INDY CAR

第8戦リッチモンド【予選】フォト・レポート

<US-RACING>

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今週のインディカー・シリーズはヴァージニア州のリッチモンドに移動し、なんと先週優勝を果たしたダリオ・フランキッティがポール・ポジションを獲得しました。「僕は短いコースが好きなんだ。ショート・オーバルでのレーシング・テクニックとマシン・セットアップは、かなり楽しんでいる。ここはほんとうに短いコースだから、反応が良くなければダメだよね。そういう意味ではシリーズの中で、一番楽しいコースかも」と楽しそうにコメントしました。最後にフランキッティがリッチモンドでレースを行った2007年は、262ラップもリードし、ポール・トゥ・ウィンで完全制覇。今シーズン2回目のポールからスタートするフランキッティの勢いを、誰か止められるでしょうか?

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166.638マイルの平均スピードで、フランキッティとともにフロント・ローに並んでスタートするのは、チームメイトのスコット・ディクソン。「プラクティスの後に色々変更したから、走り始めはクルマのフィーリングをつかもうとしていた。実際はすごく良い感じなんだけど、ポールまでは届かなかったね。レースに向けて素晴らしいクルマに仕上がっているし、オール・ガナッシのフロント・ローはうれしい。最後までそのままだと良いよね」とディクソン。ミルウォーキーで4番グリッド、アイオワで3番グリッドとなったディクソンにとっては、今シーズンのベスト・スタート・ポジションとなります。予選後のナイト・プラクティスでトップ・スピードを記録したので、レースに向けての準備も整っているようです。

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2005年に優勝し、昨年カナーンの次に2位でフィニッシュしたカストロネベスは、3番グリッドを獲得しました。「今朝のプラクティスではクルマがかなり良い感じだった。特にターン1とターン2ね。だた、予選アタックの3周目にはかなり危ない瞬間があった。たぶんテレビで見てもあまり大きなことには見えないかもしれないけど、実際クルマの中ではかなり危なかったよ。その後セッティングを調整する余裕がなかった。何とかアタックをフィニッシュできたものの、やっぱりスピードが落ちたね」とちょっと悔しそうなカストロネベスでした。果たして3番グリッドから4年ぶりのリッチモンド制覇はできるでしょうか?

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カストロネベスの後ろには、チームメイトのライアン・ブリスコーが入り、ターゲットとペンスキーの4台が予選トップ4を記録しました。3戦連続2位でフィニッシュしているブリスコーは、このリッチモンドの予選で165.749マイルの平均スピードを記録。トップのフランキッティとは約1.5マイル差となりました。ミルウォーキー、テキサス、アイオワの3戦連続最多ラップリードを果たしているブリスコーですが、そろそろ最後までレースをリードした優勝が見たいですね。

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5番手となったのは、平均スピード165.218マイルを記録したグラハム・レイホールでした。去年のリッチモンドでは、みごと3番グリッドを獲得したレイホールでしたが、レースでは不運にもリタイアに。このコースが得意なものの、決勝ではなかなか実力を発揮できていませんね。ちなみに、12番グリッドを獲得したチームメイトのロバート・ドーンボスも、今回レイホールと同じマクドナルドのトレードマークがマシンサイドに入っていました。

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6位に入ったのは、ブラジル人ルーキーのラファエル・マトスです。今シーズンのオーバル・コースの中で、今回の6番グリッドはベスト・スターティング・ポジションとなります。第7戦アイオワでモラエスと絡んでクラッシュしてしまったのですが、昨日の夜、地元リッチモンドのPRイベントでそのモラエスとともにリッチモンドのブラジル系レストランで、ウエーター役を体験しました。「僕のウエーターの技術は低いな。やっぱりレーシングのキャリアを選んでよかった」と笑っていましたよ。

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先週アイオワで今シーズン初の表彰台フィニッシュを獲得した武藤英紀。アイオワと同じショート・オーバルのリッチモンドでも、その活躍が期待されていますよ。時間帯によって路面の状況が変わるリッチモンドのコースですが、武藤の予選順番は早めだったにも関わらず、みごと164.575マイルの平均スピードをマーク。AGR勢トップの8位となりました。明日の決勝でEJ.ヴィソとともに4列目からスタートを切ります。

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予選後の武藤のコメントを紹介しましょう。「予選前のプラクティスよりも、予選中の気温が上がっていたのですが、エアロバランス以外は何もいじっていないです。予選直前にマイケル・アンドレッティとダニカと一緒に、レース用のセットアップについて話していました。レースではリスタートが鍵になると思うので、今日の予選後の練習で煮詰めることができれば良いなと思います。決勝はまた気温が違いますし、今シーズンまでのナイトレースを見て大体の変化が読めているので、問題ないと思いますね」。ショートオーバルの連戦で、今度こそポディウムの真ん中に立って欲しいですね。

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テクニカルなショートオーバルのリッチモンドは、プラクティスからクラッシュが多く発生しますが、今日の1回目のプラクティスではクラッシュもなく、予選も無事行われました。しかしファイナル・プラクティスも残り5分ほどとなったとき、とうとうこの日最初のクラッシュが発生しました。マリオ・モラエスがターン4の立ち上がりでバランスを崩し、コンクリートにヒット。このクラッシュでファイナル・プラクティスは終了となりました。本人は自力でマシンから降りたので、問題はなさそうですが、クルーはこれから修理なので大変ですね。

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午後1時からスタートしたプラクティスの時点で、リッチモンドの上空は雲で覆われていました。昨日の天気予報では夕方からサンダー・ストームという予報だったのですが、逆に予選が始まった午後5時30分ごろになると、青空が広がっていきました。気温も32度まで上昇。湿度も非常に高く、先週のアイオワよりも暑い気候の中でセッションが行われました。明日の日中は32度まで上がるものの、夜になると少し涼しくなる予報です。ポッドキャストのリッチモンド・プレビューも聞いて、ぜひウイナーを占ってください。今回はナイトレースなので、締め切りは今晩です。どうぞおはやめに! 今度こそ、武藤の初優勝が見たいですね。US-RACINGでは先週に続いて決勝レースのライブ・ラジオを行う予定なので、ぜひみなさん聞いてください!