとまずい。決勝レースで勝てるかどうかは、明日になってみないとわからないね」と少し不満気味のフランキッティは現在ランキング2位。チームメイトで同じくチャンピオンシップ候補のランキング3位、スコット・ディクソンは6番グリッドからスタートします。今回のマシンは個人情報の盗難を防ぐサービスを提供するLIFELOCKのカラーリングになっています。今回またスポット参戦したサラ・フィッシャーと、同じようなカラーリングで見分けがつきづらいです!

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アンドレッティ・グリーン・レーシングのトニー・カナーンは4位のスピードを記録し、2列目のスターティング・グリッドを獲得しました。「クルマが良い感じに仕上がっている。天気が持てば、この後もプラクティスで周回を重ねることができるよ。いいところからスタートできるから、いいレースになる気がする」とミルウォーキー戦以来のトップ5スタートを獲得したカナーン。昨年のシカゴランドでは、同じ4番グリッドから4位でフィニッシュしています。今回のカナーンのマシンはセブン・イレブンで売っているホット・ドッグ、“ビッグ・バイト”のカラーリングです。

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ロード・コースで2戦連続の5位フィニッシュを果たしてきた武藤英紀は、キャリア3度目のシカゴランドに挑んでいます。シカゴを本拠地としている武藤にとって地元のレースですが、ケンタッキー同様シャシーの問題が続き、スピードが伸び悩んでいます。予選では213.256マイルの平均スピードで、13グリッドが精一杯でした。インディジャパン前の最後のレースですが、確実にフィニッシュして欲しいですね。

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「恐らくクルマの問題がモノコックにあるのか、場所は特定できていないんですけど、マシンが伸びないという問題があって、チームメイトのセッティングを試しても伸びない状態です。前回のオーバルであるケンタッキーもそうだったんですけど、今回使っているシャシーは、全開で走っていても、アクセルを戻しているチームメイトよりも遅いような、深刻な問題があります。マシン・バランスは決して悪くないし、集団走行をしてもすごくバランスはいいんですけど、前の集団に追いついていけないという感じです。もてぎではシャシーを変更します。アイオワやリッチモンドで調子が良かった方を使うので問題ないと思うのですが、今週末に関しては、正直ちょっと厳しいかもしれません。順位を落とさないようにすることが、最低限できることかなと思っています。明日少し気温が下がって、みんなが乗りづらくなってくれれば、チャンスはゼロではないでしょう」

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昨晩から朝までしとしとと雨が降り続いたシカゴ。雨は止んでいたものの、路面が濡れていたために乾燥作業が行われ、午前9時からスタートする予定だったプラクティスは、開始時間が遅れてしまいました。結局、午前10時18分にプラクティス開始のグリーン・フラッグが振られ、1時間12分間の走行が行われました。その後は若干、遅れ気味になりながらも順調に予選が行われたのですが、途中、ぽつりぽつりと雨が降り、一時中止に。雨はその後降ることなく、予選、そしてファイナルプラクティスと無事にセッションを終えることが出来ました。気温は予選時で22度と暑くなく、もう秋の兆しを感じましたよ。昨年までの最終戦ではもっと蒸し暑かったような気がします。明日も昼間の気温は今日と変わらないようですが、スタート時の21時には20度を下回るでしょう。チャンピオン争いも佳境になってきました! 明日のレースで誰が勝つか楽しみですね。