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インディカー・シリーズ 第13戦 エドモントン【初日】フォト&レポート

<US-RACING>

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インディ・カー初上陸となったカナダ・エドモントン。昨年までチャンプ・カーが開催されていただけに、コースを知り尽くしたチャンプ・カー勢の中でウィル・パワーが初日のトップ・タイムを記録した。2007年のエドモントンではポール・ポジションを獲るなど、コースとの相性が良いパワーは、1回目のプラクティスで1分3秒2103の3番手。2時間後に行われた2回目のプラクティスでは1分2秒3404までタイムを縮め、チャンプ・カー最後のロング・ビーチを制したパワーはインディ・カー勢を相手に堂々のトップで初日を終えた。「今日はインディ・カーのセットアップに一日を費やしたよ。チャンプ・カーとはかなり違うからね。チームは素晴らしい仕事をし、適切なセットアップのおかげでトップになれたんだ。明日の予選でもトップになったら最高だね」と意気込むパワー。この勢いでシリーズをまたいだエドモントンで2年連続ポール・ポジションとなるか?

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チャンプ・カー勢は勝手知ったる庭のエドモントンで初日から大暴れ。2位にはウィル・パワーのチームメイト、オリオール・セルビアが入り、KVレーシング・テクノロジーがワンツーを独占した。5位にジャスティン・ウイルソン、8位ポール・トレイシー、9位グラハム・レイホール、10位ブルーノ・ジュンケイラと今日はトップ10に合計6人が入っている。いつもとは逆で今回はコースを知っているだけに陣営の表情も明るく、今シーズンの苦戦をいっきに吹き飛ばすような結果だった。「ほんとうに嬉しいよ。ミド-オハイオではもっと競争力があると思っていたけど、初日は19位と20位だったからね。ここは僕達が知っているコースだし、チームがタイム・チャートのトップになれるのは気分がいいよ」と2位のセルビアも大喜び。明日の予選でチャンプ・カー勢がどれだけトップ10に食い込むか注目したい。

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インディ・カー勢はエリオ・カストロネベスの3位が最高位だった。現在のシャシーはすでに5年も使い込まれ、マシンの隅々まで熟知しているインディ・カー勢だが、このエドモントンの空港仮設コースでは苦戦気味。唯一ペンスキーだけがチャンプ・カー勢と互角に渡り合い、1回目のプラクティスでワンツーを獲得する。しかし2回目のプラクティスではKVレーシングのタイム・アップについていけず、カストロネベスが3位、ブリスコーの4位が精一杯だった。「このコースは信じられないね、かなりトリッキーでテクニカルだよ。ライン取りが難しく、僕らはまだラインを学んでいる途中だ。今日の僕らの目標は、このマシンで何ができるかを見つけることだった。明日はどこが限界なのか試してみたいね」とカストロネベス。チャンプ・カー勢とインディ・カー勢のガチンコ対決は、初日からヒート・アップしている。

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カナダの暴れん坊、ポール・トレイシーが帰ってきた。フォーサイス・レーシングのインディ・カー参戦断念を受け、チャンプ・カーのフィナーレとなった今年のロング・ビーチ以来、オープン・ホイール・レースから離れていたトレイシー。これまで参戦の道を探りつつ、一時はNASCARクラフツマン・トラック・シリーズへの転向も考えたが、ようやく地元カナダのエドモントンでヴィジョン・レーシングからのスポット参戦が実現した。念願のインディ・カー参戦を果たしたトレイシーは、待ちきれないとでも言うように第1セッション開始とともに勢いよくコースへ飛び出していき、タイヤをスライドさせるなど彼らしいアグレッシブな走りを地元観衆の前で披露する。セッションが終わるとすかさずチームメイトのA.J.フォイト4世とマシンのフィーリングについて話し合うなど、今年40歳になるトレイシーのレースに対する貪欲さはまだまだ失われていない。セッション中は勢い余ってスピンする場面もあったが、初参戦にもかかわらず初日を8位という好結果で終えた。やはりトレイシーにはオープン・ホイールが一番似合っている。「みんなの期待どおりに走れたと思うね。チームは素晴らしい仕事をしてくれている。彼らはわずか2