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インディ・カー・シリーズ 第7戦 テキサス[予選日]フォト&レポート

<US-RACING>

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第7戦テキサスのポール・ポジションを獲得したのは、なんとレイホール・レターマン・レーシングのスコット・シャープ。今年39歳を迎えた大ベテランが周囲の度肝を抜くパフォーマンスを見せた。この日、最後から2番目に登場したシャープは、今週末の最速スピードとなる215.260mphという圧巻のトップ・スピードを記録。ペンスキー、チップ・ガナッシ、アンドレッティ・グリーンの3強を見事に退け、2001年のケンタッキー以来、実に6年ぶりのポールに輝いた。「パトロン・レイホール・レターマンのみんなは一生懸命やってくれたよ。僕たちはマシンについてかなり学習してきたんだ。そのために少しスピードが遅くなることもあったけど、今はその効果が現れているってことだよ。僕たちは成果を見せることができたんだ」と大喜びのシャープ。復活を遂げた1996年チャンピオンのシャープがどんな走りを見せるのか、明日の決勝は見逃せない。

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昨年のチャンピオンであるサム・ホーニッシュJr.は2位に入った。今日のプラクティスでトップ・タイムを記録したホーニッシュJr.は、好調をキープしたまま予選アタックを開始。それまで首位にいたフランキッティを、わずか0.1マイルかわしてトップへ躍り出た。ポール・ポジションはシャープに奪われたものの、ベスト・タイの2位グリッドを獲得した。「予想より良かったね。ポールを獲るほどの速さはなかったけど、ペンスキーのみんなを誇りに思うよ。ポールは獲れなかったけど、明日は勝ちたいね」と話すホーニッシュJr.。フロントローに並ぶシャープとのチャンピオン対決に注目が集まる。

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現在、ポイントランキング1位をひた走るダリオ・フランキッティは3位。この日13番目にアタックを行ったフランキッティは、今日の予選で初めて214マイルを超えたドライバーとなり、214.411mphのスピードでチームメイトのカナーンに代わってトップに立つ。今シーズン初めてのポールも期待されたが、後にアタックを行ったホーニッシュJr.とシャープにかわされてしまい、結局3位に留まることになった。「いつもより長いレースだから、ファンにとってはかなり面白いレースになると思うよ。予選とレースとでは全く状況が異なるから、その時々の状況に合ったマシンがあれば良いね」とレースの展望を語るフランキッティ。今シーズンのベスト・グリッド更新はならなかったが、インディ500を制したときと同じ3番グリッドから、今シーズン2勝目を狙う。

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昨日のプラクティスでトップ・スピードを記録したスコット・ディクソン。今日も好調を維持して予選に臨みたいところだったが、プラクティス中にマシン・トラブルからクラッシュを演じてしまう。ターン2のSAFERバリアに激突したマシンは深刻なダメージを受け、禁煙促進錠剤メーカーであるコミットの特別カラーも台無しとなり、予選はTカーでのアタックを余儀なくされた。急ごしらえのマシンでも7位に入ったのは、さすが2003年のチャンピオンといえるが、チームメイトのウエルドンは10位に沈み、インディ500以来チップ・ガナッシは精彩を欠いているように見える。

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昨日はトラブルに見舞われ、苦しい戦いを強いられた松浦孝亮。今日のプラクティスでは積極的にマシンの変更を重ねて56周を走りこみ、13位につける。迎えた予選は2番目という厳しい位置からのアタックとなったが、210マイルを超える210.731mphのスピードを記録。15位に踏みとどまって予選を終えた。「単独で24秒8を切れば良いかなと思っていたんですけど、24秒86だったので、もう少し行きたかったですね。ロングランはどこまで仕上がっているかわからないですが、今のところタイヤのライフに問題はないです。今年の流れからすると、クラッシュが少ないレースになる感じがするので、とにかく前についていかないといけない。集団から離れてしまうと遅れてしまうから、がんばってついていきたいと思います」と話す松浦。後方からの追い上げに期待しよう。

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パンサー・レーシングはこのレースからミラーの仕様を変更してきた。カーボン地がむき出しの真新しいこのミラーは、空気抵抗の低減を狙ったもの。特にテキサス対策というわけでなく、ペンスキー、ガナッシ、AGRといったトップチームはインディ500が始まった週から投入していたため、松浦はインディ500のときにもあればよかったと語っている。このパーツがどこまで速さに反映されているのかはわからないが、パンサー・レーシングのポテンシャル・アップに繋がることを願う。

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今シーズン3回目のインディカー出場となるミルカ・デュノ。昨日のプラクティスでクラッシュを喫し、これまで出場した3戦のいずれもどこかのセッションでクラッシュしている場面が見られ、インディカーのドライビングに苦労しているようだ。今日の予選も210マイルに及ばない207.626mphに留まり、最下位。グランダムで華々しい活躍したスターの復活が待たれる。

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ジョン・ハーブがインディ500以来、今シーズン2回目のインディカー出場を果たし、今週末は20台のマシンが揃った。前回出場したインディ500はアクシデントでリタイヤに終わったハーブだが、その走りがスポンサーを呼び込み、今回の出場機会を得ることができた。今日の予選は松浦などのレギュラー陣を上回り、14位のグリッドを獲得する活躍。明日の決勝では少しでも良い走りを披露し、次戦以降の出場にもつなげたいところだ。