<US-RACING>
オーバルのナイトレースで先週開幕したインディ・カー・シリーズだが、第2戦目となる今週の舞台は雰囲気も一転し、ストリート・コースでのレース開催となる。今年でIRL開催3年目を迎えるセント・ピータースバーグで、初日のトップ・タイムをマークしたのは昨年のウイナー、エリオ・カストロネベス。1分1秒6016のタイムは昨年のポール・タイムを、コンマ7秒近く上回る驚異的なパフォーマンスを見せた。「最初から、いいマシンに乗っている実感があったよ。すぐに速いラップ・タイムが出たからね。他のドライバーのラップ・タイムがあまり良くなっていなかったから、自分達はすごく良いところにきているなと思った。そのあと、コースに合わせていろいろなセッティングを試すことに集中したら、予選に向けていいマシンを用意することができた。今日は良かったよ」と、ご機嫌なカストロネベス。昨年逃したポール・ポジションを、今年こそは獲得なるか?
2位に入ったのはアンドレッティ・グリーン・レーシング(AGR)のトニー・カナーン。第1戦のホームステッドでは苦戦を強いられたAGRが、2年前にトップ4フィニッシュを飾ったこのセント・ピーターズバーグで、高いパフォーマンスを見せている。午後に行われたセッションの終盤まで、カナーンとフランキッティが1−2体制を構築。結局はカストロネベスに抜かれることになるが、カナーンとカストロネベスとの差はわずか0.0886秒しかない。明日の予選でも接戦は必至だ。トップだったカストロネベスといつもの冗談を交えながらの記者会見となったが、「今日は良いところも悪いところもあったね。僕もカストロネベスもディクソンも速かったけど、明日になったらホーニッシュも一緒にトップグループへ入ると思うよ」と、午前のセッションで4番手のタイムを記録したホーニッシュJr.の速さも認めていた。
午前のプラクティスでトップ・タイムをマークしたスコット・ディクソン。午後のセッションでさらにコンマ5秒タイムを更新し、総合3位でチームメイトのウエルドンを上回った。「今朝からスピードを上げることだけを試していた。ダラーラでストリートを走るのは初めてなんだけどね。最初のセッションはほんとうに良いタイムがでて、トップにたつことが出来た。2回目のセッションでさらにスピード・アップを図り、新しいタイヤをつけたことで、最速タイムまでコンマ2秒に迫れたよ。トップのタイムは出せないタイムではないから、納得いく予選が出来ると思う」と語るディクソン。2003年チャンピオンがセント・ピーターズバーグで本領を発揮するか、注目が集まる。
「一回目のセッションはマシンが決まらなくて、すごくイライラしました。新品のタイヤで走ったときには、トラフィックに引っかかって、かなりフラストレーションが溜まる午前中でした」と、11位で終えた午前のセッションを振り返る松浦。2回目のセッションは2つのグループに分けられ、松浦は第1グループで走行する。「セッティングに関わるあらゆることを少しずつ変えた」と言うように、午後に向けたセットアップの変更が功を奏し、2回目のプラクティスは序盤から上位につけていた。そして最終ラップ、タイムを1分2秒7769まで更新してトップに躍進。この最終ラップでの逆転劇に、スーパー・アグリ・パンサー・レーシングのピットが沸いた。路面コンディションが良くなる第2グループの走行が始まると、松浦のタイムは更新されて最後は7位になるが、「トニー(カナーン)がぱっと走り始めて、1分02秒4のタイムだと聞いたので、同じタイヤ、同じコンディションで走れたら、差はコンマ5秒くらいじゃないかなと思います」と自信を見せる。明日の予選に向け、「コンマ5秒をどうつめようか考えているんですけど、縮まりそうな感じはあるので、僕でコンマ2秒、マシンでコンマ4秒探してもらって、明日の予選はファイアストン・クオリファイに残りたいですね」と力強く意気込みを語った。明日の松浦に期待しよう。
第1戦で3位入賞を果たし、上々のデビューを飾った武藤英紀。ロード・コースでのテストではトップ・タイムをマークしていたことから、この第2戦には期待が高まった。午前のプラクティスで4位に付け、迎えた午後のセッション。トラフィックに引っかかり、なかなか納得のいくタイムがだせない武藤は、遅いマシンに引っかかってスピンを喫してしまう。「セカンド・セッションはクリア・ラップが取れなかった。セッションでやりたいことが出来ませんでした。僕たちは望んでいるセット・アップをトライしたけど、タイムを更新できませんでした」と午後のセッションを振り返る。巻き返しを誓う武藤、「明日のレースは楽しみです。レースでは良いパフォーマンスを見せれると思います」と語ってくれた。