INDY CAR

武藤英紀、初の合同テストで総合8番手を記録する好調な滑り出し

<ANDRETTI GREEN RACING>
2008 IRLインディカー・シリーズ 合同テスト・マイアミ
【日 程】2008年2月27日〜28日
【開催地】フロリダ州マイアミ
【コース】ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ
【距 離】1.5マイル(2.414km/オーバル)
【天 候】27日:曇り(12〜19℃)/28日:快晴(15〜20.5℃)

<多くの台数の中での走行を初めて経験>
 IPSインディ・プロシリーズで昨年フルシーズンを戦った武藤英紀は、今シーズンからアメリカ最高峰のオープンホイール・チャンピオンシップであるIRLインディカー・シリーズへとフル参戦する。
 三度のタイトル獲得経験を持つ名門チーム、アンドレッティ・グリーン・レーシング(AGR)からエントリーする武藤は、オフシーズンの間に行ったプライベートテストで着々とインディカーへの理解を深め、マシンを自分のものとしてきた。そして今回、2日間に渡り開催されたIRL主催による合同テストを迎えた。
 まず、テスト初日にIRLインディカー・シリーズとCCWSチャンプカー・ワールドシリーズの会見がサーキット内で開かれ、今シーズンから2シリーズがIRLインディカー・シリーズひとつへと収束することが発表された。これまでCCWSチャンプカー・ワールドシリーズに出場していたチーム及びドライバーたちの多くが開幕戦からIRLインディカー・シリーズへと参戦してくることになり、武藤はさらに熾烈さを増したチャンピオンシップでルーキーのシーズンを過ごすことになる。
<トップから0.0844秒差の総合8番手>
 今回のテストは、武藤が多くのライバル勢と同時にコースを走る初めての機会となったが、並みいる強豪たちを相手に2日間の総合で8番手に食い込む好パフォーマンスを披露。初シーズンを戦う準備がすでに整っていることをアピールした。
 まず、テスト初日の武藤は、ピットストップ、インラップとアウトラップのタイム短縮を目標とし、レース用のセッティングに重きを置いたプログラムをこなした。初日のベストは25秒2476(平均時速211.743mph)で、参加した16台の中で8番手につけた。
 2日目は、ラップタイムを25秒1463(平均時速212.596mph)まで縮め、6番手に浮上。2日間総合では8位となり、ルーキーが初めて参加する合同テストとしては決して悪くないものとなった。1カ月後に迫った実戦に向け、武藤は251周のラップをこなし、この2日間で大きな前進を遂げた。
<豊富なデータを収集して開幕戦に臨む>
 ホームステッドはマイアミの郊外にあり、フロリダ半島のほぼ最南端に位置するが、テスト中の気温は2日間とも例年を大きく下回った。3月末の開幕戦では、気温は今回と比べればいくぶん高くなる見込み。高速で走行するインディカーの場合、気温や路面の温度の変化に対してマシンが敏感に反応するため、今回のセッティングがぴったりマッチするとは考えにくい。しかし、武藤を含めて4台を2日間連続で走らせたAGRは豊富なデータを収集。開幕戦までにチームは今回得たデータを総合的に分析し、コンディションに合わせたセッティングを引き出せる体制を整えた。

■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「クルマがかなり仕上がり、いい感触をつかむことができた」
「走行初日は、レース用のマシンセッティングの向上と、ピットストップとピットへのインラップとアウトラップでのタイム短縮を目標にしていました。自分はまだチームメイトに比べてピットストップで劣っていると感じていたからです。このオフのテストでもずっとピットストップを練習し、良くなってきました。走行初日も最後は指定の位置に止まれないミスをしましたが、ピットストップの時間短縮はできました。インラップとアウトラップでもチームメイトたちよりも速いタイムを出すことを目標にして、実際にそれを達成できました。ただ今回はテストなので、レースでも同じようにピットストップできるかどうかは分かりません。そうできるように今後のテストでも練習を重ねていきます。
 2日目の課題もレースに向けてのクルマ作りでした。1日目に悪かった点を見直して臨んだ結果、クルマは走り始めから比較的乗りやすくなっていて、タイムアタックをしたわけではないですが、良い順位につけることができました。セッションが進むに連れて気温が下がり、マシンのバランスが崩れ始めましたが、それを修正し続け、最後にトラフィックを経験できた時、クルマがかなり仕上がってきている良い感触を得ることができていました。
 今回のテストでの反省点は、2日目の予選シミュレーションで思ったほどタイムが伸びなかったところです。また、コクピット内でのマシンセッティングを変更できるのですが、それがまだ自分は探りながらやっている状態なので、クルマの能力を信じて、的確にアジャストができるようにならなければいけません。最後にトライしたレース用のセッティングも、あと少しスピードがあった方がいいのかな、とも考えています。スピードとハンドリングをいかにうまくバランスさせるかを課題とします。
 開幕戦は自分にとっての本当のデビュー戦となりますから、のびのび戦いたいですね。ルーキーだからと小さくならず、一生懸命走ります。日本のファンのみなさんの期待が大きいことも感じていますので、それに応える力強い走りを開幕戦からできればと思います」
<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「テストのたびに進歩を遂げ、レースでもいいポジションで走れるだろう」
「今回はトラフィックの経験を積むことを重要テーマのひとつに掲げていた。2日間の終盤にそれを十分に経験でき、その走り、ラップタイムも納得のいくものとなっていた。ヒデキがテストを重ねるたびに進歩を遂げていることも我々は強く感じている。開幕戦のナイトレースと同じように、夜間のプラクティスを行うことができた。我々は十分にデータを集めることができたので、これから開幕戦にどのようなマシンを用意すべきなのかを検討する。ヒデキはこまでのテストによって戦闘準備をずいぶん整えることができている。もっとテストができればそれに越したことはないが、強力なチームメイトやマイケル・アンドレッティというレース経験豊富なチームオーナーの指導も受けているので、出場ドライバーたちの中でも決して悪くないポジションにつけることができていると感じている。
 まだ英語が100パーセントではないが、テスト2日目にマシンのフィーリングを伝える点で大きな進歩を見せてくれた。今後も彼とのコミュニケーションをさらに深めていく。彼の献身的な姿勢は素晴らしく、クルーたちもそういうドライバーを好むものだ。懸命に走るドライバーであれば、クルーたちは一段高い力を発揮してくれるもの。ヒデキの取り組み方ならそうした効果も期待できるだろう」