INDY CAR

8番グリッドからスタートの武藤、3位まで追い上げ2戦連続表彰台

<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IPS インディ・プロ・シリーズ第7戦インディアナポリス リバティ・チャレンジ>
【日程】6月15〜17日
【開催地】インディアナ州インディアナポリス
【コース】インディアナポリス・モーター・スピードウェイ/ロードコース
【距離】2.605マイル(4.192km)×18周

■■■6月17日決勝■■■
天候:晴れ/気温:26℃/時間:8時35分〜(日本時間17日21時35分〜)
<前日のクジ引きで8番グリッドからスタート>
 2007年IPSインディ・プロ・シリーズ第7戦は、前日に続いてF1アメリカGPのサポートレースとして、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースを使い同じく18周で決勝が行われた。今回のレースはF1決勝日最初のトラックアクティブティとして8時35分にスタート。気温は早朝のレースのため低く、トラックのコンディションは前日とは大きく異なっているようだった。第7戦のスターティンググリッドは、ユニークな方式で前日に確定している。前日の第6戦の優勝者が「0」「4」「6」「8」という数字の入ったクジを引き、その数字に応じてグリッドが決まるというもので、前日の優勝者である武藤英紀がレース後にクジ引きに臨み、「8」を引いていた。これにより、武藤は8番グリッドからのスタートとなっていた。また、前日のレース2位が7番、3位が6番グリッドとなり、8位のドライバーがポールポジションからスタートすることになっていた。
<序盤で4位まで浮上>
 レースはスケジュール通りにローリングスタートで始まった。8番グリッドからスタートの武藤は抜群の加速を見せ、1コーナーのブレーキングで前車をパスして7位にポジションアップ。その後、他車のアクシデントでフルコースコーションとなり、4周目にレースが再開されると、またもやターン1で1台を抜いて5位に。追撃は止まらず、翌周のヘアピンで4位まで浮上した。
<こう着状態でフラストレーションの溜まる展開に>
 この後、さらなる追い上げを狙いペースアップを試みるが、武藤の2台前のクルマのペースが明らかに遅く、トップとの差が周回ごとに広がっていった。さらに、武藤の前にはシリーズポイントリーダーのアレックス・ロイドがいるという隊列で、ポジションアップを図るには非常に難しい状況。武藤のクルマの状態も、前にクルマがいないクリーンな状況で走ることができた前日とは異なり、決してドライブしやすい状態ではなかった。そのため、コーナーのブレーキングで前車の後ろにはつけるものの、オーバーテイクまでには至らなかった。
<最終周のチャレンジが成功、ゴール直前で3位にアップ>
 このこう着状態が動いたのは13周目。前にいたロイドがようやくペースの遅い車をパス。武藤もこれに続こうとしたが、追いつけど抜けないという状況は変わらず。レースはそのままファイナルラップに入り、勝負どころの1コーナーへのブレーキングでも前に出られず、万事休すかと思われた。しかし、最後まで諦めなかった武藤は最終コーナーで前車のテールにつくと、スリップストリームを利用して一気に加速、フィニッシュライン直前でわずかに前に出てチェッカー。最後の最後で3位に浮上し、2日連続でポディウムフィニッシュとなった。フラストレーションの溜まる状況を乗り越えて3位を獲得し、インディアナポリスで本来の速さを結果に結び付けた武藤。次の第8戦リッチモンドで今度はオーバル初優勝を狙う。

■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「最後に思いっきりいって3位を獲得できてよかった」
「8番手スタートで厳しいレースになることは予想していました。もちろん、レース前は優勝しかないと思っていましたが、レースが始まってすぐに、トップに上がるのは難しいと思いました。ただ、1台でも多くパスできればと思って、最後まで諦めずにプッシュし続けた結果、最後に3位に上がれたので、よかったと思います。レース中は、前のクルマを抜こうとロックさせてしまい、タイヤを痛めたこともあって、前日に比べると乗りやすくはなかったです。思ったよりストレートスピードが伸びなかったので、1コーナーでなかなか抜くことができませんでした。最後のパッシングは少し無理してでもやってみようと、思いっきりいきました。最終コーナーの立ち上がりでスライドして危うかったですが、何とかうまくいきました。立ち上がったときはたぶん抜けると思いました。優勝したかったので悔しいですが、8番手スタートということを考えると、3位はいい結果だと思います。独走の後のレースでも表彰台に立ててよかったです」

<ブレア・チューバッカー:クルーチーフ>
「この難しい状況での3位フィニッシュは本当に素晴らしい結果だ」
「8番手スタートというのは確かにタフだった。クルマは前日ほど走りやすくはなっておらず、トラックもパッシングポイントが非常に限られていたため、順位を上げていくのは難しい状況だった。しかし、ヒデキは最後まで諦めなかった。それが最終的にポディウムフィニッシュに繋がったと思う。チームはこの結果に非常に満足しているし、ヒデキは前日同様素晴らしい仕事をしてくれた。常に前にクルマのいない前日と比べると、今日は明らかにクルマのコンディションは良くなかった。終盤になるとタイヤも厳しくなってきたので、なかなかパッシングできなかった。ヒデキの前にいる7台は全員とも間違いなくシリーズのトップドライバー。彼らを全員パスするのは難しいと分かっていたが、そういう状況でもヒデキは全力を尽くし、3位フィニッシュできた。素晴らしい結果だ」

■■■決勝結果■■■
2.605マイル(4.192km)×18周=46.89マイル(75.4km) 出走25台
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順位  No. ドライバー      周回数   タイム差
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1位   1  B.ウィルソン     18    28’40.917
2位   7  A.ロイド       18     +10.526
3位  55  武藤英紀       18     +13.147
4位  38  R.ジャスティス    18     +13.150
5位  11  J.カマラ       18     +13.613
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※シャシーは全車ダラーラ、タイヤは全車ファイアストン

■■■ポイントスタンディング■■■
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順位  No. ドライバー    ポイント   ビハインド
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1位   7  A.ロイド     340     リーダー
2位  55  武藤英紀     236     -104
3位   1  B.ウィルソン   207     -133
4位  11  J.カマラ     176     -164
5位   9  C.フェスタ    167     -173
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