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インディ・カー・シリーズ 第5戦 インディ500[フリー・プラクティス]フォト&レポート

<US-RACING>

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快晴となったインディアナポリス。蒸し暑かった先週のポール・デイに比べて暑さがなく、過ごしやすい一日となった。トップ・スピードをマークしたのは昨年のインディ500ウイナーであるサム・ホーニッシュJr.。これまでポール・ポジションを獲得したチームメイトのエリオ・カストロネベスの活躍が目立っていたが、ここにきて昨年の覇者が復調してきた。ヘルメットのデザインを一新し、Tカーで51周を走りこんだホーニッシュJr.は、50周目にこの日のトップ・スピードをマーク。2位のディクソンを0.5マイル以上引き離し、ただ一人225マイル台に入れる225.006mphを記録した。「今日は良い一日になったよ。明日はもっと良くなるだろうね。ペンスキーのマシンは今までにないくらいとても良い感触だ。でも僕たちはレース・デイまでにまだやるべきことがあるんだ。インディ500ではミスは許されないからね」と話すホーニッシュJr.。史上6人目の2連覇に向けて、順調な仕上がりを見せている。

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2位につけたのは、同じくTカーを使っていたチップ・ガナッシのスコット・ディクソン。予選ではいまひとつスピードを上げることができなかったチップ・ガナッシだが、決勝に向けたセット・アップは上々のようだ。「終盤にセット・アップを変更したのが良かったね。AGR(アンドレッティ・グリーン・レーシング)のマシンと一緒に走っていたんだけど、みんなが公平にドラフティングで走れるようにしてくれたのはうれしかったよ。明日はいくつか変更を加えたいと思っているんだ。どんなセット・アップにするかはもうわかっているよ」と満足げなディクソン。念願のインディ500初制覇に向け、視界は良好だ。

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この日誰よりも多い104周を走りこんだトニー・カナーン。所属するアンドレッティ・グリーン・レーシング(AGR)は、インディ500で5台体制を敷いているため、一度に4台が混走するなど、台数の多さを活かしてトラフィックのセット・アップを煮詰めていた。78周目には自己ベスト・スピードの224.340mphを記録したカナーンは、3位でプラクティスを終えた。トップ8までをペンスキー、チップ・ガナッシ、AGRの3チームが独占し、コンマ4秒以内にひしめき合う。決勝ではこの3強が熾烈なバトルを繰り広げることは、間違いない。

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13年ぶりのインディ500に挑むジョン・アンドレッティは、3強以外の一番手となる9位に入った。もちろんこの順位は明日の予選に向けたセット・アップでのものだが、パンサー・レーシングの3台目として出場するジョンは、走りはじめから良い感触をつかんでいる。「マシンはとにかくすばらしい出来だよ。パンサーで一緒に走るヴィットール(メイラ)がセット・アップしてくれたマシンは、最初からとても安定しているんだ」と、ジョンはインディカーのドライブを楽しんでいる様子。チームメイトの松浦とメイラがセット・アップに苦しむ中で、ジョンの加入がチームに良い影響をもたらすことになるだろうか。

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5年連続のインディ500出場が正式に決まったロジャー安川は、1年ぶりのドライブにも違和感がないようだ。この日47周を走った安川は、終盤に予選用のセット・アップを試し、10位となる222.409mphのスピードを記録。明日の予選にむけて弾みをつけた。「いいスピードが出ましたね。午前中はトラフィックの練習もできましたし、クルマは完璧とはいえないですが、レース・セットの仕上がりは8割くらいできていると思います。トップ・チームに比べるとスピードは足りないけど、バランスは良いですね。午後は明日の予選に備えてウイングの角度をねかせ、スピードを出しました。明日はできればトップの23位で予選を通過したいですが、23位から25位くらいに入ればいいかなという気持ちで予選に挑みたいと思います」と明るい表情で話す安川。このスピードを維持して、予選、決勝を戦ってくれることを期待したい。

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この日3番目に多い90周を走りこんだ松浦孝亮は、今週もセット・アップに苦しみ、220.968mphのスピードで19位となった。チームメイトのヴィットール・メイラも16位に沈み、パンサー・レーシング全体がセット・アップを決めかねているようだ。「トラフィックやフル・タンクなど色々やったんですが、基本的にスピードが遅いですね。ドラフティングに入っても遅いので、前のマシンに3車身まで近づけても、2車身までは近づけませんね。今日のタイムはよくなかったですが、みんながどこまでダウンフォースを削っていけるかを試していたので、コンスタントに215マイルでしっかり走れるクルマを作っていけばいいと思います。それほど悪くはないけれど、オーバーテイクできるようなクルマではないので、レースに向けてトラフィックで前のクルマに接近できるようなクルマを作れたら、僕としてはハッピーですね」と話す松浦。明日のプラクティスで上位進出を目指す。