<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ第6戦 ABCサプライ/AJ.フォイト225>
【日 程】6月2日〜6月3日
【開催地】ウィスコンシン州ウエストアリス
【コース】ザ・ミルウォーキー・マイル
【距 離】オーバル:1マイル(1.609km)
■■■6月2日予選■■■
天候:曇り時々晴れ/気温:22℃/
時間:15時45分〜16時45分(日本時間6月3日5時45分〜6時45分)
<インディ500を凌ぐ歴史を持つ“伝説のオーバル”>
2007年のIRLインディカー・シリーズは過密スケジュールが組まれており、約1カ月をかけてインディ500を戦い終えたばかりにも関わらず、休むことなく第6戦ミルウォーキーを迎える。
ABCサプライ/AJ.フォイト225は、その名の示す通り225マイル(362.025km)のレースだ。サーキットは、ウィスコンシン州ミルウォーキー近郊のウエストアリスにある“ザ・ミルウォーキー・マイル”。初めてインディ500が開催された1911年よりも前からレースを開催していた“伝説のオーバル”である。いわゆるショートオーバルでのレースは、これが今シーズン初めてとなる。
<フラットなショートオーバルの難しさ>
ザ・ミルウォーキー・マイルはバンク角が9.25度。インディアナポリス・モーター・スピードウェイの9度よりわずかに大きいが、コース全長が1マイルと短いため、ミルウォーキーのコースはほぼフラットに近い。このため、メインストレートに続くターン1、バックストレッチから進入するターン3のどちらも、進入の際にブレーキングが必要となる。また、1ラップあたりのコーナリング時間が長いことから、エンジンパワーよりもマシンセッティングの持つ重要性が高い。コンディションに合わせてマシンをどこまでファインチューニングできるかが、大きな鍵を握るコースである。
松浦孝亮は、スーパーアグリ・パンサー・レーシングへとメンテナンス体制を変更して初めてのショートオーバルを戦うが、最初のプラクティスで42周をこなし、21秒9983のベストをマークして5番手につけた。今シーズンのベストとも言える快調な滑り出しを見せた。
<2時間のプラクティスでさらにタイムを縮める>
松浦は、出場全車がいっせいに走るプラクティス2回目でも好調を維持。この2時間の長いセッションで72周を走行した松浦は、自己ベストラップを21秒7612まで短縮して6番手につけた。2デイイベントでの開催、そしてレース前のファイナルプラクティスも廃止されていることから、2回のプラクティスで決勝用、予選用の両方のマシンセッティングを行わなくてはならない。スーパーアグリ・パンサー・レーシングは予選用セッティングを考えつつも、決勝用セッティングに重きを置きながらプラクティスを進めた。
<最終アタッカーとして走った予選>
ミルウォーキーでは通常の予選ルールに戻り、2周のアタックが計測され、そのうちの良い方が予選タイムとして採用される。松浦はアタック1周目に21秒8416をマークし、アタック2周目にそれより僅かながら速い21秒8199を記録。今季ベストとなる6番グリッドを確保した。十分に戦える決勝用セッティングも確保しており、松浦は自信を持って決勝レースに臨む。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「ショートオーバルが苦手でないことを証明できたと思います」
「マシンは、プラクティス1回目からとても安定しています。ニュータイヤを履いたときのマシンバランスがとても良く、予選でもまずまずのタイムを出せました。これまで“ショートオバールが苦手”という見方をされてきましたが、チームメイトを上回るタイムを出せたことで、そうした見方が間違っていたことを証明できたと思います。
インディ500ではミスもありましたが、クルーたちは気落ちせずに頑張り続けています。今回は良いグリッドを手にすることができ、それがチームの士気を高めることにも繋がっていると感じています。
プラクティス2回だけでは、どのドライバーもレース用セッティングを完璧にできていないはずです。レースでのペースは、たぶん23秒フラットぐらいになるでしょう。長いレースですので、アクシデントに巻き込まれないようにしながらポジションを上げていきたいですね」
<ロン・キャット:チームマネージャー>
「決勝は、変化の激しいコンディションへの対応がカギになる」
「これまでは思うようなレースをできずにいたが、チームは一丸となって事態の改善に努めてきた。コウスケのキャリアを見るとショートオーバルでは苦戦を強いられていたようだが、コウスケは持っている力を発揮して予選6位に食い込む走りを実現させた。正直に言うと、もう少し上位のポジション、もう少し速いタイムを狙っていた。だが、コウスケはマシンの仕上がり具合についてハッピーだと言っているし、チームとしても順調にレースに向けてのプログラムを進めることができている。
今日は長時間のプラクティスセッションが用意されていたため、レースに向けて多くの有効なデータを集めることができ、とても有意義な時間を過ごすことができた。エンジニアたちは、それらを深く検討して決勝用セッティングを決定する。今週末は天候も大きなファクターとなる。気温の変化が激しく、どのようなコンディションとなるかはわからない。天候などの条件に合わせたセッティングの調整を的確に行うべく全力を挙げるつもりだ」
■■■予選結果■■■
1マイル(1.609km) 出走18台
順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
1位 3 H.カストロネベス 21.3596 171.071(275.253)
2位 9 S.ディクソン 21.5873 169.266(272.348)
3位 11 T.カナーン 21.6011 169.158(272.175)
4位 10 D.ウェルドン 21.6089 169.097(272.077)
5位 6 S.ホーニッシュJr. 21.7166 168.258(270.727)
6位 55 松浦孝亮 21.8199 167.462(269.446)
※全車、シャシーはダラーラ、エンジンはHonda、タイヤはファイアストン