INDY CAR

雨上がりの予選で7番グリッドを獲得

<Formula Dream Indy>
<2008 IRLインディカー・シリーズ第9戦リッチモンドSUNTRUST INDY CHALLENGE>
【日 程】2008年6月26〜28日
【開催地】バージニア州リッチモンド
【コース】リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ
【距 離】オーバルコース:0.75マイル(1.207km)
【天 候】27日:快晴/気温28〜34.5℃
【時 間】午後7時30分〜(日本時間28日午前8時30分〜)

■■■6月27日予選■■■
<2戦連続のショートトラック>
 IRLインディカー・シリーズ第9戦の舞台は、バージニア州リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ。先週のアイオワ・スピードウェイに続き、2戦連続で全長1マイル以下のショートトラックでのレースとなる。
 今回は木曜日にルーキーとリカバリー組のテストが行われていたが、先日プライベートテストでここを走っている武藤は参加を見合わせ、金曜日に備えた。
 その金曜日のプラクティスは、正午〜1時45分、3時15分〜4時の2回。1日を通して湿度が非常に高く、気温は35℃近く、路面温度は55℃を超えるなど蒸し暑い中でのセッションとなった。2回目のプラクティスは2グループに分かれ、1時間ずつ走行する予定だったが、雨雲が近づいているとの予報から1グループにまとめられ、走行時間は45分に短縮された。
<リッチモンドではスロースタート>
 武藤はプラクティス1回目に16秒4045のベストを記録。これはエントリー26台中9番手で、トップは16秒2003と武藤より約0.2秒速い。武藤の最速タイムはセッション終了近くにニュータイヤを装着して出されたものだったが、武藤はアイオワでのようにスタートダッシュを決めることができなかった。最初のプラクティスの序盤に異物でタイヤをカットするという不運に見舞われたのが原因で、走行初日に与えられるタイヤは3セットに限られているため、これで大きな不利を背負うことになってしまったのだ。
<天気の読み違い>
 2セット目のタイヤを履いての走行では、武藤はトラフィックに引っ掛かり、本来より遅いペースでラップを重ねることとなった。80周以上を走ったドライバーもいたが、武藤は周回数を44周と少なめにしていた。2、3セット目をプラクティス2回目向けに温存していたからだ。
 ところが、そのプラクティス2回目は雨雲の接近で時間短縮。30分が経過した時点で雨によって終了となってしまった。武藤は29周を走ったが、ベストは17秒0039とプラクティス1回目より遅く、23番手にとどまった。
<未知数の路面コンディション>
 予選開始時刻の4時間前に通り雨があったことで、路面に擦り付けられていたインディカーのタイヤラバーは流されてしまった。日が傾いてからの走行のため、気温、路面温度といったコンディションもプラクティスとは大きく異なる。各チームのエンジニアリング能力が試されるところだ。
 武藤は18番目にコースイン。4周のアタックは1周目が16秒3236。2周目に16秒1549へと縮め、3周目はほぼ同じ16秒1679。しかし、最終周は16秒2116へとダウン。安定していたが、あと一歩スピードを伸ばし切れず、7位となった。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「7位という結果は悔しい」
「先に走ったチームメイトから『リヤが滑る』という情報が入っていたので、アタック前にフロントウイングを変更したのですが、それをしない方がバランスは良かったかな、というのが正直なところだと思います。アンダーステアになっていて、4周目はアクセルを戻す量も多くなってしまっていました。
 予選7位という結果に対しては、チームは全員悔しく思っています。開幕直後ならまずまずという評価でしょうが、いまは悔しいのですから、チーム全体の力、ポジションが上昇してきているのだと思います。アイオワのレースの前にリッチモンドでテストをしていたので、レース用セッティングについてもデータはあり、良いベースラインを作ることができています」
<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「結果以上に実際のマシンは良く仕上がっている」
「予選7位は決して悪くない結果。ヒデキがドライビングで素晴らしい力を発揮したからこそ得られたグリッドだ。今日は先に走ったチームメイトのダニカ・パトリックから『オーバーステアが大きい』という情報が入り、僕らはフロントウイングをハーフターンだけ寝かせた。しかし、結果的にそのセッティング変更が失敗だった。
 今回の僕らは2回のプラクティスでポールポジションを獲得できるレベルにまで仕上げることはできなかったが、7位という結果以上にマシンは良く仕上がっている。セッティングが良いままであれば、4位以内に食い込むことはできていただろう。決勝用のマシンについては、オーバーステアが出ないように注意することが必要だ。アンダーステアが強すぎてもレースは苦しくなるが、ショートオーバルではオーバーステアだと絶対に戦えない。でも、僕らは事前のテストで適度なアンダーステアのセッティングを得ている」
■■■予選結果■■■
0.75マイル(1.207km)×4周=3マイル(4.827km)      出走24台
順位 No.  ドライバー    タイム    平均速度mph(km/h)
1位 11  T.カナーン    1’04.3333   167.876(270.170)
2位 26  M.アンドレッティ 1’04.3642   167.795(270.040)
3位 06  G.レイホール   1’04.5740   167.250(269.163)
4位  9  S.ディクソン   1’04.6242   167.120(268.954)
5位 15  B.ライス     1’04.7467   166.804(268.445)
7位 27  武藤英紀     1’04.8580   166.518(267.985)
※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン