INDY CAR

松浦孝亮、順調にポジションアップを続けるも不運なアクシデント

<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ第8戦 アイオワ・コーン・インディ250>
【日 程】6月23日〜6月24日
【開催地】アイオワ州ニュートン
【コース】アイオワ・スピードウェイ
【距 離】0.894マイル(1.438km)×250周=223.5マイル(359.612km)

■■■6月24日決勝■■■
天候:曇り/気温:21.7℃/時間:12時20分〜(日本時間25日2時20分〜)
<最大傾斜14度の高速ショートトラック>
 今回が初開催となるアイオワ・スピードウェイでの250マイルレースに、松浦孝亮は予選16位からスタートした。8分の7マイルというショートトラックでのレースにも関わらず、平均時速は180mph(289.62km/h)に達するハイスピードバトルとなった。最大14度の傾斜を持つバンクでは2台が並んだまま走り続けることも可能で、ホイールとホイールが触れ合わんばかりのスリリングなファイトが繰り広げられた。瞬間的には4台が並ぶシーンもあり、グランドスタンドを埋めた4万人を越す観客は大いに沸いた。
<トップグループと遜色なく、ペースは快調>
 1周目にしてダン・ウェルドンがトーマス・シェクターを巻き込むクラッシュを演じ、トニー・カナーンもスピンを喫してジェフ・シモンズを道連れにするアクシデントを起こす。タイトル獲得経験を持つドライバーたちであってもコントロールを乱すほど、凄まじいバトルとなっていた。松浦は、マシンが良いハンドリングになっていることをスタート直後に感じ取った。グリーンフラッグとともに14位へとポジションアップし、その後も危なげない走りで上位へと進出するチャンスを待っていた。
 1回目のピットストップを終えたところで松浦は12位までポジションを上げる。トップグループと変わらないペースを保って周回を重ねており、ピットストップでのセッティング変更を必要としないほどにマシンは安定していた。
<リスタートでの多重アクシデント>
 250周のレースが100周を迎えるところでリスタートが切られた。まだ戦いは中盤を迎えたところだったが、オーバーテイクが困難なレースとなっていたため、リスタートでのポジションアップを果たそうと、多くのドライバーたちがアグレッシブになっていた。この時の加速に鋭さを欠いたダニカ・パトリックに2台のマシンがアタック。両サイドから彼女を挟み、さらにその外側にもう1台のマシンが並びかけた。集団に飲み込まれたダニカはタービュランスによりコントロールを乱し、イン側を走っていたエド・カーペンターに接触。アウト側のAJ.フォイト4世がスピン。サム・ホーニッシュJr.とエリオ・カストロネベスまでをも巻き込む多重アクシデントとなった。
 ここで松浦は冷静にスローダウンし、アクシデントをうまくすり抜けたに見えた。ところが、ターン1へと差し掛かるところでコントロールを失ったカストロネベスのマシンが松浦にヒット。外側のSAFERバリアにリヤから激しく当たり、松浦はレースを終えることとなった。
<修理はかなわず、15位でレースを終える>
 トップ5フィニッシュも狙えるレースから一転、松浦はリタイアへと追い込まれた。アクシデントが多かった今日のレースでより多くのポイントを獲得するためにマシンを修理してコースに戻ることも検討された。しかし、リヤの左右サスペンション、リヤウイングなどアクシデントのダメージは各部にわたっており、短時間でのコース復帰は不可能との判断を下さざるを得ず、15位という結果になった。

■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「マシンの仕上がりは良く、トップ10以上の成績を確信していた」
「レースは順調に進んでおり、マシンの仕上がりも悪くはなかったので、我慢強いレースを続けていればトップ10は確実だろうと思いました。実際に、考えていたよりもかなり早い段階でトップ10入りができ、それ以上の成績が出せるという確信を持って走っていました。しかし、100周目のアクシデントに巻き込まれてしまったんです。トラブルを避けることができた、と思った次の瞬間にエリオ・カストロネベスがぶつかってきました。マシンはサスペンションをはじめとして多くの部分が壊れていたため、修復は不可能という判断となりました。
 来週のリッチモンドも同じショートトラックですから、きっとクルマは悪くないでしょう。今度こそ、自分たちの力を発揮してレースを戦いたいと思います」

<ロン・キャット:チームマネージャー>
「高いパフォーマンスを見せていただけに残念だ」
「非常に残念なアクシデントとなってしまった。コウスケはスタートから良いレースを戦い続けていた。序盤は、ダレン・マニングに引っ掛かっていたが、マシンのハンドリングは良くトップグループと同じペースを保つことができていた。予選ポジションよりもレースでのパフォーマンスに力を注ぐチームのポリシーによって、我々はレースで高いパフォーマンスを発揮することができたしまった。しかし、それを乗り越えてコウスケは9位にまでポジションを上げることに成功したんだ。レースの後半にはさらに上位へと進出することも期待できた。だから、アクシデントは本当に悔やまれる。 アイオワで競争力を発揮できたのだから、次のリッチモンドでも我々は目指すパフォーマンスを発揮することができるはずだ。来週も全力で戦う」

■■■決勝結果■■■
0.894マイル(1.438km)×250周=223.5マイル(359.612km) 出走19台
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順位 No. ドライバー    周回数   タイム差
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1位 27  D.フランキッティ  250   1:48’14.1344
2位 26  M.アンドレッティ  250   +0.0681
3位  8  S.シャープ     250   +1.0577
4位 15  B.ライス      250   +4.2426
5位 14  D.マニング     250   +5.2156
15位 55  松浦孝亮       99   アクシデント
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※全車、シャシーはダラーラ、エンジンはHonda、タイヤはファイアストン

■■■ポイントスタンディング■■■
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順位 No.  ドライバー    ポイント  ビハインド
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1位 27  D.フランキッティ  306    リーダー
2位 11  T.カナーン     255    -51
3位  9  S.ディクソン    254    -52
4位 10  D.ウェルドン    252    -54
5位  6  S.ホーニッシュJr.  242    -64
18位 55  松浦孝亮      120    -186
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