<US-RACING>
予選2位からスタートしたホーニッシュJr.が、前戦のリッチモンドに続き優勝を飾り、今シーズン、カストロネベスと並ぶ3勝目を記録した。今日のレースは、カストロネベスがスピンして後退すると、ホーニッシュJr.、ウエルドン、ディクソンの3台にトップグループは絞られた。ホーニッシュJr.は、そのトップグループの中でも速く、後続を徐々に引き離していった。レース中盤はウエルドン、ディクソンといったターゲット・チップ・ガナッシの2台も付いていくのがやっとといった感じだった。レース終盤、ウエルドンがホーニッシュJr.に近づき健闘したが、今日のホーニッシュJr.には届かなかった。これまで8戦が終了したが、開幕戦とワトキンス・グレンを除く6戦はペンスキーの2台が優勝していることになる。ランキングでもホーニッシュJr.がカストロネベスを追い越しトップに浮上。今後もホーニッシュJr.の独走が続くか?
午前中にカンサス・スピードウエイが記者会見を開いた。これは来年のカンサスの開催時期に関する発表で、サーキット運営側としては、これまでの7月上旬の開催から4月に移動するというアナウンスだった。今週末もそうだが、この時期のカンサスはとにかく暑い。今日の最高気温も34度でしかも湿気があるため蒸し暑いのだ。レースを観にくるファンのことを考えると、このような暑い時期よりも4月頃の涼しい気候の中で観戦した方がよりいいだろうというサーキット側の考え方が、ひとつの案として話されていた。どうやら4月下旬開催を考えているようで、もてぎが昨年と同じ時期に開催されることになれば、その翌週には行われ、その後インディ500のオープニングデイを迎えるようなスケジュールになる感が強い。ただ、もてぎの翌週に開催するとなれば、かなり強行スケジュールになるだろう。もしかすると、もてぎは4月の開催から移動するのかもと、今回の発表を聞いていろいろ考えた。もてぎの正式な開催時期はまだ発表されていないと思うが、いつになるかが実に興味深くなった。
レース序盤は予選の結果どおりにペンスキーとターゲット・チップ・ガナッシの4台がレースをリードしていた。しかし、37周目にこの4台から1台が脱落することになった。ポイントランキング1位のカストロネベスのマシンがバランスを崩し、少しスピンするとターン4のセーファー・バリアにマシン後部を接触。幸いにもリアウイングのダメージだけで済み、マシンを立て直すと、その状態のまま走行を続けピットに戻っていった。このイエローコーション中にリアウイングを交換して再びコースに復帰したカストロネベスは、徐々に追い上げるもさすがにトップグループに追いつくことはできず、6位でフィニッシュした。リタイアとならず6位でフィニッシュできたのだから十分な結果だと思うが、チームメイトのホーニッシュJr.が優勝したため、ポイントランキングでは2位に後退。しかし、その差は20ポイントとそれほど開いてはいない。チームメイト同士のランキング争いは今回のレースを切欠にさらに白熱していくことになるだろう。
ポールポジションからスタートしたウエルドンがトップでいられたのは6周目までだった。その後はホーニッシュJr.のマシンを見続けながらの走行がしばらく続き、レース後半の149周目に再びトップに返り咲くと、事実上2人の一騎打ちとなった。ウエルドンのリードがしばらく続くが、ホーニッシュJr.も負けずと184周目にはトップへ。レースは残り数周を迎え、ウエルドンが再びイン側を走行するホーニッシュJr.をアウトから追い抜こうとするのだが、前に出ることはできなかった。ホワイトフラッグが振られた時点で二人の差はマシン1台分。ファイナルラップでその差を若干縮めたが、ホーニッシュJr.の横にマシンを並べるまでには至らなかった。今回もペンスキーに優勝を奪われたターゲット・チップ・ガナッシの2台。次戦のナッシュビルで無念を晴らす活躍に期待したい。
予選6位からスタートしたメイラは、レースでトップグループについていくことができず、第2先頭グループでの走行となった。レースも終盤となり、最後のピットストップを終えたメイラだが、このピットストップで11位まで後退してしまう。しかし、前戦のリッチモンドのようにその後確実に追い上げ、昨年と同じ3位でフィニッシュした。ハイスピード・オーバルでも一旦、10位前後まで後退すると、なかなか追い上げることは難しい。しかし、メイラは徐々に追い上げると最後の5周でカナーン、ディクソンを抜き去り2強チームの間に入る結果を残した。レースを終えて思うが、やはりペンスキー、ターゲット・チップ・ガナッシに付いていけるマシンを仕上げるのは現状のチームでは難しい。もちろん、かかっている予算が違うということもあるが、そのような厳しい状況で3位フィニッシュすることに意義があると思う。チャンスを逃し続けているメイラだが、このような走りを続けていれば必ずチャンスが訪れるだろう。
レース中盤、7位を走行していた松浦は、2回目となったリスタートで好スタートを切り、4位までポジションアップした。レース後半はその勢いでトップ5以内でのフィニッシュに期待がかかったが、183周目のリスタートで周回遅れのマシンが松浦をブロックし、後退を余儀なくされると8位でフィニッシュした。「レースの内容は良かったと思いますが、最後のリスタートはついてなかったですね。2台の周回遅れのマシンが目の前にいて、そのうちの1台にブロックされてしまいました。マシンはすごくよかったんですけどね。最後のピットストップのあと、イエローコーションがでるまでの流れはよかったと思います。ハイスピードオーバルで僕達のマシンはとてもいい感じです。ナッシュビルのレースが楽しみですね」と、レース後に話す松浦。今回は最後に運が味方しなかったが、次戦のナッシュビルでの活躍に期待したい。