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インディ・カー・シリーズ第14戦シカゴランド[決勝日]フォト&レポート

<US-RACING>

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ポール・ポジションからスタートしたホーニッシュJr.は、オープニングラップでポジションを下げるが、先行するウエルドン、ディクソンから離されることもなく、2番手から3番手で周回を重ねた。今日のマシンは3位でフィニッシュするのが精一杯だったのかもしれない。その結果、合計475ポイントとなり、優勝したウエルドンと同ポイントでランキング争いに終止符が打たれた。この場合、優勝回数の多い方がチャンピオンとなるので、ホーニッシュJr.が自身3度目のシリーズ・チャンピオンに輝いた。悲願だったインディ500も制し、同年にチャンピオンまでも獲得したホーニッシュJr.。今シーズンのチャンピオンに相応しい活躍をみせ、チーム・ペンスキーにとって初じめてとなるインディ・カー・シリーズのチャンピオンをプレゼントした。

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200周のレースの内166周をリードし、最多リードラップ・ポイントも獲得して優勝したウエルドンは、ホーニッシュJr.と同ポイントでフィニッシュした。しかし優勝回数において、2勝目だったウエルドンはホーニッシュJr.の4勝に届かず、2年連続チャンピオンは夢と消える。「なんとしても勝つつもりだった。今年はフラストレーションもあったし、このまま終わりたくはなかったからね。アグレッシブに走ることができたし、それは間違っていなかったよ。少しほろ苦い終わり方だったね」とレースを振り返るウエルドン。ガナッシにとって50勝目だったが、できるすべてを達成できても、残念ながらタイトルには届かなかった。

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チャンピオンに一番近かったカストロネベスは、最初のピットストップでピット・スピード違反をしてしまった。オフィシャルからの指示で最後尾からリスタートすることになり、この時点でチャンピオン争いからは脱落することになった。レース後半に発生したイエロー・コーションでトップグループに追いつくチャンスを掴むが、優勝したときのような走りを見せることなく、カストロネベスは4位でフィニッシュ。ホーニッシュJr.、ウエルドンに2ポイント差でランキング3位となった。毎年、ランキングではいいところまでいくカストロネベスだが、今回もチャンピオンになることはできなかった。今回チャンピオンを争った4人のなかでもカストロネベスだけが、今だシリーズ・チャンピオンになったことがない。今年最大のチャンスを逃すことになったが、来年こそはチャンピオンになれる活躍に期待したい。

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レースがスタートすると、一気に5番手までポジションアップを果たした松浦。今シーズン何度かスタートからトップグループについていく走りを見せていただけに、今回こそはトップグループのまま終盤まで走りきるのではと期待がかかった。しかし、最初のイエローコーション後のリスタートからは、徐々にトップグループから離れされて行き、第2グループで我慢の走行を続けることになった。「とてもタフなレースでしたね。スタートが凄く良くてトップグループまでポジションアップしました。その時点でハンドリングもよかったんですね。でも、ピットストップでフロントウイングを立ててから少しアンダーステアがトラフィックの中で出てきて、スピードが出なくなっていったんです。最後のスティントでやっとスピードが出てくるようになったのですが遅かったです。今日はそのような状況の中でベストを尽くしたと思います」と、レース後に語った松浦。最終戦は11位でフィニッシュし、ランキング13位で3年目のシーズンを終えた。来年度の活躍に期待したい。

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昨晩から降り始めた雨は朝まで降り続け、8時にはレース場に着いたのだが、その頃になってやっと雨が止み始めた。8時45分から予定されていたファイナル・プラクティスは結局中止になり、スタート時間まで待つことになった。天気予報では雨という予報になっており、再び降り出せば間違いなく開始時間は延長することになっただろう。しかも明日からの天候も芳しくなく、あるカメラマンは「来週の土曜日になるんじゃないか?」と、言い出した。なんとか雨は降ることなく、レースは定刻通りにスタート。101周(総周回数の半数を走行すればレースは成立するので)を過ぎてやっとほっとする最終戦となった。

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今シーズンは14戦で行われたインディ・カー・シリーズ。昨年は17戦開催され10月16日に最終戦がカリフォルニア・スピードウエイで行われたが、今シーズンはこのシカゴランド・スピードウエイでシーズンが終了した。例年より少し早い時期に終了したこともあり、あっと言う間だったよう気がする。昨年は確か12戦目のケンタッキーで、本年度のスケジュールが発表されていたが、今シーズンはシーズンが終わったというのに、まだ発表されていない。現状で決定している開催コースは、4月1日のセント・ピータース・バーグ、カンサス・スピードウエイが4月の中旬、インディ500が5月の上旬からスタートし、下旬に決勝が開催。その後6月3日にザ・ミルウォーキー・マイル、6月9日にテキサス・モーター・スピードウエイ、初開催となるアイオワ・スピードウエイが6月24日。そして8月11日にケンタッキー・スピードウエイと、この7コースとなる。日本のファンにとってはもてぎでの開催日がいつになるかが一番早く知りたいところだが、まだ正式な発表がされていないのが残念なところだ。そのほかにも噂では、ロサンゼルスのダウンタウン(ストリート・コース)で開催するのでは? といったことや、モントリオールのジル・ビルニューブ・サーキットで行われていたチャンプ・カーのレースが今年で終了するので、変わりにインディ・カーが開催するのでは? と、いう話も出ている。レース数も増えるらしいが、最終戦の時期は今年と変わらないらしい。なにはともあれ、早く来年のスケジュールが決定すればいいのだが。