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インディ・カー・シリーズ 第5戦 インディ500[ファスト・フライデー]フォト&レポート

<US-RACING>

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予選日にあたるポール・デイを明日に控えた91回目のインディ500は、予選前日のプラクティスとなる“ファスト・フライデー”が行われた。6時間に渡るセッションで、ただ一人227マイルを超える227.167mphのトップ・タイムをマークしたのは、ターゲット・チップ・ガナッシのスコット・ディクソン。開幕からここまでチームメイトのウエルドンの活躍が目立っていたが、伝統の舞台で2003年のシリーズ・チャンピオンが本領を発揮した。「最初の走行ではアンダーステアがあったけど、二回目の走行に向けてウイングを調整したら、速くなったよ。いい調子だから明日もこの走りを再現したいね」と満足げなディクソン。明日のポール・デイで自身インディ500初のポール・ポジションを狙いにいく。

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セッション開始から2時間が経とうとしていた1時58分に、ミルカ・デュノのマシンがターン1で姿勢を乱してスピン。マシン後部からウォールに激突し、ターン2のコース内側まで弾き飛ばされてマシンが止まった。一瞬ひやりとしたが、SAFERバリアや安全性が高いマシンのおかげで、幸いデュノにけがはなく、自力でマシンを降りることができた。念のためメディカル・チェックを受けたが、明日の予選参加に問題はないという。「かなり調子がよいときに、1コーナーの出口でマシンのコントロールを失ってしまったわ。みんながよい仕事をしてくれていたから、チームにもマシンにも申し訳ない気持ちでいっぱい。今はマシンを修復しなくてはいけないわね」と話すデュノ。デビューからここまで順調に走行を重ねていたが、今日は初めてインディの洗礼を浴びることになってしまった。

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ミルカ・デュノが無傷で済んだ要因のひとつが、このSAFERという衝撃吸収バリアだ。写真はデュノのクラッシュを受けたSAFERを修復しているシーンを撮ったもの。マシンが激突した鉄製のカバーを新しいものに交換し、飛び出ている部分をハンマーで叩いたあとに溶接。一見して突貫工事のようだが、このバリアが多くのドライバーを守ってきた。SAFERはスチール・アンド・フォーム・エネルギー・リダクションの頭文字をとったもので、コンクリート・ウォールの内側に鉄と強化発砲スチロールで構成されたエネルギー吸収バリアを設置し、衝突時のドライバーへの衝撃を劇的に低減することができるという。1998年からIRLが主体となって開発を行い、2002年のインディ500に登場。その後、瞬く間に全米のオーバル・コースに広がりを見せ、2005年には日本のツインリンクもてぎにも導入されている。2006年からは第2世代のSAFERとなり、より安全性がたかまっているそうだ。

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開幕から4戦はついていないレースが続いたため、インディ500で復活を誓う松浦孝亮。初日はエンジン・トラブルに悩まされたが、2日目に10位、3日目は225マイルを超えて9位まで調子を上げてきた。迎えた今日のセッションは誰よりも早くコース・インし、44周を走りこんだものの、スロットル・リンケージのトラブルから順位は19位にとどまった。「トラブルで2時間近く走ることができませんでした。コースに戻ってもよいセッティングが見つからなかったのですが、明日の予選にむけてはベストのセットアップを見つけたいと思います」とやや厳しい表情で語る松浦。5月27日の決勝までまだまだセッションが残されている。松浦の巻き返しを期待しよう。

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昨年に続き、インディ500へスポット参戦するマイケル・アンドレッティ。息子のマルコは4位につけて好調をアピールしていたが、マイケルは14位にとどまり、1年ぶりのドライブにまだ本調子が戻ってきていないように見える。今年も親子対決を心待ちにしているファンにとっては、少し不安の残る結果だった。しかし、昨年は予選13位からレース終盤にトップを快走しているため、決勝までに確実に調子を上げてくるだろう。ちなみに、パンサー・レーシングの16号車にジョン・アンドレッティが乗るという噂が出ている。ジョンはマリオ・アンドレッティの双子の兄弟であるアルド・アンドレッティの息子で、マイケルのいとこにあたる。これまでNASCARを主戦場にしてレース活動をしていたため、実現すれば13年ぶりのインディ500挑戦。今年は3人のアンドレッティによるバトルが見られるかもしれない。