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アメリカン・ル・マン・シリーズ 第2戦セント・ピータースバーグ[初日]フォト&レポート

<US-RACING>

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「ストリート・コースでは、P1クラスとかなり近いパフォーマンスを発揮できている」と話すのは、LMP2のトップ・タイムを叩き出したペンスキー・ポルシェのロメイン・ダマス。1分3秒039のタイムはLMP1のアウディをコンマ4秒近く上回り、みごと総合のポール・ポジションを獲得した。「去年のライム・ロック以来のベスト・ファイトだ。僕たちはスロー・セクションが良いんだけど、他のチームはストレートが速いからね。そこに気をつけなくちゃいけない」と明日のレースの展望を語るダマス。2位にもチームメイトのライアン・ブリスコーが入り、ペンスキー・ポルシェが1−2を固めて総合優勝を狙いにいく。

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セント・ピーターズバーグでの初開催を迎えたアメリカン・ル・マン・シリーズ。IRLインディカー・シリーズとの併催も初めてとなる。第1戦のセブリングとは打って変わり、コンクリート・ウォールに囲まれたストリートを、壁すれすれにプロトタイプ・マシンが駆け抜けていくのは、圧巻そのものだ。予選が始まったのは強い日差しが照りつける午後2時20分。まだ薄暗さが残る中で開始された午前のプラクティスと比べ、気温は27度まで上がり、風向きも変わってコンディションが大きく変化した。IPSとインディカーの走行でラバーがのったこともあり、朝のプラクティスから飛躍的にタイムが向上した一方で、バンピーな路面にとらわれ、ウォールの餌食になるドライバーも現れてたびたびセッションが中断。GTクラス、LMPクラスともに、予選がレッド・フラッグでセッションが終了する、波乱の1日となった。

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LMP1を制したのはカー・ナンバー1のアウディ。アラン・マクニッシュが1分3秒415をマークしたが、総合トップの座はLMP2のポルシェ勢に明け渡す結果となった。アウディが事前に自ら見解を示したとおり、P2クラスより150?も重い車体がこのコースでは不利に働いたようだ。朝のプラクティスではトップに立ち、P1クラスの意地を見せたマクニッシュ。予選に入っても積極的にアタックを行い、暫定トップをキープしていたが、開始5分にはペンスキーのカーナンバー6を駆るマッセンがマクニッシュのタイムを更新する。残り10分になったところで同じペンスキーのダマスが最速ラップを叩き出し、チームメイトから暫定トップの座を奪取した。これをみたマクニッシュは再びアタックに出るが、無理したのか、#1のアウディはターン7でバランスを崩し、スピンしながらそのままターン8のタイヤ・バリアに突っ込んでしまった。アクシデントについてマクニッシュは「午前は学習のセッションだった。午後に入ってからアタックを始め、ギャップをつめてフロント・ローに入るためにプッシュした。そうしたらコース・アウトしたのさ」とコメント。「ボディにフロア、それとフィルターがダメージを受けたけど、たいしたことないよ」と語るマクニッシュは、明日の巻き返しを誓う。

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アキュラ勢のトップはローラ・シャシーを使う、フェルナンデス・レーシングのアドリアン・フェルナンデス。午前中のプラクティスからコースの縁石を積極的に使う走りを見せ、マークされた1分3秒432のタイムは、P1クラスのアウディからたったの0.017秒差しかない。「今日の予選の走りには満足している。マシンは僕たちが頭を悩ませたセブリングに比べれば、多くの面で良くなっているよ。僕たちは良いバランスを見つけているし、アキュラ・エンジンはとてもパワフルだ」と語るフェルナンデス。明日の決勝ではコンマ4秒先を行く、トップのポルシェを追撃したい。一方、アキュラ・シャシーを使うアンドレッティ・グリーンとハイクロフトは、それぞれ5位と6位。ナンバー2のアウディを上回る活躍を見せ、明日の決勝に期待が掛かる。