INDY CAR

武藤英紀、自己ベストを更新する予選3位

<Formula Dream Indy>

<2008 IRLインディカー・シリーズ第11戦ナッシュビルFirestone Indy 200>
【日 程】2008年7月11〜12日
【開催地】テネシー州グレイドビル
【コース】ナッシュビル・スーパースピードウェイ
【距 離】オーバルコース:1.33マイル(2.140km)
【天 候】11日:快晴/気温30〜32℃
【時 間】午後5時30分〜(日本時間12日午前7時30分〜)

■■■7月11日予選■■■
<6連戦もいよいよ後半戦に>
 2008年のIRLインディカー・シリーズはシーズン中盤を迎えている。アイオワ州デモイン郊外で行われた第8戦のレースから休みなしの6連戦というスケジュールで、ドライバーはもちろん、チームクルーたちも集中力を高く保ち続けることが大きなテーマとなっている。
 シリーズ第11戦、6連戦の4戦目はテネシー州ナッシュビルでのファイアストン・インディ200。IRLインディカー・シリーズにタイヤを単独供給しているブリヂストン/ファイアストンの本拠地でのレースである。
 ナッシュビル・スーパースピードウェイはシリーズ唯一のコンクリート舗装という特徴を持つコースだ。路面のグリップが高いため、コースは全長1.33マイルと短いものの、スーパースピードウェイを名乗るに十分な高速での戦いがここでは毎年繰り広げられている。

<5番手タイムの好発進>
 武藤英紀は最初のプラクティスで58周を走り、23秒0156=平均時速203.340mph(約327.244km/h)で5番手につけた。トップタイムを記録したドライバーとの差もわずかに0.1445秒だった。チームが今回のレースに向けて準備したマシンセッティングが正しかったからこそ、最初の走行から高い戦闘力を発揮できたのだ。プラクティス開始から決勝まで2日間しかない2デイイベントの場合、スタート時のセッティングレベルが非常に大きな意味を持っている。

<蒸し暑さの中でのプラクティス2回目>
 今日のナッシュビルは、午前10時15分の走行時から気温は30℃に達していた。午後になるとさらに気温は上昇。照りつける太陽によってコースの路面温度と路面を覆う空気の温度も高まり、マシンのハンドリングはアンダーステア傾向を強めた。この午後1時45分からのセッションで武藤は走行時間終了間際に23秒2112をマークし、16番手にランクされた。プラクティス1回目よりタイムが劣っているのは、気温をはじめとするコンディションの悪化が主な原因で、それに対するセッティングの調整が考えていたとおりに進まなかったのだ。

<予選のアタック順は15番目>
 今回の武藤は24台出場中の15番目というアタック順を引いていた。予選が始まった午後5時半を過ぎてもなお30℃以上の暑さが続いていたが、アタック中に雲がコースを覆うようになり、若干気温を下げる効果を果たしていた。
 武藤はウォームアップラップでスピードの上げ具合に細心の注意を払い、タイヤの温度上昇を最適にすることを心がけた。それが狙いどおりにうまくいったのは、アタック1周目に23秒0600という好タイムをマークできた点から明らかだった。武藤が朝のプラクティスで出した自己ベストに近いラップとなった。

<シビアなハンドリングのマシンをコントロール>
 計測2周目は1周目よりわずかに速い23秒0203。そして、3周目には自己ベストを破り、ついに22秒台に突入する22秒9932をマークした。最終ラップでも武藤は22秒台に入れ、1分32秒0735のトータルタイムで予選3位を手に入れたのだった。オーバーステアのハンドリングでスピンするギリギリのところを保つ。リスクは大きいが、こうした走りが予選でも決勝でも速さに繋がるのだ。武藤がアタックした時、上空には雲が出ていた。これも明らかにプラスに作用していた。

<キャリアベストの3番グリッド>
 武藤の後にも9人のドライバーがアタック。しかし、その中で最速だったドライバーは4番グリッドを獲得するにとどまり、武藤の明日のスターティンググリッドは3番手に決定した。2列目イン側という好位置からスタートする権利を手にしたのだ。
 3位は武藤にとってキャリアベストとなる予選結果である。これまでのベストは、第7戦テキサスでの4位だった。武藤の予選トップ5入りはこれで2回目。トップ10入りは7回目だ。

<安定してきたオーバルでの速さ>
 08年シーズンは中盤を迎えているが、武藤は今回を含む最近のオーバル4戦での予選で4位、7位、7位、3位とすべてトップ10圏内に食い込んでいる。非常に安定したパフォーマンスを見せてきていると言っていいだろう。アイオワでキャリアベストの2位フィニッシュを達成していることが示すように、今、武藤はオーバルでの戦闘力を身につけているのだ。明日は2列目からのスタート。序盤からトップグループでの戦いを続け、最後までそのポジションで走り続けることを目指す。

■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「明日の決勝では良いスタートが切れると思う」

「アウトラップから全開でいけました。リヤが滑る攻めたセッティングになっていましたが、クルマはすごく良かったと思います。思い切ったセッティングに振っていたので、うまくいった時には上位に食い込めるだろうが15〜16位に沈むかも、と走る前から自分では考えていました。3位という数字が良いかどうかは自分ではわからないですが、レースではスタートからきれいな空気に当たることができるポジションなので、良いスタートが切れると思います。何とかうまくダニカ・パトリックを抜いて前に出たいですね。
 今回の予選でのマシンはハンドルをほとんど切ることができないぐらいのセッティングで、スピンしろと言われれば、いつでもできるほどでした。ギリギリのところを保ってのドライビングになっていました。悔やまれるのは、最終ラップでロールバーをフロント寄りに振ったのですが、それをもう少し早めにやっていたら……というところです。あと1周でも前にそうしていたら、もう
少し良いタイムが出せていたかもしれません」

<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「ヒデキのドライビングの進歩が今日の成績をもたらした」

「予選3位は納得のいく結果だ。アタックのタイミングで雲が出てくれたのは大きな助けになっていた。もちろん、我々のマシンセッティング、ヒデキのドライビングのレベルが十分な戦闘力を持っていたことが今日の成績に繋がったと思う。今回は4人のチームメイトの中で最後のアタッカーであったこともプラスに働いていた。先に走ったドライバーたちからの情報を得ることができたからだ。
 ヒデキはルーキーなので、シーズン序盤の予選ではチームメイトたちほどダウンフォースをトリムアウトしたマシンにはしていなかった。しかし、レースを重ねる中でヒデキは着実に、計画していたとおりの進歩を遂げてきたので、今の彼はチームメイトたちと同じレベルのセッティングで予選に臨めるようになっている。今回のマシンは、今までで最も攻めたセッティングになっており、ヒデキはギリギリのところを保ってのドライビングができていた。
 明日のレースでヒデキは強豪たちに囲まれてスタートする。速いドライバーたちに一歩も引けを取らないスタートでの加速、混戦での戦いぶりが求められる厳しいレースになる。しかし、前に多くのマシンがいない状況ではタービュランスも少ない。最後までトップグループで戦うことは十分可能なはずだ」

■■■予選結果■■■
1.33マイル(2.140km)×4周=5.32マイル(8.560km)     出走24台

順位 No.  ドライバー     タイム     平均速度mph(km/h)

1位  3  H.カストロネベス  1’31.5320    204.519(329.141)
2位  7  D.パトリック    1’32.0649    203.335(327.235)
3位 27  武藤英紀      1’32.0735    203.316(327.205)
4位 17  R.ハンター・レイ  1’32.0778    203.306(327.189)
5位  9  S.ディクソン    1’32.1111    203.233(327.055)

※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン