<US-RACING>
インディアナポリス500、month of may前半のメイン・イベントである“ポール・デー”が開催されました。この日、1位から11位のグリッド・ポジションが確定し、見事トップに立ったのは脱税容疑で無罪となったばかりのペンスキーのエース、エリオ・カストロネベス。チーム・ペンスキーにとってインディ500ではなんと15回目のポール・ポジションです。授賞式まで行く途中、涙もろいカストロネベスはうれしさのあまり泣き出してしまいました。
ポール・ポジションを獲得したエリオは、通常のポール・ウィナー賞金の10倍である10万ドルを手にしました。明日、5月10日はエリオの誕生日で、一日早いですが、かなり大きなバースデー・プレゼントになりましたね。2位を獲得したライアン・ブリスコーは2万5千ドル、3位のダリオ・フランキッティは1万ドルを受賞しました。
エリオが再アタックするまでトップだったライアン・ブリスコー。午後5時から午後6時までのハッピー・アワーと呼ばれる時間帯に、ブリスコーも負けじと再アタックをしたのですが、エリオのスピードに及ばず、2位となりました。去年のインディ500はチップ・ガナッシのワンツー・スタートとなったのですが、今年は3年ぶりにペンスキーのワンツー・スタートです。去年、ブリスコーは予選3位のグリッドだったので、これで2年連続のフロント・ロー・スタートとなり、本人も大喜びですよ。
ブリスコーに次ぐ予選3位になったのは07年のインディ500ウィナー、ダリオ・フランキッティ。「ポール・ポジションになれなかったけど、フロント・ローのポジションを守れたのは良かったよ。このコースはやっぱり素晴らしい。走っていると思わず笑顔になってしまうね」と喜んでいました。2年ぶりのインディ500優勝を手にするためには、最大のライバル、ペンスキーの2台を倒さなくてはいけませんね。
期待のヤング・アメリカン、グラハム・レイホールは、1986年に父のボビーが優勝したときと同じ4位のグリッド・ポジションを獲得。「最初のアタックで6位だったけど、まだいけそうだと思ったんだ」と語るレイホールは、再びアタックに出てみごと2ポジション・アップとなったのです。今シーズン第3戦カンザスのポール・ポジションを獲得し、再びオーバルでの実力を発揮したレイホールとニューマン・ハース・ラニガン・レーシング。さすが名門チームですね。
最初のスピードに満足できず、ポール・ポジションを狙うために再アタックしたスコット・ディクソン。昨年のポール・シッターはスピード・アップに成功したものの、再アタックしたレイホールのスピードに及ばず、5位となりました。「クルマは安定していたけど、スピードが足りなかったのでちょっと悔しい」とがっかりしていました。今回ダリオとディクソンは、スペシャル・ヘルメットでポール・デーに挑んでいました。このヘルメットは、難病を抱えている子供たちやその家族の宿泊施設を提供する基金“ターゲット・ハウス”の10周年を記念するものだそうです。
自身のプライマリーカーではスピードが伸びず、武藤がカンザスで使ったボディを使い最初のタイム・アタックに挑んだカナーンでしたが、車検で重量が足りなかったことが分かり、記録が取り消されてしまいました。残り1時間のところで、再度タイムアタックしたカナーンはみごと予選6位を獲得しました。「インディ500だから難しいのは当然だよ。最後まで集中していた。今回の結果は悔しくはないけど、うれしくもないんだよね」と複雑な気持ちのカナーン。8回目のインディに挑むベテランは、なんと8年連続のトップ6圏内のスタートです。
再アタックでルーキーのラファエル・マトスをバンプし、平均スピード222.581マイルで11番手となった武藤英紀。しかし終了間際、アレックス・ロイドにわずか0.041マイル差で今度は自分がバンプアウトされてしまいました。昨日のインタビューで武藤本人も「11位前後になるのでは?」と予測していたのですが、残念ながらぎりぎりのところで11位以内を逃してしまいました。今日の結果からも分かるように、明日の12位から22位が決まるセカンド・デーでは、無理な走行をしなくても十分、上位に入れるでしょう。
ポールデイ最後のグリット、予選11位を獲得したアレックス・ロイドは、ここぞとばかりに自身のスポンサーとなる女性向けエナージー・ドリンク“her”を飲みながらTVインタビューを受けていました。走行終盤に武藤選手をバンプし、なんとか最後の11番目のグリットを確保できたのもherのおかげでしょうか? ロイドは今回のマシンカラーのイメージが強く、アメリカの各メディアの間で、下着もショッキング・ピンクなんじゃないのだという噂が広まっています。でもチーム・ウェアに関しては女性ファンの間で人気が集まっており、売り切れ状態だそうです。
今週末、このインディアナポリス・モーター・スピードウェイに、スーパー・アグリの元F1ドライバー、佐藤琢磨が来ていました。F1ではインディ・グランプリに過去2回参戦し、2004年には3位表彰台に立った思い出の地ではありますが、インディ500の開催期間に来たのは初めてだそうです。各メディアによるとインディカー・シリーズの参戦に興味を示しているようで、その動向が注目されています。インディカーの公式リリースにまで本人のコメントが出ていました。「素晴らしいですね。このイベントの重要性を実感しましたよ」と語っています。
今日は、午前のプラクティスから晴れ間が広がり出したインディアナポリスでしたが、午前中は肌寒く、日向にいても薄手の上着が必要なほどでした。予選スタート時は太陽が出ていたものの、徐々に上空を厚い雲が覆い出しました。風も強く、一日を通して気温の低いポールデーでしたね。明日は現地時間の午後12時より、12位から22位を決めるセカンド・デイが開催されます。武藤選手の活躍に期待しましょう!