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HH Gregg、バディ・ライスと共にインディ500出場

<Speed of Japan>
6年連続のインディ500出場を惜しくも逃したロジャー安川。決勝までインディアナポリスに残った安川は、決勝出場を果たせなかったにも関わらず、サーキットやスポンサー主催のイベントに参加した。
安川を見つけた多くのファンが、安川に「バンプデーは凄く興奮したよ!残念な結果だったけれど、来年も戻って来て!」と励ました。何年間ぶりに本格的なバンピングが行われた今年のバンプデー。この日、生中継で全米に放送されたバンピングの模様は視聴率で前年度比50%増しを記録。ポールポジションを決めたポールデーよりも高い視聴率を得ていた。そして、その主人公の一人となった安川は、皮肉にも最初から最後までテレビに映り、今までにない露出を全米でしたのだった。
安川にとって、予選落ちしたことで一番気がかりになっていたのは、スポンサーである大型家電量販店チェーンのHH Greggの反応。バンプデーの翌日、インディアナポリスにあるHH Gregg本社に報告とお詫びに訪れた安川は、予想していなかった対応を受けた。
「良く頑張ってくれた!予選落ちしたのは残念だったけれど、テレビにあんなにうちのロゴが映って、期待以上の露出ができた」とHH Greggの社員たちがロジャーを暖かく迎えてくれた。元々まったくレースに興味のなかったHH Greggがスポンサーになるまでの交渉をした安川は、彼らの初レースで予選を通過できなく、怒られるのを覚悟で本社を訪れていたのだった。
そして翌日、安川とHH Greggに朗報が飛び込んだ。安川が2005年のフル・シーズン、そして昨年のインディ500で参戦したドレイヤー&レインボールド・レーシングのオーナー、デニス・レインボールド氏から2004年インディ500チャンピオンのバディ・ライスのマシンにHH Greggのロゴを無償で貼ると連絡が入った。バンプアウトしたスポンサーに予選を通過したチームが営業をかけるのは普通の事だが、無償で貼るというオファーは普段は考えられない。
今でも安川の事をチームの一員と思ってくれている、レインボールド氏の暖かい気持ちだった。安川はそのことをHH Greggにも報告。ドレイヤー&レインボールド・レーシングは決勝日にもHH Greggの関係者をガレージなどに迎え入れることまでもしてくれた。
安川はこのまま自宅があるロサンゼルスに戻り、来季のインディ500出場に向けた活動を始める。
ロジャー安川
「デニス(レインボールド)には本当に感謝しています。バンプアウトされた後に他のチームからスポンサーを引き受けるという連絡をいくつか貰いましたが、無償でいいと言ってくれたのはデニスだけでした。スポンサーのHH Greggもすごく喜んでくれました。今回はやはり悔しいですが、すでにマネージメントとも来年のインディ500出場に向けたプランニングを始めました。来年は万全の体制で挑戦したいと思っています」
デニス・レインボールド
「ロジャー(安川)はどこで走っていても、ぼくにとってはチームメイトであり、そして大切な友人の一人です。そのロジャーがバンプアウトされた時はがっかりしたよ。ずっとモーターホームで応援していたんだ。今回の件は、友人として当然だと思っている。バディ(ライス)も快諾してくれたし、少しでも協力できてよかった」