<FORMULA DREAM INDY>
<2008 IRLインディカー・シリーズ 第2戦セント・ピーターズバーグ Hondaインディ・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ>
【日 程】2008年4月4日〜4月6日
【開催地】アメリカ・フロリダ州
【コース】セント・ピーターズバーグ市街地特設コース
【距 離】1.81マイル(2.912km/特設ストリートコース)
■■■4月6日 決勝■■■
【天 候】雨のちくもり(25℃)
【時 間】午後2時45分〜(日本時間6日午前3時45分〜)
<今シーズン初のストリートレース>
シリーズ第2戦Hondaインディ・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグは今シーズン初めてのロードレース、そして同時に今年初めてのストリートレースでもある。ダウンタウンのサーキットには朝から大勢のファンが詰めかけ、開催4年目を迎えたHondaグランプリがセント・ピーターズバーグに定着してきていることが感じられた。走行セッションの合間にはパドックでロックコンサートなども開かれ、サーキットはストリートレースにふさわしい華やかさに包まれた。
<スタート直前の雨>
ところが、グランドスタンドがファンで埋まり、総勢26台のインディカー・マシンによるストリートバトルが始まろうというまさにその時、何とか持ちこたえていた空から雨が落ちてきた。雨脚は強くなり、コースは完全なウエットコンディションに変わった。この時点で出場マシンはすでにグリッドについており、大きなセッティング変更は不可能。これにより、最初の10周をペースカー先導のままスタート。100周のレースは10周目にグリーンフラッグに変わった。
<ウエットコンディションで苦戦>
出場26台の中団の14番グリッドからスタートした武藤は、前を行くマシンの跳ね上げる水しぶきによって視界を遮られながらも、アクシデントに巻き込まれることなく周回を重ねていった。ただ、ドライコンディション用に車高を低くセットしていたために、ウエットではマシンの底面が水の上に乗ってしまう状態になり、ポジションを落とす序盤を余儀なくされた。
<乾いていく路面、タイヤ交換のタイミング>
スタートしてから雨はすぐに小降りになり、路面はどんどん乾いていく状況に変わった。ピットインのタイミングの判断が非常に難しい展開である。武藤がスリックタイヤに交換をしたのは、57周目から出された今日4回目のフルコースコーションの間だった。
<2時間ルールの適用>
1回目のピットストップ後には23位までポジションを下げた武藤だったが、タイヤ交換と燃料補給を終えてコースへと戻ると、スタート時と同じ14番手までポジションを挽回。路面はすでにドライコンディションに戻っており、ゴールまでの戦いはさらに激しくなると思われた。ただ、スタートからの9周がペースカーランとなった上に、アクシデントが多発したことで、レースが後半に入ると、「2時間を超えて新しい周回に入らない」というルールの適用が確実となり、これにより、100周の予定だったレースは83周でゴールを迎えることになった。そして、最後のリスタートは79周目に切られた。
<スリックで猛チャージ>
ドライとなってから武藤は、トップレベルのラップタイムを記録するようになった。荒れたレースを粘り強くクリーンに走り続け、9番手から最後のリスタートを切った武藤は、ゴールまでの4周の間にダン・ウェルドン、オリオール・セルビアという強豪をオーバーテイク。ライアン・ハンター・レイが燃料切れでピットに向かったことでさらにポジションを上げ、最終的に6位でチェッカーフラッグを受けた。
■■■コメント■■■
武藤英紀
「慌しくスタートしたが、6位フィニッシュはいい結果だと思う」
「レース直前に雨が降ったので、セッティングの変更などの話をしないままマシンに乗り込みました。朝のプラクティスで2番手のタイムを出し、レースに向けてはさらに攻めのセッティングを施しました。スタート後の雨の中では、チームの中で一番車高を低く設定していたこともあり、水に乗ってストレートも真っ直ぐに走れないような状態でした。タイヤ交換のタイミングなど作戦が大きなポイントになるレースで、どういう展開になるのか予測がしにくかったのですが、燃料セーブを意識して走っていました。開幕戦がリタイアだったので、今回フィニッシュできたことは大きいですし、6位という結果はポイントの面からも良かったです。いい勢いを持って日本に帰り、ブリヂストン インディジャパン300マイルではいいレースができると思います。頑張りますので、応援をよろしくお願いします」
レイ・ガスリン:レースエンジニア
「インディカー・ドライバーとして大きな進歩を遂げた」
「初めてのストリートレースで6位という結果は良いものと受け止めたい。スタート前に雨が降り、チームによって作戦が異なるレースになっていた。我々がタイヤをスリックに交換したタイミングはほぼ正しかったと思う。ヒデキはウエットで走るのが2年ぶり、しかもインディカーでは初めてだったので、レース序盤は厳しい戦いを強いられていた。しかし、ドライになってからの走りは非常に良く、最後のリスタートの後にダン・ウェルドンとオリオール・セルビアをパスした。今回のレースを戦ったことで、ヒデキはインディカー・ドライバーとして大きな進歩を遂げることができたはずだ」
■■■決勝結果■■■
1.81マイル(2.912km)×83周(2時間ルールにより83周で打ち切り)
=150.23マイル(241.696km) 出走26台
順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
1位 02 G.レイホール 2:00’43.5562 74.251(119.495)
2位 3 H.カストロネベス +3.5192 74.215(119.437)
3位 11 T.カナーン +5.5134 74.194(119.403)
4位 33 E.ビソ +8.8575 74.160(119.348)
5位 36 E.ベルノルディ +9.6360 74.152(119.336)
6位 27 武藤英紀 +10.0071 74.148(119.329)
※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン
■■■ポイントスタンディング■■■
順位 No. ドライバー ポイント ビハインド
1位 3 H.カストロネベス 72 リーダー
2位 9 S.ディクソン 62 -10
3位 11 T.カナーン 59 -13
4位 02 G.レイホール 53 -19
5位 26 M.アンドレッティ 53 -19
13位 27 武藤英紀 40 -32