INDY CAR

松浦孝亮、スタート直後に無念のクラッシュで地元戦を終える

<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ 第3戦 ブリヂストン・インディジャパン300マイル>
【日 程】4月19日〜4月21日
【開催地】日本・栃木県茂木町
【サーキット】ツインリンクもてぎ・スーパースピードウェイ
【距 離】オーバルコース:1.5マイル(2.414km)
■■■4月21日 決勝■■■
天候:快晴/気温:23.5℃/時間:決勝 午後1時〜
<ターン2でリヤが滑ってスピン、クラッシュ>
 いよいよ決勝日を迎えた2007年IRLインディカー・シリーズ第3戦ブリヂストン・インディジャパン300マイル。全長1.5マイルのツインリンクもてぎのスーパースピードウェイには新記録となる7万8500人ものファンがつめかけ、米軍横田基地の音楽隊や渡辺貞夫氏による国家演奏、ブルーインパルスの展示飛行などビッグレースにふさわしい華々しい雰囲気の中、松浦地元戦の決勝の火蓋が切って落とされた。
 松浦孝亮は自身4回目となるホームレースで2日間の走行で得られたセッティングには大きな自信を持っており、5列目イン側グリッドから常にトップグループにつけて戦えるものと考えていた。
 ところが、1周目のターン2でクラッシュ。松浦の地元戦は思いもかけない結果となってしまった。昨日のプラクティスでチェックしたレース用のセッティングは非常に良く、松浦もチームもレースに向けては明るい展望を持っていたが、スタート位置をほぼ守って飛び込んで行ったコーナーの中でリヤが突然流れ、180度スピンしてコース外側の壁にマシンをヒットさせてしまったのだ。
 今年からウォームアップセッションが省かれたスケジュールとなっているため、出場チームはどこも集団走行でのデータ収集を各コースで行うことができなくなっている。そこでスーパーアグリ・パンサー・レーシングは今回のレースでもトラフィックが多い序盤戦を戦うために、セッティングを安全サイドに振ってレースを迎えることにしていた。プラクティスで得られたフィーリングの良いセッティングをベースに、ダウンフォースを若干増加させたマシンでレースに臨む予定だった。
 開幕2戦に続いて、今回も結果を残すことはできなかった。スーパーアグリ・パンサー・レーシングと松浦は、今回のマシンがオーバーステアとなった原因が何であるのかの解明を急ぎ、次週末に迫っている第4戦カンザスでの戦いに向けた用意を始めなくてはならない。しかし、このレースウィークエンドには、ドライバーとエンジニアの協力関係をさらに強化することができており、チームとして大きな前進を遂げた。第4戦以降も高いモチベーションのまま臨んでいく。

■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「来週のレースからまた思いきって戦う」
「スタート直後、アウト側グリッドの方の加速がいいので、マルコ・アンドレッティが自分の前に出て行きました。序盤からポジション争いをする必要はないので、彼を前に行かせ、自分は10番手でターン1へと入っていきました。スピードも時速193マイルほどと速くはなく、タービュランスも影響はほとんどなかったと思います。そのような状況でしたが、突然マシンが滑りました。決勝用セッティングはとても良いものになっており、自分としてはいいレースができるものとの自信があり、気合いも入っていました。それだけに1周もできずにリタイアとなり、活躍するところを見せられなかったのはとても残念ですし、ファンの皆さんには申し訳なく思います。
 今週はマシンのハンドリングがオーバーステアになることはなかったのですが、レースで突然出てしまいました。リヤが滑り出す感覚すらなく、突然リヤが抜けたという感じでした。プラクティスからレースにかけて、こんなにハンドリングが変わってしまうというのは、これまで3年間インディカーで走って来て初めてのことです。エンジニアとデータを見て、どうしてそうなったのかを解明しているところです。今回の結果に腐ることなく、次のカンザスでのレースからまた思い切り戦います」

<ロン・キャット:チームマネージャー>
「原因を解明し、カンザスでも全力を尽くす」
「コウスケは1周目のターン1でクラッシュしてしまった。ハンドリングがオーバーステアになっており、突如リヤが滑ったためだった。チームメイトのヴィットール・メイラのマシンもオーバーステアが大きく出ていた。マシンのセッティングは昨日のプラクティスでチェックしたものと基本的に変わらないもので、その状態でコウスケはハンドリングの良さに満足しており、トラフィックの中でも安定感を得るためにダウンフォースを少し大きくしたほどだった。気温が若干高かったなど、コンディションの変化はあったが、なぜハンドリングが大幅に悪くなっていたのか、その原因を我々は解明しなくてはならない。
 次のレースはカンザス。メイラが昨年3位フィニッシュを果たしたレースなので、セッティングは走り始めから良いものとできるはずだ。レースセッティングに集中し、良い結果を得るべく、全力を尽くしていく」

■■■決勝結果■■■
1.5マイル(2.414km)             出走18台
順位 No. ドライバー     周回数  タイム差
1位 11  T.カナーン     200   1:53’25
2位 10  D.ウェルドン    200   -0.4828
3位 27  D.フランキッティ  200   -11.5538
4位  9  S.ディクソン    200   -13.0623
5位  6  S.ホーニッシュJr.  199   1周遅れ
18位 55  松浦孝亮       0   アクシデント
※全車、シャシーはダラーラ、エンジンはHonda、タイヤはファイアストン