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IRLプライベート・テスト フェニックス【二日日】フォト&レポート

<US-RACING>

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フェニックス・インターナショナル・レースウエイは今日も朝から快晴となった。2日目を迎えたプライベート・テストは、初日に参加したレイホール・レターマンのライアン・ハンター-レイとAGRのダニカ・パトリックが、昨日のうちに引き上げたため、インディカーのテストを行ったのは武藤英紀だけ。AGRはパトリックの代わりにIPSのテストを行い、昨年チャンプ・カー・アトランティックのチャンピオンを獲ったラファエル・マトスが参加した。昨日同様蒸し暑く、今日の最高気温は26度まで上昇したが、体感温度はさらに高く感じる陽気だった。

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今日のテストは朝9時から午後5時まで行われ、武藤が走行を始めたのは9時30分。無塗装のサイドポットを装着し、10周ほど走行してはピットへ戻るということを繰り返した。この日見た目にも違ったのはエキゾーストパイプに消音マフラーを装着して走行していたこと。エンジニアによるとまだ試験段階ということだが、市街地レースなど騒音に配慮しなくてはいけないコースで効果を発揮するようだ。エンジン音はALMSのアキュラに近い、少しこもった低音になり、以前のエンジン音より好感が持てる。ところがこのマフラーを取り付けたことで、カウル内のスペースが狭くなってしまい、排熱処理がうまくいかないというトラブルも発生。ボディ・ワークの改修やセッティングの変更も含め、午前中2時間ほどの時間が空くこともあった。トラブルの修復が終わると武藤は午後から積極的に走りこみ、テスト終了の午後5時までに約110周を消化。タイムは昨日からコンマ2秒縮め、20秒61をマークした。チームの共同オーナーであるキム・グリーンも「英紀はセッティングに対するフィードバックもあり、とてもいい仕事をしているね。彼の性格も好感が持てるし、今までの日本人のドライバーの中でもとてもポテンシャルのあるドライバーだと思うよ。ルーキーだけど、これまで日本人ドライバーが出来なかった初優勝を取ることを願っているね」と武藤を評価している。次回はいよいよホームステッドでの合同テスト。IRLチームが一同に介するテストで、武藤がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。

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「これまでロング・オーバルでしか走ったことが無かったので、フェニックスはマシンの状態をつかむのに良いコースでした。ターン1-2がアンダーだと、ターン3-4はテール・オーバーになってしまって、ミルウォーキーとは全然違いますね。今日は足回りを重点的に試したかったんですが、予想以上にボディワークの部分に時間をとられて、チームがやりたかったプログラムをやる前に一日が終わってしまったという感じです。新人のメカニックもいて彼らのトレーニングという部分もあったので、時間がかかりました。午後からもっと走りたかったんですけど、午前中にロスした2時間が最後まで響いてしまい、どんどんダウンフォースを減らして走るというところまでは行きませんでした。ダウンフォースを減らして走るのは、テストの最後のメニューになっていたので、昨日から3分の2減らすぐらいで終わっちゃいました。危ない場面もありましたが、クラッシュすること無く終わることができましたね。最後に足回りを変えてコースインしたら、いきなりターン2でリアが出てしまって、ブレーキはフルロックでしたよ。結構怖かったです。それを見ていたチームからは『すぐに帰って来い』って言われちゃいました(笑)。マシンのことも分かってきたので、AGRはホームステッドが得意ではないといわれますが、悪いということは無いんじゃないかな。マシン以外のことでは、チームにも溶け込めていると思うし、だんだん自分の色が出せてきたと思います」

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昨年のアトランティック・チャンピオンシップを制したラファエル・マトス。チャンプ・カーへのステップ・アップと200万ドル(約2億1000万円)のスカラシップを投げ打って、IPSへ乗り込んできた。2年前にもIPSに4戦だけ参戦し、デビュー戦のセント・ピーターズバーグのダブルヘッダーを2連覇したマトスだが、オーバルコースは意外にも初体験。しかし、アトランティック王者だけあってライン取りもよく、安定した走行を見せていたのはさすがだ。ちなみにこのプロ・シリーズのチームに、昨年パンサー・レーシングで武藤のクルーチーフを務めていたブレア・チューバッカーが新たに加入していた。武藤をIPSシリーズ2位に導いたブレアと、アトランティック・チャンピオンのマトスというコンビならば、今シーズンのIPSチャンピオン獲得も夢ではないかもしれない。

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今回のテストで重点的に行われていた重量チェック。F1とは違い、これまでインディカーでドライバーが規定重量に含まれることはなかったが、ドライバーの体重差によってアドバンテージが発生することが疑問視されていた。そのため今シーズンから、IRLはインディカーの重量規定を変更。参戦するドライバー重量の平均値を割り出し、平均値を下回ったドライバーには10ポンド(約4.5kg)のウエイトが課せられ、逆に平均値を上回るドライバーは10ポンド軽量できるというウエイト・ハンディ制を採用した。これまで特に体重差アドバンテージの恩恵を受けてきた言われるダニカ・パトリックだが、このウエイト・ハンディを跳ね除けて、インディカー初優勝をつかむことが出来るだろうか。