<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRL インディカー・シリーズ プレシーズンテスト>
【日程】2月21日〜2月22日
【開催地】フロリダ州ホームステッド
【サーキット】ホームステッド・マイアミ・レースウェイ
【距離】オーバルコース:1.5マイル(2.414km)
■■■2月21日■■■
天候:快晴/気温:23℃
時間:午後4時00分〜午後10時00分(日本時間22日午前6時00分〜午前12時00分)
■■■2月22日■■■
天候:快晴/気温:26℃
時間:午後4時00分〜午後10時00分(日本時間23日午前6時00分〜午前12時00分)
<開幕戦にあわせたナイターでのテスト>
インディカー・シリーズの合同テストは今シーズン2回目。今回のコースは開幕戦の舞台となるホームステッド・マイアミ・スピードウェイである。今シーズンの開幕戦はナイトレースで開催されるため、テストは2日間とも夕方の4時から夜の10時までの走行時間が組まれていた。
ホームステッド・マイアミ・スピードウェイの照明施設は実に強力で、全長1.5マイルのコースは、昼間とほとんど変わらないほどの明るさに照らされる。コースを1周取り囲むコンクリートウォールが薄い水色にペイントされているため、アスファルトの路面がよりクッキリと浮かび上がって見える。そこをカラフルなインディカーが集団を作って疾走
する光景は、非常にエキサイティングなものだ。
今回が開幕前の最後のテストである上、開幕戦のサーキットそのものを使用することから、集まった9チーム、19人のドライバーたちは、先だってのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでの第1回合同テストに比べ、テンションが一段上がった状態で、それぞれが用意したテストプログラムにあたっていた。
<パンサーレーシングでの初オーバル>
松浦孝亮にとって、今回のテストはスーパーアグリ・パンサー・レーシングでの3回目。オーバルでは初のテストだった。パンサーのオーバル用セッティングとはどんなものなのか? 松浦は期待と不安を胸に走行をスタートした。
乗り始めのハンドリングはアンダーステアが強く、松浦の好みには合わなかった。しかし、松浦はエンジニアと話し合い、セッティングの変更を重ねることで次第に問題を解消していった。走行初日の終盤には、ハンドリングの問題は大幅に改善され、新しいセッティングをトライするところまで進んだ。
<セッティングを繰り返す中でつかんだチームワークの手ごたえ>
2日目のプログラムで松浦とスーパーアグリ・パンサー・レーシングは、マシンのセッティングをさらに向上させていくことになった。スプリングの変更を繰り返した後、ガレージにマシンを戻してサスペンションジオメトリーの変更までトライ。決勝用セッティングの向上を主な目的としながら、様々なトライを繰り返す中で、予選で効力を発揮すると思われるコンビネーションも発見することができた。2日間のテストを終え、松浦はスーパーアグリ・パンサー・レーシングに対する理解を深め、チームの側も松浦というドライバー、彼のスタイルをより一層学びとることができた。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「ベストラップは12番手だが、連続周回ではトップとの差はわずかだ」
「今回はパンサー・レーシングで初めてのオーバルテストでした。昨年走っていたチームのマシンと同じダラーラ・Hondaでもセッティングの考え方が違います。最初はアンダーステアが強かったのですが、それはしだいに解消されました。2日目にはスプリングから始めて、ジオメトリーも新しいものを試しました。あくまでもテストですから、細かなセッティング変更を詰めるだけではなく、大きく変えていくことも大事だと考えたからです。エンジニアとのコミュニケーションは、今回がロードコースでのテストを含めると3回目なので、かなり良くなっていると感じています。
今回の自分たちは、タイムのことは気にしていません。ホームステッド・マイアミ・ス ピードウェイのような高速オーバルでは、誰もがドラフティングを使って自己ベストラ ップを記録します。自分たちは今回12番手で、トップとの差は0.3秒ほどでしたが、セ ッティングで連続周回を行っているタイムで比べると0.1秒ぐらいの差しかありませんでした。まだ仕上がりは4割ほどで、これから開幕までに、データを検討し直して大き くマシンを向上させたいと思います」
<ロン・キャット:チームマネージャー>
「コウスケとのコミュニケーションを大幅に向上させることができた」
「コウスケとのテストは今回が3回目で、オーバルは初めてだった。エンジニアとドライバー、チームとドライバーのコミュニケーションをさらに深めることは非常に重要で、それが今回のテストでは大きなテーマとなっていた。そして、我々は目的を達成することができたと考えている。コウスケが我々のマシンに乗ってどういうフィーリングを持つのか、
セッティングを変更した時にどのようなフィードバックを、どのような言葉を使って行うのかを、2日間のテストでより深く理解することができた。ラップタイムについては、各ドライバーのベストだけを比較することに意味はないが、単独走行だったのか、ドラフティングを利用してのものだったのか、1周だけのタイムだったのか、コンスタントに記録されていたタイムなのかなどを見極めることで自分たちの置かれているポジションや、ライバルたちの力を測ることはできる。ピットストップの練習でもコウスケは新しい発見をした。シーズン開幕に向けて我々は大きく前進することができたと感じている」