INDY CAR

難しいレースを戦い抜き11位でフィニッシュ

<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ 第14戦メイジャー・インディ300>
【日 程】8月10日〜8月11日
【開催地】ケンタッキー州スパータ
【コース】ケンタッキー・スピードウェイ
【距 離】1.5マイル(2.414km)×200周=300マイル(482.803km)
■■■8月11日決勝■■■
【天 候】晴れ
【気 温】32〜33℃
【時 間】18時30分〜(日本時間12日7時30分〜)
<17番グリッドから200周のレースへ>
 予選でのマシンセッティングが完璧ではなく、松浦孝亮が手にしたグリッドは18台出走中の17番手だった。しかし、ルーキーイヤーに4位フィニッシュを達成しているケンタッキー・スピードウェイとあって、松浦には高速接近戦を戦い抜き、上位へと食い込んで行く期待と自信を胸に秘めて200周のレースへと臨んだ。
 1周目は予選順位と同じ17位で終えた松浦だったが、10周目までで15位にまでポジションを上げた。30周を過ぎてから2台によるアクシデントが発生。松浦の順位はさらにふたつ上がり、13位となった。
<ウイングの角度変更でスピードダウン>
 トップ10入りを伺うポジションに進出した松浦だったが、序盤からマシンのハンドリングはアンダーステアが強かったために、1回目のピットストップでフロントウイングを立てるセッティングに変更をすると、スピードが下がってしまった。トップグループの走行ペースは速く、フルコースコーションが少ないレースとなっていたためにレース距離の中間地点である100周を迎えるところで松浦は周回遅れに陥った。
<ショート・フューエリングで順位挽回を狙う>
 スーパーアグリ・パンサー・レーシングは、松浦の2回目のピットストップでは燃料の補給量を少なめにし、周回遅れからトップと同一周回へと戻ることを狙った。しかし、フルコースコーションがタイミング良く出されなかったため、この作戦が功を奏することはなかった。松浦は12位を保ち続け、チャンスが訪れるのを待っていた。
 決勝日のケンタッキー州スパータは好天に恵まれ、スタート時から気温は32℃と高くなっていた。ドライバーたちはコクピットの中で暑さと闘い、同時に、集中力を途切らせることなく超ハイスピードでの接近戦を戦っていた。
<ハイペースのまま迎えられたゴール>
 結局、このレースで出されたフルコースコーションは3回だけだった。レースも終盤となった181周目にダニカ・パトリックの単独クラッシュによってペースカーがコースインしたが、松浦にとってはとき既に遅く、残り10周で切られたリスタート以降にトップ10を狙ったバトルを戦うことはできない状況となっていた。松浦は11位でフィニッシュ。苦しいレースになったが、17位スタートから11位までポジションを上げることができた。
<ゴール直後にアクシデント>
 難しいレースを戦い抜いた松浦を待っていたのは、ゴール直後のハプニングだった。8位を走っていたダリオ・フランキッティがレース終了に気づかず、松浦のマシンに激しく追突してきたのだ。フランキッティのマシンはノーズを空に向けると宙へと舞い上がり、ターン1外側のコンクリートウォールにクラッシュした。リヤウイングやサスペンションにダメージを受けた松浦もウォールにヒット。幸いなことに、フランキッティも松浦もこのアクシデントで負傷することはなかったが、信じられないカタチで松浦の週末は終わった。

■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「スピードが不足していて、苦しいレースになってしまった」
「スタートから大きかったアンダーステアに対処するためにフロントウィングを立てたら、マシンのスピードが落ちてしまいました。フロントウイングは特にドラッグが大きいですからね。今日は作戦を使えるレース展開ではなかったので、走りが苦しい分を作戦で取り返す、という戦い方もできませんでした。レース終盤にはギャンブルを仕掛けることも可能でしたが、それでゲインできる可能性のあるポジションより、失う可能性のあるポジションの数が大きかったので、セオリー通りの戦い方をしました。今日の僕らはスピードが不足していて、オーバーテイクは本当に難しかった。苦しいレースになってしまいました。
 次はソノマでのロードレースです。もう今シーズンも残りレース数が3つとなってしまいますが、気持ちを切り替えてトップ5フィニッシュを目指します。ロードコースでの僕らのマシンは良いはずだし、新しいセッティングをトライする予定ですから、とても楽しみです」

<ロン・キャット:チームマネージャー>
「速いレース展開でギャップを埋めることが難しかった」
「コウスケはレースを通してハードな戦いを続けていた。厳しいレースになっていたが、ファイトし続けていた。我々のマシンはアンダーステアが出ており、トップグループは我々が想定していたよりも速いペースでのレースを展開していた。
 フルコースコーションがほとんどなく、作戦を活用して順位を上げるというのも難しかった。一度ショート・フューエリングをトライしたが、少しばかり給油時間が長過ぎ、狙った通りにトップと同一周回に戻ることは果たせなかった。
 次のインフィニオン・レースウェイでの第15戦では、トップグループでのバトルをするつもりだ。昨シーズンまでに蓄積してきているレベルの高いセッティングをマシンに施せば、コウスケはトップグループでも堂々とした戦いぶりを見せることができるはずだ」
■■■決勝結果■■■
1.5マイル(2.414km)×200周=300マイル  出走18台
順位 No.  ドライバー     周回数   タイム差
1位 11  T.カナーン     200  1:38’21.7078
2位  9  S.ディクソン    200    +1.7457
3位 22  AJ.フォイトIV    200    +2.1070
4位 26  M.アンドレッティ  200    +2.2998
5位  2  T.シェクター     200    +2.3660
11位 55  松浦孝亮      199    1周遅れ
※全車、シャシーはダラーラ、エンジンはHonda、タイヤはファイアストン
■■■ポイントスタンディング■■■
順位 No.  ドライバー    ポイント  ビハインド
1位 27  D.フランキッティ  518    リーダー
2位  9  S.ディクソン    510       -8
3位 11  T.カナーン     466      -52
4位 10  D.ウェルドン    388      -130
5位  6  S.ホーニッシュJr.  379      -139
16位 55  松浦孝亮      240      -278