＜US-RACING＞
恒例のフロント･ローのフォト･セッションが午前8時から行われました。スタート&フィニッシュラインで毎年撮影しているのですが、スピードウェイのシンボルであるパゴダの影になってしまい、とても肌寒い中での撮影となりました。ポール･シッターのカストロネベスも寒さに耐え切れず、撮影途中に一度日光を浴びに日向へ駆けていき、相変わらず笑いをたくさん取っていましたよ。
プラクティス開始早々、ルーキーのマイク・コンウェイがターン1でスピンし、外側のSAFERバリアに激しく激突しました。ロジャー安川に聞いたところ、今回のコンウェイのクラッシュは一番痛い当たりかただそうで、リリースによれば肺にダメージを受けた疑いもあるようです。コンウェイの回復状況が不明なため、チームは念のためにバックアップ･ドライバーを探しているそうですよ。コンウェイにとってオーバルの洗礼となったこのクラッシュは、1年前のフィル･ギブラーのクラッシュと似ており、同じケガをしているかもしれません。
その後、プラクティスが順調に進んでいましたが、なんと今度はアレックス・タグリアーニがまったく同じところでスピンを喫し、クラッシュしてしまいました。こちらもマシンのダメージはひどかったのですが、本人は幸い無事でした。予選終了間際にはマシンの修復が終わり、予選アタックに挑みましたが、スピードが伸びず、チームの判断でウエーブ･オフ。さすがに今日のグリッドに入るスピードを出すことは出来ませんでした。
12番グリッドから22番グリッドが決定した今日のセカンド･デー･クオリファイ。なんとルーキーのラファエル･マトスがトップ･スピードで12番目グリッドを確保しました。昨日、武藤とともにバンプされたマトスですが、ポール･デーの3列目なみのスピードを記録です。「ほんとうに驚いたよ。予選スタート5分前の練習走行で行った予選シミュレーションを参考にして、アタック中にハンドリングの変更をしてみたら、いきなり0.5マイルも速くなったんだ。クルーは良い仕事してくれたよ」と本人もびっくりしていましたよ。
二回目のアタックで13番グリッドに収まったポール・トレイシー。来週走行する予算がなかったため、今日の予選で上位に入ることがとても重要でした。13番グリッドを確保してちょっと安心できたのか、予選後にチーム･オーナーで旧友のジミー・バッサーとピットで笑顔がこぼれていました。「予選のスピードが低かったのでちょっと悔しいね。ミッド･フィールドからスタートすることになったんだけど、500は普通のインディカー･レースより3倍も長いし、どのような展開になるか想像できないから楽しみだよ」と話していました。
昨日終了間際にバンプされてしまった武藤は、今日の予選に向けて午前中に練習走行するだろうと思っていたのですが、なぜか走らず。午後になって一度練習走行してから予選に望むんだろうなと思っていたのですが、ひととおり他の選手がアタックした後に、突如武藤も列に並びだし、練習走行なしにいきなりタイムアタックに挑んだのには驚きました。予選後に本人に訪ねたところ、「できるだけ新品タイヤを使いたくなかったのと、予選は悪くてももう一回はできると思ったので、一回目の予選アテンプトで判断しようと思いました」とのことでした。無理せず6列目16番目グリッドを確保したのでこれで一安心。予選タイムアタック後は、早速レース本番に向けてのセット･アップで練習走行をしていました。
今日はクラッシュの多い日になりました。その中でも一番ヒヤッとしたのは、予選中のプラクティスで、ジョン・アンドレッティがターン2でスピンし、クラッシュしたときでした。アンドレッティのマシンがクラッシュしたあと、緩やかに外側のウォールに向かって動いていたところに、グラハム・レイホールが。すぐにグラハムは左に逃げ、間一髪で避け切ったのですが、マシンは激しいブレーキングとともにコース上を滑り出し、なんとか壁に接触することなく止まりました。「実はハンドルから手を離してしまったから、壁にぶつからなかったのはただの幸運だよ」とレイホール。あわや大惨事となるような瞬間でした。2人とも無事で何よりです。
来週末にALMSのレースがユタで行われ、アキュラLMP1のハイクロフト･レーシングのドライバー、スコット･シャープは今日の予選でなんとしてもグリットを確保したいところでした。しかし一度目、二度目のアタックではスピードが足りず、もうだめかと思われたのですが、予選時間残り一分を切ったところで最後のアテンプトに挑戦すると、みごと20番手のスピードを記録することに成功しました。「飛行機のチャーター便を手配し、ユタとここを行ったり来たりしなければいけないんだろうなと考えていたよ。でも最後のアテンプトでひたすら祈ってドライブしていたら、クルマが今日の中で一番良い感じだったんだ」とほっとした様子。さすが大ベテランのシャープですね。
今日は朝から快晴となったインディアナポリスですが、午前のうちは昨日よりも気温が低く、日陰にいるととても肌寒く感じました。風はそれほど強くなかったものの、午後からは雲が上空を覆うときもありました。午後4時以降に太陽が再び顔を出すと、やっと気温が上昇。暖かい日差しのなか、午後6時にセカンドデーの終了を告げる号砲が放たれました。来週末のサード･デー、バンプデーではどのようなドラマが待っているのか楽しみですね。ロジャーもシートが見つかるよう、ぜひみなさんで応援してください。