<US-RACING>
テスト2日目、朝からどんよりとした雲がジョリエットの上空を覆うものの心配された雨は降ることなく、午前9時10分から武藤英紀のインディ・カー・テスト走行がスタートした。
インディ・カー・シリーズ最終戦の舞台となる1.5マイルのシカゴランド・スピードウエイで精力的に周回を重ねる武藤だが、午前10時45分にギアボックスのオイルシールが切れるトラブルが発生。マシンはガレージに戻され修復作業が行われた。
約1時間30分後となる12時15分、修理を終えたマシンに乗り込んだ武藤は再び走行を開始。数周走ってはピットに戻りセッティングを変更する作業を繰り返した。
気温も26度まで上昇し、順調に走行を続ける武藤だが、午後1時頃になると大粒の雨がぱらぱらと降りだし、一旦走行は中断となった。しかし、この雨は路面を濡らすほどの雨量ではなく、直ぐに止むと1時23分には走行が再開された。
その後、フロントウイングの翼端板、スプリングの変更やサイドミラーを現行の最新のものにするといった様々なセッティングを試すチームと武藤は、タイムを縮めるために周回を重ねた。
昨日同様、午後4時を過ぎてからはピットストップの練習を中心とした走行を繰り返し、午後4時30分ごろに2日目のテストを終えた。昨日より風が強くなったためと湿度が高かったことも影響し、マシンに対する抵抗も強くなってタイムが若干伸び悩んだ武藤のこの日のベストタイムは、計205周を走行して26秒01となった。
また、IRLのオフィシャルが見守る中、26秒台をコンスタントに記録した武藤は難なくルーキーテストに合格。インディ・カー・デビューに向けて充実した2日間のテストを終了することになった。
9月9日に行われるインディ・カー・シリーズ最終戦シカゴランドで、武藤英紀はスーパー・アグリ・パンサーレーシングのカーナンバー61のマシンをドライブし、インディ・カー・デビューを迎える。
<コメント>
「今日は細かいことに気づいたり、大きく変えたことにあまり気づかなかったりといったことがありましたね。エンジニアも気づいていないこともあって。例えばこれをやったら遅くなるだろうとか、これをしたら速くなるだろうといったことを試してもタイムはあまり変わらないんですね。遅くなれば逆に方向性が見つかるんですけど。いろいろ試しても残念ながらタイムはあまり変わらない状況です。翼端板を替えると多少はイン側のラインが走りやすくなったりします。スプリングを変更すると運転していて違いを感じられることもありますが、エアロを変更しても今日はあまり変わりませんでした。がんばって踏んでいけばタイムが出るということでもないので、ちょっと辛いですね。例えば、エンジニアが発想しないようなビックチェンジや、ありえない走行ラインを試すといったことをしないと、大きなタイムアップには繋がらないような気がします。今日もピットストップの練習をしましたが、そのときのタイムが速かったので、レースに向けてはそのような自分のできることでがんばっていきたいです」