<US-RACING>
昨年のチャンピオン争いを思い起こさせるような白熱した予選で、ポール・ポジションを獲得したのは、214.322mph(24秒9438)のトップ・スピードを記録したダン・ウエルドン。刻々と路面温度が変化するナイト・セッションの難しさも、絶大な信頼を寄せるエンジニアとのコンビネーションでポールを掴み取った。マシンを降りたウエルドンは「ターゲット・チップ・ガナッシのみんなが、冬の間、一生懸命に働いてくれたおかげだよ」と第一声。よほどうれしかったのか記者会見でも「限られたテストの中では、どんなに努力が必要かということに気がついたんだ。チームとホンダにはほんとうに感謝しているよ」と喜びを語る。「去年はチームとして、勝つチャンスがあったのにもかかわらず、その多くを逃してしまった。IRLではそういうチャンスを逃してはいけないんだ。今年はすべてのチャンスを生かしていきたいと思う」と昨年を振り返ったウエルドンは、相性の良いホームステッドで開幕戦3連覇を狙う。
2位には昨年のチャンピオンであるサム・ホーニッシュJrがつけ、昨年激しいタイトル争いを繰り広げたペンスキーと、チップ・ガナッシがフロント・ローを分け合うことになった。「惜しかったよね。マシンのハンドリングは良かったんだけど」と話すホーニッシュ。「この前のホームステッドのテストが2位で、今日のプラクティスも2位だった。そして予選でも2位。明日の決勝も2位でフィニッシュするかもね。それでもオーケーさ。インディ500さえ優勝できれば、そのほかのレースは2位でいいよ」と記者会見であっけらかんと語って見せるが、トップのウエルドンとの差は僅か0.0028秒しかない。「今日の夜、マシンの気になるところをいろいろ変えて、明日のレースで優勝できるマシンにしたい」と本音も語ったホーニッシュの視線の先には、優勝が見えているのかもしれない。
4年目のインディーカー・シーズンを迎える松浦孝亮。パンサー・レーシングへの移籍の影響か、それともチームがホームステッドを苦手としているためか、予選順位は18位に留まった。ただ、テストの時点から決勝を見据えたセット・アップを目指すチーム・スタイルのため、この結果には「残念だけど、予想はついていた」と話す。「ジオメトリーの違うマシンを持ってきて、その辺の様子見をしているし、単独のスピードがないのは気になるけど、トラフィックでの感触は悪くなかった。開幕戦はいつも荒れるし、今年からファイナル・プラクティスもないから、トラフィックで自信を持っていけるドライバーはいないはずなので、その面で僕らにアドバンテージがあると思う。予選の結果だけを見れば残念だけど、チームメートのヴィットール(メイラ)とも『レースカーはいい』と話しているから、決勝に期待してください」と明日への意気込みを語った。
いよいよインディ・プロ・シリーズのデビュー戦を迎えたスーパー・アグリ・パンサー・レーシングの武藤英紀。プラクティスから積極的に走りこみ、順位も6番手と上位につけて初経験となるオーバル・コースの予選に挑んだ。緊張のためか早くからコックピットに乗り込み、じっと自分の順番を待っていた武藤。15番目に登場し、「ミスはなかった。今まででベストの走りが出来た」と言うとおり、それまで暫定トップにいたボビー・ウイルソンより1マイル以上速い、186.154mph(28秒7181)のトップ・スピードを記録し、この時点で暫定トップに躍り出た。その後、2回目のプラクティスでワン・ツーを獲ったクリス・フェスタと、アレックス・ロイドに抜かれるものの、初めての予選で3位を獲得。デビュー戦での優勝も狙える好位置だが、本人は上位二人とのタイム差を冷静に分析し、「明日は優勝したいけど、上位二人は簡単に抜けるもんじゃない。トラフィックについてはまだ学ばなくてはいけないところがあるし、それが明日の目標にもなる」と語る。しかし、「とにかく明日は前の二人を追って、最後の10周くらいで何とか抜こうと思っています」と決勝への強い意気込みも見せてくれた。
アレックス・バロンが2年ぶりにインディ・カーの舞台に戻ってきた。2002年にナッシュビルで優勝経験があるバロンは、チームの消滅により2003年のシートを喪失。2004年にレッド・ブルのサポートを受けたチーバー・レーシングに所属するも、主だった成績を上げられず、昨年は下位カテゴリーのアトランティック・シリーズに参戦し、10レースを戦う浪人生活を送っていた。しかし今回、ベック・モータースポーツで2年ぶりドライブを果たすことになった。「このプロジェクトには彼が最適な人物。彼はレース・ウイナーであるし、あらゆる面でいい男だよ」と語るのはバロンを起用したオーナーのベック氏。テスト不足が露呈してプラクティスから予選まで最下位に留まっているバロンだが、決勝ではなんとか良い走りを見せたいところだ。
サラ・フィッシャー、ダニカ・パトリックに次ぐ、IRL史上3人目の女性ドライバーが誕生することになった。カー・ナンバー23、シトゴ・レーシング/サマックス・モータースポーツのシートを射止めたのは、南米ベネズエラ出身のミルカ・デュノ。インディ500を含む、カンザス、テキサス、アイオワ、ワトキンスグレン、ナッシュビル、ミド-オハイオ、ミシガン、ケンタッキー、そして最終戦のシカゴと計10戦に出場することが発表された。ワールド・シリーズ・バイ・ニッサンを経て、昨年までグランダムのデイトナ・プロトタイプに参戦していたデュノは、グランダムで3勝を挙げ、メジャーなスポーツカー・レースを制した初めての女性ドライバー。デビュー戦のカンザスでは、すでに35歳を迎えて遅咲きのデビューとなるが、グランダムのスターがどんな走りを見せてくれるか注目が集まる。
プラクティス中に突如雨が降りだし、大慌てで雨宿り。濡れたオーバル・コースを高速で周回するのはとても危険なため、このような状態では走行が不可能になってしまいます。雨はすぐに晴れましたが、コースには水が残り、限られた時間の中でスケジュールをこなすには、自然に乾くのを待っていられません。そんな時に登場するのが、コース上のデブリやタイヤ・カスを飛ばすときにも使われるジェット・ドライヤー。レーシング・カーとは明らかに異なる“ボー”という音をならし、路面が完全に乾くまでの間コースを周回するは雨のときに見られる特別な光景です。
レッドブルがいなくなって、最近は少し静かになっていたホスピタリティ・エリアでしたが、今年からクラブ・パトロンがドーンとオープン。昼間なのに、なぜかちょっと怪しい感じです。今年からシャープのスポンサーとなったパトロンはテキーラなんですが、これをベースにしたカクテルをここで飲むことができます。でも仕事中に一杯ひっかけるわけにもいかず、楽しんでるお客さんがチョッとうらやましい。今年からタバコの広告がダメになりましたが、まだお酒はだいじょうぶ。プロモーションも兼ねて、日本酒も出てくる(和食のつまみも!)と良いかもしれませんね。僕らは飲めないけど・・・。
ビバ、アメ〜リカ! って別にイタリア人じゃないけど、気分はそんな感じですね。ずらっと6人も揃ったキャンギャル、さすがプレイボーイっていうか、レベル高し。思わず、サイン欲しくなりました。なんでプレイメーツがいたかというと、今回併催されているグランダムのGTクラスに参戦しているフェアレディZ(こっちでは350Zです)が、プレイボーイのスポンサーなんです。そういえば、昔はなぜかもてぎのレースにもプレイメートが来てたなぁ。今年は来ないかな〜?
インディ・プロ・シリーズ予選後のひとこま。武藤選手とこれから予選に挑む松浦選手がピットで話し合う。予選を3番手で通過した武藤は、「昨日はクルー・チーフに、走行前は何も食べるなといわれていたんです。それで今日はずっと食べなかったから、今はすごくおなかが空いています」と話すなど、初めての予選終えてほっとした様子。表情もリラックスしているように見える。逆にこれから予選を迎える松浦は緊張のためかやや表情が硬い。予選結果は18位と振るわなかったが、決勝での上位フィニッシュを期待したい。